5.手の少陰心経 9穴(月TMERIDIEN DU COEUR

 

流 注 心経は、牌経の支脈が胃より心臓に入ったところから起り、少し上にのばり、現在の肺動脈に相当するところでまた下って、臍上2寸の下虎穴のところで/ト脇を絡う。その支脈は、肺動脈(心系といった)に相当するところから別れて上って咽喉を挟み、上行して目につながる。本経は心系と呼ばれる部分から肺臓に上り、また下腋寓を得り極泉穴に至る。これから初めて経穴があるが、上腕、前腕の内側、小指側を下って小指の爪甲根部に至って終る。










泉    (HT1

部位腋寓わ中央∵腑種の中・iとあ去ごh7仁♪・-⊥

取り方 腋寓は前方の大胸筋と後方の広背筋の間に構成されているが、ほぼ中央部を押さえれば、側胸の前鋸筋起始部と肩甲下筋のさかい目がわかる。その中央に当る部を強圧すれば強い痛みを感ずる。ここが極泉である0艶塑型三号も

【筋肉】前鋸筋、肩甲下筋、内・外肋間筋

【血管】腋寓動・静脈

【神経】肋間神経外側皮枝および筋横、長胸神経、肩甲下神経

【主治症】腋嵩の中央にある穴で、実際上取りにくい場所であるだけにあ まり使われない経穴である。心臓病や肋間神経痛、神経衰弱等に効くとされ、また腋臭(わきが)に灸がよいとされている。


2.青   果    T2

部位墜や巧け、上讐骨甲御幸琴?坤3、す、」碧聖弼㌍欒lチ今ゃ?

取り方 管(ひじ)を伸ばして上腕二頭筋の内縁を肘の横紋からさすり上げていくと、内側上顆から皐3寸の睾;ろで上腕筋、上腕三頭筋の接す,声ところにY、たる。通常こりこりした圧痛のあるものがある。ここに青霊穴を取る。

【筋肉】上腕筋、上腕三頭筋と上腕二頭筋の問

【血管】上腕動脈、尺側皮静脈

【神経】内側上腕皮神経、尺骨神経、正中神経の通路に当る。

【主治症】主として尺骨神経痛・正中神経痛や寿命痛といわれる腕の痛みに取穴される。


 

の内血上腕骨内側上顆の直下、療紋如嘩監灸もノ

取勺方 肘を半分ほど屈すると横紋が現われる。内側上顆の下、横紋の内獣焚か空理ヰ琴享り即今竺王熱望へ円回内筋、横側手根屈筋等の腱の付着部に当る。また、別説には内側上塀の上方5分、堅い腱(内側筋間中隔)の外方に取るものもある。

【筋肉】円回内筋腱、榛側手根屈筋腱

【血管】尺側反回動脈、尺側皮静脈

【神経】内側前腕皮神経、尺骨神経、

【主治症】頭痛、歯痛、頚痛等、頭部の充血によって起るやまいに効く。したがって眼の充血や鼻の充血等にも効果がある。尺骨神経痛、肘関節の病気にも効く。

 経絡的には火経の水穴であるから、腎虚証であって精神に異常のある場合等にはこの穴を補う。

 

4、霊   道 (経金穴)(HT4

 

部 組、前腕前面の下方で尺側、豆状骨の上方15分にある。

剛方/産関節部の前面の小指側を触れて見ると、尺骨下腑の下にとがった骨が出ている。これが豆状骨である。手関節の横紋の内鰍こ神るが、撃轡羊瑚脚ヱ叩5分上方ここには豆状骨に停止する尺側手根屈筋の腱が強く張っている。経絡はこの腱の下を通っているから経穴もこの下にあると考えなければならない。実際の治療のときは鍼は、この腱の尺側あるいは榛側から腱の下に向って刺入すればこの穴に当る。灸は手関節をやや果、腱を緩めてその上に吏ヰきであー亀

