酵素-2
あ
アーゼ (化学) -アーゼ(-ase)は、生化学において、酵素の命名に用いられる接尾辞である。酵素の最も一般的な命名では、基質名にこの接尾辞が付けられる。例えば、過酸化物(ペルオキシド)を分解する酵素はペルオキシダーゼ、テロメアを形成する酵素はテロメラーゼと呼ばれる。基質ではなく機能によって酵素を命名することもあり、例えばDNAを鎖状に重合(ポリメライズ)する酵素はポリメラーゼ、RNAから相補的DNAを逆転写する酵素はリバーストランスクリプターゼと呼ばれる。 この接尾辞は恐らく、ギリシア語のδιαστασις(分離)という言葉に由来するジアスターゼに由来している。 関連項目有機化合物のIUPAC命名法 |
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C5050%阻害濃度(50%そがいのうど、IC50)または半数阻害濃度とは、化合物の生物学的または生化学的阻害作用の有効度を示す値である。どの濃度で、その薬物(毒など)が標的としている物の半数(50%)の働きを阻害できるかを示す。 目次概要IC50は元来英語の"half maximal (50%) inhibitory concentration"の略語であるが、現在ではIC50の表記の方が一般的である。しばしば対象にされる化合物とは医薬品候補化合物である。この定量的値は、特定の薬物もしくはその他の物質(阻害剤)が注目する生物学的プロセス(もしくはプロセスの要素、例えば酵素、細胞、受容体、微生物)の半数を阻害するにはどれだけの濃度が必要かを示し、より低い値を示す化合物は阻害剤としての活性がより高いと言える。IC50は薬学研究において阻害剤の有効性を示す値として広く用いられている。便宜上-log IC50で算出されるpIC50が代わりに用いられることもある。この場合より大きな値は指数関数的により大きな有効性を示している。FDA(アメリカ食品医薬品局)によればIC50はin vitroにおける50%阻害のために必要な薬物の濃度を表している[1]。 このことはEC50の場合と対照的である。EC50は50%の効果を示す濃度のことであるが、この場合はin vivoでの血漿中濃度を意味している[1]。 IC50の決定法機能的アンタゴニスト試験(Functional antagonist assay)ある薬物のIC50を決定するには、用量反応関係を明らかにし、異なった濃度のアンタゴニスト(薬物)がどのようにアゴニスト活性を抑制するかを調べる必要がある。注目するアンタゴニストのIC50値は、アゴニストの生物学的作用の最大値の半数が阻害されるために必要なアンタゴニストの濃度を決定することで算出される[2]。 IC50値は測定条件に依存する。一般的に、より高い濃度の阻害剤はアゴニスト活性をより低く抑える。IC50値は酵素の濃度が増加すると共に増加する。さらに、阻害の種類によりその他の因子がIC50値に影響することがある。ATP依存の酵素の場合、IC50値は(拮抗阻害の場合は特に)ATPの濃度と相互依存性を持つ。IC50値は2種類の阻害剤の有効性を比較するために用いられる。 競合結合試験この試験においては、単一濃度の放射性リガンド(通常アゴニスト)がそれぞれの試験管に使用される。通常、その解離定数値(Kd)と同じかより低濃度のリガンドが試験に用いられる。一定範囲の様々な濃度のその他の競合する非放射性化合物(通常拮抗剤)をそれぞれの試験管に加えた後、放射性リガンドの有効性を測定することで、特定の放射性リガンドの結合のレベルが決定される。競合曲線は計算によりロジスティック関数に回帰される。 この場合IC50は、放射性リガンドの全結合のうち50%が置換された時の競合するリガンドの濃度である。IC50値はチェン=プルソフ(Cheng-Prusoff)式に従い絶対阻害定数(Ki)に変換される[2][3]。 IC50と親和性チェン=プルソフ式によればIC50と親和性は少なくとも競争するアゴニストと拮抗剤の間では関連があると言えるが、IC50は親和性を示す直接的な指標ではない[4]。 ここで、Ki は阻害物質の結合親和性、 IC50は阻害物質の機能的強度、[S]は基質の濃度、Kmは酵素活性が最大値の半分となる時の基質の濃度である(Kmはしばしば基質の酵素に対する親和性と混同されるが誤りである)。 その他に、細胞受容体に対する阻害定数については以下の式で表わされる[5]。 ここで [A] はアゴニストの固定濃度、EC50は受容体の最大活性の半分を生じさせるアゴニストの濃度である。ある化合物のIC50値は放射性リガンドの濃度に依存して実験毎に変化しうるが、Kiは絶対的な値である。Kiは薬物の阻害定数であり、放射性リガンドが存在しないならば、競合試験において受容体の50%を占める競合リガンドの濃度となる[3]。 チェン=プルソフ式は高いアゴニスト濃度においてよい推定値を与えるが、低いアゴニスト濃度では、Kiを実際より高くあるいは低く見積もる。これらの条件では、その他の解析法が推奨されている[5]。 脚注1. ^ a b アメリカ食品医薬品局. “IC50 versus EC50”. 2011年8月23日閲覧。 2. ^ a b NIH Chemical Genomics Center (2008年). “Assay Guidance // Assay Guidance Manual // Assay Operations for SAR Support”. 