原発性副甲状腺機能亢進症

ゲンパツセイフクコウジョウセンキノウコウシンショウ

【英】primary hyperparathyroidism

【独】prima¨rer Hyperparathyreoidismus

 

副甲状腺の腺腫,過形成,癌などによって副甲状腺ホルモン*の過剰分泌が原発性に生じ,種々の異常をきたす疾患である.1個のみの腺腫(0.4100 g)の場合が最も多い.下部副甲状腺に発生する例が最も多く,縦隔内発生例もある.病変として,1 骨では骨組織の喪失,新生骨の増加,褐色腫*がみられる.組織学的には破骨細胞*の増加,線維組織の増加,嚢胞形成をみる(osteitis fibrosa generalisata cystica).2 腎では腎結石,尿路閉塞による水腎症,腎盂腎炎,腎石灰化,高血圧をみる.3 生化学的変化としては高カルシウム血症*,低リン血症*,高クロル血症性アシドーシス,アルカリホスファターゼ上昇,リン再吸収率低下,腎原性サイクリックAMP増加,1α,25OH)2D上昇をみる.臨床上3型を分類する.1 骨型,2 腎型,3 化学型(高カルシウム血症を主とする).その他,新生児副甲状腺機能亢進症,家族性副甲状腺機能亢進症*,多発性内分泌腺腫(腫瘍)*として生ずるものもある.→副甲状腺機能亢進症