【筋肉】尺側手根屈筋、深指屈筋、方形回内筋

【血管】尺骨動脈、前腕正中皮静脈

【神経】内側前腕皮神経、尺骨神経通路

【主治症】諸種心臓病、ヒステリー、尺骨神経痛、あるいは麻痺に効く。経絡的には心経のやまい常警竿雪アる取

 

 

J里嘩理とも書く)(絡穴)C5T岬′fHT5

部位前腕前面の下方ゐ尺融宅状骨の上方1寸に毎朝

取り方 手関節の前面で横紋の尺側から上方1寸のところで、尺側手根屈筋の腱の下に経穴を定める。腱を2本の指でつまむと腱の下にすじを触れ痛むところがある。刺鍼はその左右のいずれかより行う。灸は手関節を少しまげて腱を緩め、その上に行う。

【筋肉】尺側手根屈筋、深指屈筋、方形回内筋

【血管】尺骨動脈、前腕正中皮静脈

【神経】内側前腕皮神経、尺骨神経通路

【主給症】主として心臓のやまいに効く。心悸完進、心臓衰弱に著効があ

  る0また頭痛、眩量、月経過多、あるいは子宮出血にも効果がある。

 

 

6.陰   部 (別名、石宮・′ト陰部)(郭穴)C6J乃乃イ汀よ(HT6

 

部位前腕前面の下方の尺臥豆状骨の上方5分にあるタ

【り方手関節の前面、横紋の尺側・豆状骨のきわより上方5分のところ、尺側手根屈筋腱の下に穴を取る。鍼刺はその腱の榛側か尺側のいずれかより行う。灸は手関節を少しまげて腱を緩め、その上より行う。

【筋肉】尺側手根屈筋、深指屈筋、方形回内筋

【血管】尺骨動脈、前腕正中静脈

【神経】内側前腕度神経、尺骨神経通路

【主治症】通里とほぼ同様な治効があるが、特に郊穴であるところから、心臓のやまいであるJL、惇冗進とか、心臓が痛む場合等の急性症の場合にこれを止めるのに用いられる。井穴の中衛、少衝も同様な治効を有する。そ

 

 

1㌔・ム霊・= ̄′ ′7了三 しイ了\”川、ル脚 ̄朋云・竿盲完gニ::£蒜;-7

 部位主関南壷去兢議紋の内議、豆状骨の上際にある。

 取り方 手関節部で尺側、豆状骨の上際に取る。この部には尺骨動脈の拍動があって神門の脈といわれ、主として妊婦の診察に使われ牢9

【筋肉】尺側手根屈臥屈筋支帯

【血管】尺骨動脈、前腕正中皮静脈

【神経】内側前腕皮神風尺骨神経通路

【主治症】禅門は大体心臓性の疾患、脳神経性の疾患、そのほか消化器性 の疾患に効く穴で、心臓肥大、心惇冗進、心臓衰弱等によく、墟痛、神超 衰軌不眠症、眩堂、精神錯乱等に効く0また、以上のようなやまいで胃腸の機能の衰えている場合に特にこの穴がよい。愈土穴とはこの意味である。

 

 

門(タリ名、允衡・免骨・鋭中)(愈士、原穴)

 

また、心経の本領である精神機能にあわせて心の臓の原気が衰えた場合には、この神門は原穴の特質を充分に生かして利用すべき穴である。

心包経の太陵穴との関係はどうかというと、心と心包との関係にもどるが、心もJL、包もともに同一器官という考え方である。ただ心の方は心そのもの、心包はその代理というような区別であるから、心経や心臓そのものが病(や)んでいる場合は心経の経穴に取穴し、他経の影響によって心経や心臓がやんでいる場合には心包経に取穴するのである。この意味で神門穴の代理として太陵穴が用いられるのである。いずれもよく効く穴である。