2011年8月23日閲覧。 3. ^ a b Glaxo Wellcome and Science - Global. “Pharmacology Guide - Receptor binding techniques: competition (inhibition or displacement) assays”. 2011年8月23日閲覧。 4. ^ Cheng Y, Prusoff WH (December 1973). “Relationship between the inhibition constant (K1) and the concentration of inhibitor which causes 50 per cent inhibition (I50) of an enzymatic reaction”. Biochem. Pharmacol. 22 (23): 3099–108. PMID 4202581. 5. ^ a b Lazareno S, Birdsall NJ. (1993). “Estimation of competitive antagonist affinity from functional inhibition curves using the Gaddum, Schild and Cheng-Prusoff equations”. Br. J. Pharmacol. 109 (4): 1110-1109. PMC 2175764. PMID 840192. 関連項目外部リンク |
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アイソザイム アイソザイム(Isozyme;アイソエンザイム Isoenzymeともいう)とは、酵素としての活性がほぼ同じでありながら、タンパク質分子としては別種である(アミノ酸配列が異なる)ような酵素をいう。 解説 アイソザイムについて厳密には、全く別の遺伝子に由来する狭義のアイソザイムと、同じ種類の遺伝子(ただし別の個体の遺伝子、または同一個体中の対立遺伝子であって、配列がわずかに異なる)に由来するアロザイム(Allozyme)に分けられるが、いずれもまとめてアイソザイムと呼ぶことが多い。 狭義のアイソザイムには、個体の発達に伴って比率が変化する(例えば乳児と成人とで種類が異なる)ものもある。 また血液中の酵素には疾患によってアイソザイムの比率が変化するもの(代表的なものとして逸脱酵素の乳酸脱水素酵素(LDH)など)もあり、アイソザイムの分析は疾患の種類や部位を特定する上で重要である。 アイソザイム分析法としては、酵素阻害剤による活性の変化、分子量や等電点(電気泳動を用いる)、抗原抗体反応によるものなどが用いられる。 アイソザイムは遺伝子型を反映しているので、間接的な“遺伝子マーカー”として利用できる。そのためアイソザイム分析は、1960年代以降、生物の分類や、個体・個人の遺伝的性質に関する研究などに盛んに用いられた。また多数の個体をまとめて電気泳動にかけて分析することで遺伝子頻度の計算が比較的容易に可能であるため、集団遺伝学のツールとしても盛んに用いられている。現在では、より直接的に目的の遺伝子DNAまたは遺伝子マーカーを調べる方法(分子分類学、DNA鑑定など)にとって代わられつつある。 |
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β-ラクタマーゼ
β-ラクタマーゼ(ベータラクタマーゼ、β-lactamase)とはβ‐ラクタム系抗生物質を加水分解する酵素である。ペニシリン/セファロスポリンアミド-β-ラクタムヒドロラーゼ (penicillin/cepharosporin amido-β-lactam hydrolase)とも呼ばれる。EC3.5.2.6に分類される酵素である。 幾つかの種類のグラム陰性菌がβ-ラクタマーゼを産生することでβ-ラクタムに対して耐性を示すことが知られている。なお、β-ラクタム耐性はβ-ラクタマーゼのみが原因ではなくMRSAのようにペニシリン結合タンパク質の基質特異性が変化しても現れる。 現在β-ラクタマーゼは基質特異性の違いにより · ペニシリナーゼ (クラスA β-ラクタマーゼ) · メタロ-β-ラクタマーゼ (クラスB β-ラクタマーゼ、亜鉛-β-ラクタマーゼ、カルバペネマーゼ) · セファロスポリナーゼ (クラスC β-ラクタマーゼ) · オキサシリナーゼ (クラスD β-ラクタマーゼ) これら4種のβ-ラクタマーゼのうち、クラスB β-ラクタマーゼは活性中心に亜鉛を持つが、他はセリン残基を持つ。ペニシリナーゼはペニシリン系抗生物質と第二世代セファロスポリンを分解するのに対して、セファロスポリナーゼは主にセファロスポリンを分解する。オキサシリナーゼはオキサシリンをも分解するペニシリナーゼであり、メタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネム系抗生物質を分解する点に特徴がある。 β-ラクタマーゼの遺伝子は、細菌の染色体上あるいはプラスミド上に存在する。特に伝達性薬剤耐性プラスミド (drug resistance plasmid)に存在するβ-ラクタマーゼ遺伝子は菌種特異性も少なく多剤耐性菌の発生にも関与していると考えられる。 