足少陽胆経の常用穴

               瞳子髎(どうしりょう)
穴名解釈
瞳子─瞳孔;:骨隙;穴在小眼角外方骨隙処,横対瞳孔。
取穴部位:外眼角の外0.5寸,眶骨外縁凹陥処;
功効:疎散風熱,清頭明目,消腫止痛;
主治:眼疾患;
穴意
手太陽小腸経手少陽三焦経足少陽胆経の交会穴。

                
                聴会 (ちょうえ)
穴名解釈:─聴覚;:聚会;穴在耳前,為司聴聞,為耳部経脈之気聚会之処。
取穴部位:珠間切痕の前下方,口を開ければ陥凹のできるところ;
功効:疎経活絡,開竅益聡;  主治:面神経麻痺,耳鳴り等; 

                
上関(じょうかん)客主人(きゃくしゅじん)
取穴部位:下関穴直上,頬骨弓上縁微上方の凹陥処; 外眼角と耳珠の中間点。
 

               頷厭 (がんえん)
穴名解釈:─下頷(あご);─順従。穴在顳顬部(こめかみ),随咀嚼順従下頷運動。
取穴部位頭維穴(足陽明経)と曲鬢穴を結ぶ弧形線の上1/2の中間点。
功効:疎風活絡,止痛益聡;
主治:偏頭痛,めまい,耳鳴り,眼疾患(口眼歪斜)・・・など;
穴意
手少陽三焦経足少陽胆経手陽明大腸経足陽明胃経の会穴。 

                
懸顱(けんろ)
取穴部位:頭維穴(足陽明経)と曲鬢穴を結ぶ弧形線の中間点。
 

               懸釐 (けんり)
穴名解釈
─懸垂;─頭髪。穴在顳顬部(こめかみ),位於懸垂の鬢髪の中。
取穴部位頭維穴(足陽明経)と曲鬢穴を結ぶ弧形線の下1/2の中間点。
主治:偏頭痛,三叉神経痛,眼疾患(外眼角の紅腫疼痛)・・・など;
穴意
手少陽三焦経手陽明大腸経足陽明胃経足少陽胆経の会穴。
 

               曲鬢 (きょくびん)
穴名解釈
─湾曲;─鬢髪。穴在耳上鬢髪辺際の湾曲処。
取穴部位:耳尖を通る水平線と耳珠根(耳前鬢角髪際後縁)を通る垂直線の交差点。
主治:偏頭痛,頚項強不能回顧,三叉神経痛,眼疾患・・・など;
穴意
足少陽胆経足太陽膀胱経の会穴;
配伍:配風池,角孫,肝兪,腎兪,太陽,合谷治眼疾患。
 

               率谷 (そっこく)
穴名解釈:─統率;─山谷。穴在耳上,為以【谷】命名の諸穴最高者,如諸谷の統率。
取穴部位:耳介の尖端の上1.5寸処,角孫穴直上,耳尖と頂結節を結ぶ線の中間点。
主治:頭痛,頂結節部疼痛,眼疾患,嘔吐(吐きけ)・・・など;
穴意
足少陽胆経足太陽膀胱経の会穴。配風池,曲鬢,太陽,合谷治偏頭痛。
 
                
天衝(てんしょう)
取穴部位:耳根後縁直上入髪際2寸,率谷穴後0.5寸処;足少陽経+足太陽経。
                
浮白(ふはく)
取穴部位:耳後乳様突起の後上方,天衝突と完骨を結ぶ弧形線の中,上1/3交差点。
                
頭竅陰(きょういん)
取穴部位:耳後乳様突起の後上方,天衝突と完骨を結ぶ弧形線の中,下1/3交差点。
穴意:足少陽+足太陽+手少陽;配翳風,聴宮,聴会治耳鳴り,耳聾。

               完骨 (かんこつ)
穴名解釈
:古称乳突為完骨,穴在其後下方,故名。
取穴部位:乳様突起の後下縁凹陥処;
穴意
足少陽胆経足太陽膀胱経の会穴,配天柱,後渓,絶骨治頸項痛,寝違い。

                
本神(ほんじん)
取穴部位:前髪際上0.5寸,神庭外側3寸,神庭と頭維を結ぶ線の内2/3と外1/3交差点。

               陽白 (ようはく)
穴名解釈:─陰陽の陽,頭在上為陽;:光明;穴在面部眉上方,有明目之功。
取穴部位:瞳孔直上,眉弓中央の上1寸;
主治:眼疾患等;
穴意
手少陽三焦経手陽明大腸経足少陽胆経足陽明胃経陽維脈の交会穴。
 

               頭臨泣(あたまのりんきゅう)
穴名解釈
─頭部;:調治;:流涙;穴在頭部,可調治流涙等眼病。
取穴部位:瞳孔の直上,神庭穴頭維穴を結ぶ線の中点,入前髪際0.5寸;
主治:人事不省,眼疾患等;
穴意
足少陽胆経足太陽膀胱経陽維脈の交会穴。 

                
目窓(もくそう)
取穴部位:入前髪際1.5寸(上星五処各1寸),頭正中線外側2.25寸。
  

               正営 (しょうえい)
穴名解釈
─正当;─栄。本穴有主治惶恐不安等神志病の作用。
取穴部位:入前髪際2.5寸処(承光2.5/囟会2)の外方2.25寸,目窓穴の後1寸;
主治:頭項痛,歯痛,めまい,嘔吐,片麻痺,脳充血・・・など;
穴意
足少陽胆経陽維脈の会穴配風池,百会,印堂,曲池治めまい。
 