禅門はまたその部位の関係上、尺骨神経痛や麻療にもよく著効を現わし、手関節炎やリウマチにも取穴される。

 

 

畑畑・与ぜ㌔∴名、発禁(よ穴;。.8。ゐゆ(HT_8

 

部 位 手掌の内下方、第4中手骨と第5中手骨の間にある。

取り方 第4、第5指を屈してその両指端の当る間に取る。手関節の前面の内側で、第45中手骨の問を指で押し上げていくと止まるところに取る。

【筋肉】虫横筋、掌側骨間筋

【血管】絵筆側指動脈、掌側中手動脈、手掌静脈網

〔神経】尺骨神経の分枝である固有掌側指神経

【主拍症】心惇冗進症のほか、陰部のやまい、遺尿、膀胱麻痔、下焦のや煩誉菜…要義惑羞冨薄-9

 

 

 衝 (別名、経始)(井東穴)

 

取り方 第5指の爪甲根部の榛側に取る。小沢(小腸経)と相対する。

【筋肉】指伸筋腱付着部

【血管】固有掌側指数・静脈の枝

 

(別名、経始)(井東穴)C9C8・′rrog

 

【神経】固有掌側指神経(尺骨神経分枝)

【主給症】心臓疾患に効き、胸が苦しく、精神不安ヽときどき悲しい感情におそわれ、呼吸微弱等の症に取穴される。特に心棒克進に胸部の腰中とあわせての灸はすぐれた効果がある○手掌や口中が熱する場合にも効果がある。

 脳充血や高血圧症にここより喀血して著しい効果を現わすことがある。

救急法として試みるべき穴である。

〔参考〕奥津浩司博士はペニシリン・ショックを受けた患者に少衝穴より清血を行ったところ、5分間で気分がよくなり身動きができるようになった、と著者に語つたことがある。(昭和3192

 

 

心 経 緒 論

 

 流注心経の経穴は腋喬の極東から始まってゝ上腕、前腕の陰側(内側)を下って小指端に終るので、主として尺骨神経の経路に当るが、経絡としてはその前に心臓から起り、肺動脈の付近に上り、下って小腸を給うのである0その支脈は肺動脈のところから出て咽喉を挟み目に行く。また別の支脈は同じように肺動脈のところから出て肺を通り、それから腋窟の極鷹を経て手の諸穴に下るのである0したがって心経の関係する病証もたんに心臓だけでなく、小腸や凪咽や目にまで至るのである。ゆえに心臓病は消化器系と呼吸器系と相関々係があり、病証的にもー方が悪いと他方が旭くなり、他方が悪いと一方が悪くなる傾向が強い。したがって治療上にも循環器、消化器、呼吸器をよく考察してあたらなければならないことは、日常の経験の通りである。

臓腑 心という臓腑は形象としてはこんにちの解剖学と同→であるが、その機能に就いては大分異っていたのである。すなわち古典医学では心の臓は血液を作るところとされたのである○中焦において吸収された飲食物の栄養分は、心臓に至って先天的な血と合い、赤くなって後天的な血、すなわち栄血となって緩脈を循って全身を栄養するものであるとした0

 また、心の臓は君主の官として全身を支配するという考えであった。全身諸器官の枚能は、一瞬の間でも心臓の機能に依存していないものはないという実際的な見地からの推定である0この考えから他の四臓は臓腑解剖図を見ると、いずれもJL、臓から直接に1本づつの脈が走っているように番いている。したがって心の臓は身体の最も重要な器官であるとしたことはこんにちの考えと同じである。