脚注1. ^ β-ラクタム耐性菌とその検出方法、関東化学 2. ^ Bush, K. et. al. A functional classification scheme for β-lactamases and its correlation with molecular structure, Antimicrob Agents Chemother., 39, 1211-1233, 1995. 3. ^ Ambler, R. P., The structure of β-lactameses, Philos Trans R Society Lond (Biol), 289, 321-331, 1980. 4. ^ 石井良和、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌、クレブシエラ、臨床と微生物、26、121-125, 1999. 関連項目クラブラン酸· 薬剤耐性 · ペニシリン · セファロスポリン 出典· β-ラクタマーゼ『生物学辞典』第4版、岩波書店。 · β-ラクタマーゼについて 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 |
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アスパラギナーゼ
アスパラギナーゼ(英: asparaginase)(正確にはL-アスパラギナーゼ)とはアスパラギンのアスパラギン酸への加水分解を触媒する酵素の一つ。アスパラギナーゼは急性リンパ性白血病の治療用に協和発酵キリンからロイナーゼ(Leunase)の商品名で市販されており、肥満細胞腫のプロトコールにも使用される[1]。他の化学療法剤と異なり、組織障害の危険性がなく、筋肉内、皮下、静脈内投与が可能である。 概要 アスパラギナーゼは血中のL-アスパラギンを分解し、アスパラギン要求性の腫瘍細胞を栄養欠乏にすることにより抗腫瘍効果を発揮するとされる。現在日本で承認されている唯一のアスパラギナーゼである「ロイナーゼ」は大腸菌(Escherichia coli)由来のものである[2]。米国などの海外ではErwinia chrysanthemi由来のアスパラギナーゼが使用できる。大腸菌由来とErwinia chrysanthemi由来の治療成績を比較すると、大腸菌由来の方が治療成績が良いがアレルギーを示す患者もあり、これに対してはErwinia chrysanthemi由来のアスパラギナーゼが代替薬となりえる[3]。Erwinia chrysanthemi由来のアスパラギナーゼである「エルウィニア」は学会からの要望もあり、2010年に大原薬品工業が開発要請を受けて[4]、現在治験が進行中である[5]。 出典 ^ Appel IM, van Kessel-Bakvis C, Stigter R, Pieters R (2007). “Influence of two different regimens of concomitant treatment with asparaginase and dexamethasone on hemostasis in childhood acute lymphoblastic leukemia”. Leukemia 21: 2377. doi:10.1038/sj.leu.2404793. PMID 17554375. ^ Kyowa Hakko Kirin "LEUNASE" ^ Michel Duval, Stefan Suciu, Alina Ferster, Xavier Rialland, Brigitte Nelken, Patrick Lutz, Yves Benoit, Alain Robert, Anne-Marie Manel, Etienne Vilmer, Jacques Otten, and Noël Philippe (2002). “Comparison of Escherichia coli–asparaginase with Erwinia-asparaginase in the treatment of childhood lymphoid malignancies: results of a randomized European Organisation for Research and Treatment of Cancer—Children’s Leukemia Group phase 3 trial”. Blood 99 (8): 2734-2739. doi:10.1182/blood.V99.8.2734. PMID 11929760. ^ 大原薬品工業 厚生労働省より「エルウィニア L-アスパラギナーゼ」の開発要請を受ける-2011年1月31日 ^ 白血病治療剤「エルウィニア L-アスパラギナーゼ」の治験開始について-2011年12月7日 |
