アカラシア手術

アカラシアシュジュツ

【英】operation for esophageal achalasia

【独】Operation fu¨r idiopathische O¨sophagusdilatation

同義語:特発性食道拡張手術operation for idiopathic esophageal dilatation,機能的食道拡張手術

 

食道疾患研究会により食道アカラシア取扱い規約が設定され ,本症は下部噴門部の弛緩不全による食物の通過障害や食物の異常拡張などがみられる機能的疾患であると定義されている.近年の外科的治療成績の向上 ,安全性などから,本症に対する治療法の選択を食事管理や薬物療法より外科手術をまず第一とする傾向になってきている.食道アカラシアの外科治療の目標は,第1に噴門を中心とした食物の通過障害の除去または改善であり,第2には通過をよくしながらも胃内容が食道へ逆流しないような工夫を同時にしてやることである.歴史的にもいろいろな術式が試みられてきており,わが国においても近年なお幾多の新術式や改良術式の発表がみられ,このことは,とりもなおさず良性疾患である本症の手術術式に今なお改善の余地のあることを示唆するものであろう.主な術式としては,1 噴門〔側〕切除術,2 Wendelの噴門成形術,3 Girard変法,4 ヘルレルの粘膜外筋切開法Heller's myotomy,5 Heller‐内山変法,6 Petrovsky手術, 7 long lateral myotomy with fundoplication,8 有茎胃弁移植下部食道接合部成形術,9 fundic patch法などがあげられる.これらのうち一般的によく用いられるものとして,軽症のアカラシア*に対してはHellerの粘膜外筋切開法,重症例に対してはfundic patch plastyThalHatafuku plasty)が適用されており,その成績も良好である.→噴門形成術

噴門形成術

フンモンケイセイジュツ

【英】cardioplasty

【独】Kardioplastik

【仏】cardioplastie

 

食物の胃内流入を容易にするため噴門の拡張をはかる手術である.主として噴門アカラシアが適応となるが,瘢痕性狭窄にも行われることがある.手術の構想は幽門形成術の場合と同様で,おもな術式としてはつぎの諸法がある. 1)ヘルレルHeller法(粘膜外筋切開法):食道噴門境界部を中心とし,前後壁に長さ78cmの縦切開を加える.粘膜は切り開かないで,食道および噴門部の粘膜が膨隆するまで行う.切開創は縫合せずにそのまま開放性とする. 2)ペトロヴスキーPetrovsky法:左開胸下に下部食道噴門部前壁筋層をT字切開し,この食道筋層欠損部を横隔膜の有茎弁で被覆縫合する方法である. 3)タール・ハタフクThalHatafuku法(fundic patch plasty):開胸経路あるいは開腹経路によって,狭窄部の全層切開を行った後,その切開部に胃底部前壁を吊り上げ縫着する方法である.本法は十分な通過が得られることと,胃底部の吊り上げにより,逆流性食道炎の防止ができる利点がある. 4)その他の方法:Gro¨ndahl法, Wendel法, Girard法, Heyrovsky法などがあるが術後逆流性食道炎発生などのため現在ではあまり行われていない.→アカラシア手術