 心と心包という臓腑はどのような関係かといえば、心包という特別の臓はなく、心臓を包む外膜を独立させて心包と名付け、心臓の機能の一部を付帯させたのである。この考えは、客観的な観察に基づかず、自然哲学的な考えから推定したのであることは、後の心包纏総論に於いて述べる通りである。すなわち他の臓を支配する機能は、心臓自身が行わないで心包に委託し、その代行器官としての心包があづかるものであるとした。ゆえに治療上の考えもこれによって、心臓自身のやまいには心経を使い、他臓関係によるやまいの施術にはJL、包経を使うということにした。それはちようど、一国に於ける政治、行政面での君主と宰相の関係のようであるとしたのである。心臓あるいは心経自身を病む者には心経を補渇し、他臓の虚実によって起るやまいで火経を補渚する場合には心包経を補濁するのである。

 精神機能一心、臓はまた精神機能を営むところとされたのである。原始的な医学としては当然である。

 しかし精神機能といってもその働きは牌、肝、腎、肺の機能によっても支配され、肝、肺によって感情方面が影響を受け、腎や牌によって意志方面が影響を受け、脾と心はまた思考方面に関係するという考え方である。心は知覚のほかに、特に精神機能中でも理性のような最も高等な精神作用を営むものとした。したがって治療上でもこれら精神機能に異状のある場合は心経と他の経との関係を考察して補潟を行うという考えがたいせつである。

 支那古代医学上の心臓は、解剖学的にはこんにちのそれと一致するが、その機能は全面的に一致してはいないのであることは、これまで再三説明した通りである。それで、心臓病の症状が現われる部位は心下(寓)部、すなわち鳩尾の下であるとしている。この部の激痛を心痛と名付けたわけはここにある。しかし後世はこの矛盾を悟り、蕨心痛と真心痛とにわけた『難経』や、心痛とは胃脱痛なりと解明した漢方書が出るに至ったのである。

そこで鍼灸書はいずれもこの区別をつけずに、古いまま心痛としてあるため、本当の心臓痛か、胃痛(神経性か炎症性かいずれとも決めないで)かを区別することが困難であることは前述の通りである。ただ心下部の痛みであることだけは間違いないので、他の症と合せ考えて心臓病か胃病かを区別するよりほかないのである。

 心経の諸穴の主泊症は以上の観点から見ると、やはりこんにちの心臓性の痛みと解すべきものが多い。心臓性の痛みといっても心下部から胸部にかけての痛みには狭心症のほかに、心内膜炎、心膜炎、心筋炎、心筋硬塞等いろいろある。胃痛にもいろいろある。また胃部にさしこんでくる月旦石症や十二指腸潰瘍の痛みもあって、心下痛をほんとうに吟味することになると容易ではなくなる。この意味で心経は非常に使いにくい経となってくるのである。

 また、心はこんにちの精神方面の働きもするように考えられていたので、頭の病気の意味にも使われてきたのである。

 経絡治療でいう本給法の場合、心経白身に病変のある場合は心超に直接補潟を行い、もし他経にやまいがあって心経に補鴻をしなければならない場合は、その代行としての心包経を使うということは経絡治療の常法である。

 

  5.手の少陰心経・主拾症一覧表 9

大 名 部位 第(共孟症)症                            第 2 症 (特に効ある症)

1.極  泉       腋 中 心(碧速乾嘔)            腋臭

2.育  霊       上 腕 頭(痛)            肩背痛、尺骨神経痛

・@少 海              頭(痛)            脳風、歯、腋脇痛、 るいれき

‘・ヰ、霊 道     前 腕 心(痛、悲、乾嘔)      暴瘡

5.通  里             心(悸)頭(痛)            眩、喉痺、眼病、熱病、婦 人病、(月経過多、崩血)

6.陰  部             心(痛)            助、吐血

7.神  門       手関節            心(豪富)脳(蓋濃) 心(倖)    胃腸病、喉痺

8.少  府       手 掌             陰部痺痛、神経性胃痛 (胃痙攣)、脱腸、遺尿

9.少  衝       指 端 心(璧莞:霊、)            掌中熱、口中熱

1.心臓病 1.胃腸痛.神経性胃痛(胃痙聾)1.頭痛.脳疾患・