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アスパラギンシンテターゼアスパラギンシンテターゼ (asparagine synthetase、アスパラギン合成酵素; EC 6.3.1.1) はL-アスパラギン酸とアンモニアからL-アスパラギンを生合成する酵素。アスパラギン酸‐アンモニアリガーゼ (aspartate-ammonia ligase) とも呼ばれる。 アデノシン三リン酸を1分子消費し、アデノシン一リン酸とピロリン酸を生成する反応を可逆的に触媒する。 ATP + L-aspartate + NH3 = AMP + diphosphate + L-asparagine この酵素は古細菌、真正細菌、真核生物に広く存在している。ヒトの培養細胞を用いた研究ではアミノ酸が欠乏すると転写量が上がることが知られている。 出典[
外部リンクIUBMB entry for 6.3.1.1(英語)関連項目· リガーゼ |
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アスパラギンシンテターゼ アスパラギンシンテターゼ (asparagine synthetase、アスパラギン合成酵素; EC 6.3.1.1) はL-アスパラギン酸とアンモニアからL-アスパラギンを生合成する酵素。アスパラギン酸‐アンモニアリガーゼ (aspartate-ammonia ligase) とも呼ばれる。 アデノシン三リン酸を1分子消費し、アデノシン一リン酸とピロリン酸を生成する反応を可逆的に触媒する。 ATP + L-aspartate + NH3 = AMP + diphosphate + L-asparagine この酵素は古細菌、真正細菌、真核生物に広く存在している。ヒトの培養細胞を用いた研究ではアミノ酸が欠乏すると転写量が上がることが知られている。 出典
外部リンク
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アルデヒドデヒドロゲナーゼアルデヒドデヒドロゲナーゼ (aldehyde dehydrogenase、ALDH) はアルデヒドを酸化してカルボン酸にする反応を触媒する酵素である。 生物に普遍的に存在し、ヒトには17種類のALDHファミリータンパク質が存在する[1]。 ヒトのALDHの例ALDH1A (RALDH) レチナールの酸化によりレチノイン酸を作り出す酵素。レチノイン酸はビタミンAが生体内で働く際の本体で、目や骨の形成など様々な分化過程に関わる。このため、ALDH1A の機能に異常があると正常に発生が進行しない。分子量は約 55 kDa。四量体として機能する。ALDH1A1 (RALDH1)、ALDH1A2 (RALDH2)、ALDH1A3 (RALDH3) の3種があり、それぞれ異なった組織発現様式を示す。 ALDH2 (ALDH I) 肝臓、心臓、腎臓、筋肉に多く存在する。細胞内ではミトコンドリアに局在するがミトコンドリアDNAにコードされるミトコンドリア遺伝子ではなく核ゲノム遺伝子に由来する。一般にアルコールに弱い人はアルコールに強い人に比べて持っている ALDH2 の活性が弱い。 ALDH2 遺伝子には少なくとも4種の対立遺伝子が報告されているが、日本人が一般に持つのは ALDH2*1 と ALDH2*2 で、ALDH2*2 が機能喪失型。四量体として機能し、ALDH2*2 を持つ複合体は機能を持たないため、ヘテロ接合型でも ALDH2 の活性が極端に下がる。 ALDH9A1 γ-アミノブチルアルデヒドから神経伝達物質であるγアミノ酪酸 (GABA) を作る。494 アミノ酸、分子量 54 kDa。四量体として機能する。 肝臓、副腎、腎臓で高い酵素活性が認められた一方で、ノーザンブロットでは筋肉で最も高いmRNAの存在が確認された[2] 。同様にノーザンブロットにより、脳の中では脊髄で最も高い発現がみられた[3]。 脚注1. ^ Sladek, N. E. (2003). "Human aldehyde dehydrogenases: potential pathological, pharmacological, and toxicological impact". J. Biochem. Mol. Toxicol. 17: 7–23. 2. ^ Izaguirre, G.; Kikonyogo, A.; Pietruszko, R. (1997). "Tissue distribution of human aldehyde dehydrogenase E3 (ALDH9): comparison of enzyme activity with E3 protein and mRNA distribution". Comp. Biochem. Physiol. B. Biochem. Mol. Biol. 118: 59–64. 3. ^ Kikonyogo, A.; Pietruszko, R. (1996). "Aldehyde dehydrogenase from adult human brain that dehydrogenates gamma-aminobutyraldehyde: purification, characterization, cloning and distribution". Biochem. J. 316: 317–324. |
