緊張型頭痛

「成人の5人に1人がその症状に悩んでいる。」それが、緊張型頭痛です。

緊張型頭痛の痛みは、毎日のように起こりますが、日常生活に影響を与えるような激しい痛みに悩まされることは少なく、いつの間にか始まった痛みがだらだらと続き、特に午後~夕方の疲れがたまってくる時間に、痛みが増す傾向があります。

後頭部や首・肩のコリを感じていませんか?

緊張型頭痛は、頭周りの筋肉の過度の緊張によって血管が収縮し、血液の流れが悪くなることで起こります。後頭部・首・肩のコリ、目の奥の痛み・眼精疲労、全身の倦怠感を訴える方が多いようです。

心の疲れ・ストレスも原因に

また、精神的に悩み事があったり、不安を抱えているなどでストレスを感じていると、自律神経のバランスが崩れ、筋肉に栄養を送る血管が収縮し痛みが生じることもあります。なかには、筋肉の緊張とは関係なく、頭の中の痛みを感じる機能に異常がある場合があります。適応障害やうつ病など、心の病気が原因となることもあるので、注意が必要です。また、頭痛という痛みの水面下では、「脳の興奮した状態」があり、脳が敏感になっているという診方もあるようです。自己判断せずに、頭痛専門病院を受診し、必要な検査を受けることをおすすめします。

当院の治療

緊張型頭痛の原因である、首・肩・頭周りの筋肉の緊張をほぐして、血流を改善する治療が中心となります。肩こりがひどくなると頭痛が起きる方が非常に多いようです。

肩こりのページも是非あわせてご覧ください。具体的には、首から背中にかけての大きな筋肉である僧帽筋・肩甲骨を持ち上げている肩甲挙筋・後頭部の下から首にかけての小さな筋肉・首の横にある胸鎖乳突筋・斜角筋などのコリや過度の緊張を鍼灸治療でゆるめていきます。また、頭痛の状態にもよりますが、耳の上にある側頭筋やこめかみにある太陽(たいよう)という特効のツボを使うこともよくあります。眼精疲労の症状がある場合には、目の周りにある目の疲れに効くツボに鍼をすることもあります。緊張型頭痛は肩や首のコリが主な原因ですが、他に、冷え・風邪・精神的な緊張・ストレスなどでもおこります。

東洋医学で診ると

§  風寒(ふうかん)タイプ:風邪などを引いたときに起きる

§  寒飲(かんいん)タイプ:クーラーなどの冷え・冷たいものの食べ過ぎ

§  気滞血瘀(きたいけつお)タイプ:精神的な緊張や血流の低下による

§  肝陽(かんよう)タイプ:緊張・怒り・イライラなどのストレスによる

§  気虚血瘀(ききょけつお)タイプ:疲労によって悪化する

§  肝血虚(かんけっきょ)タイプ:眼精疲労や睡眠不足で症状が強くなる

緊張型頭痛は、筋肉や心の緊張によっておきていると考えます。筋肉のコリや痛みは比較的気が付きやすいのですが、心の緊張は気づかずに過ごしてしまい、無理を重ねてしまうガンバリ屋さんが多いようです。

「疲れた~」の一歩手前に休憩を!

緊張型頭痛は、その名前の通り、頭周りや首・肩・背中の筋肉が過度に緊張することで起こります。パソコンなどで長時間同じ姿勢を取り続けているだけでも、筋肉は緊張します。そこに、モニターを見る、目で文字を追う、書類を見ながら文字を打つなど目を酷使するため、眼精疲労や後頭部~首にかけて痛みがおきることが多いです。できるだけ、定期的に時間を取ってほんの数分でも良いので、首・肩のストレッチや目の疲れをとる目の周りのツボ押しをするなど、気分転換を上手く取り入れることが大切です。緊張が続くと、呼吸が浅くなることも多いので、ゆっくりと深呼吸を繰り返すのも良い方法です。

 

鍼やお灸の治療は、「思っていたよりも痛くなかった」「とてもリラックスできる」という声をよくいただいています。薬で対処することが気になっている方にもおすすめの治療法です。気になる症状がありましたら、どうぞご相談下さい。