                
承霊(しょうれい)
取穴部位:入前髪際4寸処(通天4/前頂3.5)の外側2.25寸,正営穴の後1.5寸。
                
脳空(のうくう)
取穴部位:脳戸穴の外側2.25寸,玉枕穴の外側,入後髪際2.5寸処。

               風池 (ふうち)
穴名解釈
─風邪;:池塘;穴在枕骨下,局部凹陥如池,常為祛風之要穴。
取穴部位:枕骨下,胸鎖乳頭筋と僧帽筋上端之間の凹陥処,風府穴外側,入髪際1寸;
功効:通経活絡,調和気血,疎風清熱,清頭開竅,明目益聡;
主治:治療頭痛,眼疾患,耳疾患,神経系統疾患の常用穴;
穴意
手少陽三焦経足少陽胆経陽維脈の交会穴。
 

               肩井 (けんせい)
穴名解釈
─肩部;:水井;穴在肩上,局部凹陥如井。
取穴部位:大椎穴と肩峰を結ぶ線の中点処(鎖骨中線或男性乳中線との交差点);
功効:通経活絡,豁痰開竅;
主治:頭痛,肩こり等;
穴意
手少陽三焦経足少陽胆経足陽明胃経陽維脈の交会穴。
 

               日月 (じつげつ)
穴名解釈
─太陽,胆;:お月様,肝;此為治肝胆疾患の要穴。
取穴部位:乳頭直下,第7肋間隙,任脈外側4寸;
主治:胆嚢炎,胃・十二指腸潰瘍,肋間神経痛等;
穴意:①
足太陰脾経足少陽胆経陽維脈の交会穴;②胆の募穴
 

               帯脈 (たいみゃく)
穴名解釈
─腰帯;:経脈;穴属胆経,与奇経八脈の一つの帯脈交会処。
取穴部位:第11肋骨端直下,臍と同じ高さ;
功効:通経活絡,清利湿熱,調経止帯;
穴意
足少陽胆経帯脈の交会穴;配腎兪,白環兪,関元,三陰交治月経不順。
 

               環跳 (かんちょう)
穴名解釈
─環曲;:跳躍;穴在髀枢中,髀枢為環曲跳躍之枢紐。
取穴部位:側臥,股骨大転子と仙骨裂孔を結ぶ線の外1/3と中1/3の境界線;
功効:通経活絡,駆風散寒,強健腰腿;
主治股関節痛・・・など;
穴意
足少陽胆経足太陽膀胱経の交会穴;配曲池,血海,足三里,三陰交治蕁麻疹。
 

               風市 (ふうし)
穴名解釈
─風邪;:集市;此穴有疎散風邪之作用,為治風邪之要穴。
取穴部位:大腿外側,膝横紋上7寸,直立した際,中指尖端が当たる処;
功効:通経活絡,疎風邪,清湿熱,強健腰腿,止痒止痛;
主治:半身不随,坐骨神経痛,蕁麻疹等。 
足少陽胆経のツボ 
 

               陽陵泉(ようりょうせん)
穴名:─外側為陽;:丘陵;:水泉;膝外側腓骨小頭隆起如陵,穴在其下陥中如泉。
取穴部位腓骨頭前下方の凹陥処;
功効:舒肝利胆,清泄湿熱,強健腰腿;
主治坐骨神経痛,胆嚢疝痛・・・等;
穴意:①足少陽胆経の
合穴;②八会穴之一:筋会陽陵泉
 

               光明 (こうめい)
穴名解釈
:主治眼病,使之重見光明。
取穴部位:外果から陽陵泉穴に向かい上5寸,外丘穴直下2寸;
功効:通経活絡,調肝明目;
主治:白内障,視力減退等,配肝兪,風池,角孫,攢竹,糸竹空,睛明,太衝。
穴意:足少陽胆経の
絡穴,別走足厥陰肝経。

                懸鐘 (けんしょう)
穴名解釈
─懸掛;:鐘鈴;穴当外果上,正是古代小児懸掛鐘鈴処。
取穴部位外果上3寸,近腓骨前縁処,陽輔穴下1寸;
主治:配風池,足臨泣治頭痛,配天柱,後渓治寝違い,坐骨神経痛等;
穴意:①
足三陽経之大絡;①八会穴之一:髄会懸鐘,別名【絶骨】;
 
               丘墟 (きゅうきょ)
穴名解釈
─小土堆;:大土堆;穴在外果(如墟)与跟骨滑車突(如丘)之間。
取穴部位外果の前下方,長趾伸筋の外側凹陥処,直対第4趾間隙;
功効:活絡化於,舒肝利胆;
主治:腰痛,足関節痛・・・等;
穴意:足少陽胆経の
原穴;配三陽絡治肋間神経痛。
 
               足臨泣(あしのりんきゅう)
穴名解釈
─足部;:調治;:流涙;穴在足部,可調治流涙等眼疾患。
取穴部位:第4・第5中足骨底間の陥凹部,長趾伸筋の外側凹陥処;
主治:月経痛,胃痛,配風池,百会,合谷治頭痛,めまい;
穴意:①足少陽胆経の
輸穴;②八脈交会穴之一:通帯脈

                 足竅陰(あしのきょういん)
穴名解釈
:腎臓,肝臓諸属陰臓,開竅於耳目,穴在足部,治療耳目諸病。
取穴部位:足の第4趾外側爪甲根部,爪甲の角を去ること0.1寸;
主治:眼疾患,高血圧症等;
穴意:足少陽経の
井穴;配心兪,内関,神門,足三里治不眠症。   
 
足少陽胆経