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光活性化アデニル酸シクラーゼ 光活性化アデニル酸シクラーゼ(ひかりかっせいかアデニルさんシクラーゼ、photoactivated adenylyl cyclase; PAC)とはミドリムシ(Euglena gracilis)から発見された光センサータンパク質。Iseki らにより2002年にイギリスの科学雑誌 Nature 誌上で発表された[1]。通称名はその頭文字をとって PAC(パック)と呼称される。このタンパク質は酵素としてはアデニル酸シクラーゼであるが、光を感知することで cAMP を作ることからこの名が付けられた。アデニル酸シクラーゼは生物界に広く分布する酵素であるが、光によって活性が調節されるアデニル酸シクラーゼは極めて珍しいため注目された。 目次 [非 細胞内での局在 ミドリムシの鞭毛(長鞭毛)の付け根近くには小さな膨らみが存在し、これを鞭毛膨潤部(paraflagellar body; PFB)と呼ぶ。この膨らみを構成する主要成分が PAC である。鞭毛膨潤部は蛍光顕微鏡下(UV励起または青色励起)で緑色の蛍光を発するが、これは PAC に結合していたフラビン色素(FAD)によるものと考えられている。鞭毛膨潤部こそミドリムシの真の目であるが、これは眼点と呼ばれるカロテノイドでできた偽の目に取り囲まれている。この見かけ上の眼点は鞭毛膨潤部に差し込む光の一部を遮蔽することで、鞭毛膨潤部の光感知能に指向性を持たせる役割を果たすと考えられている。 分子の構造と機能 PAC は FAD を結合する光感知領域と、cAMP を合成する酵素領域からなるタンパク質から成る。PAC には2種類の分子があり、それぞれ PACα、PACβ と呼ばれている。分子量は前者が 105kDa、後者が 90kD であるが、いずれの分子にも光感知領域と酵素領域が2ヶ所ずつ存在する。生体内ではこれらがヘテロ4量体を形成していると推定されている。フラビン色素を結合する光感知領域の一次構造は BLUF(sensor protein of Blue Light Using FAD)と呼ばれる一連のフラビンタンパク質と相同性が認められている。 生物界での分布 PAC は葉緑体を有するミドリムシ類からのみ報告されている。 注釈・参考文献 ^ Iseki M, Matsunaga S, Murakami A, Ohno K, Shiga K, Yoshida K, Sugai M, Takahashi T, Hori T, Watanabe M (2002). “A blue-light activated adenylyl cyclase mediates photoavoidance in Euglena gracilis”. Nature 415 (6875): 1047-51. PMID 11875575 関連項目 ユーグレナ藻 |
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ATPアーゼATPアーゼ(ATPエース、ATPase、ATPases (ion transport))とは、アデノシン三リン酸 (ATP) の末端高エネルギーリン酸結合を加水分解する酵素群の総称である(EC番号 3.6.1.3、3.6.3、3.6.4)。ATP は生体内のエネルギー通貨であるから、エネルギーを要する生物活動に関連したタンパク質であれば、この酵素の活性を持っていることが多い。 日本語ではATPアーゼを「アデノシン三リン酸分解酵素」などと表現できる。なお、「ホスファターゼ」は「リン酸分解酵素」のことであるから、「アデノシン三リン酸ホスファターゼ」という呼び方は「リン酸」の重言となり、正しくない。 特徴ATPアーゼは以下の反応を触媒する酵素の総称である。 この時に発生するエネルギーを利用して、エネルギーを要する生物体内作用に寄与している。通常は ATP 以外のヌクレオチド三リン酸(GTP、UTP、CTPなど)に作用することが知られている。しかしながら存在している部位によって少しずつ性状が異なっている。 ATPに共通する特性として、スルフヒドリル基(SH基)を必要とすることと、Mg2+, Ca2+ によって活性化あるいは阻害を受けるという点が挙げられる。 役割ATPアーゼの役割はエネルギーの関与する全ての反応に寄与していると言ってよい。
種類運動性タンパク質ATPアーゼミオシンアクチン系に代表されるATPアーゼである。ATP加水分解によるコンフォメーションの変化を受けることを特徴とする。タンパク質にATPが結合することによってタンパク質の立体構造に変化が起こり、その構造変化を利用して実際にタンパク質(ひいては細胞を)を「稼動」させることに関係している。 ミオシン、ダイニン、キネシンはそれぞれが蛍光標識を用いた一分子観測でその稼動が観察されている。
イオン輸送性ATPアーゼATPの加水分解エネルギーを使って生体膜を透過しないイオンの輸送を行うATPアーゼの一群である。ATP合成酵素もこれに分類される。F型、A型、V型、P型が存在している。P型をのぞくものは構造がよく似ており、イオン(主にプロトン)駆動型モーター (Fo, Ao, Vo) ならびにATP駆動型モーター (F1, A1, V1) から形成される。 全てがイオン濃度勾配を用いてATP合成および逆反応のATP加水分解に伴うイオン濃度勾配の形成が可能である。しかしながら、ATP合成酵素として用いられているのはF型およびA型のみである。
ABC ATPアーゼABC とは ATP Binding Cassette (ATP結合カセット)の略称である。細胞への物質取り込みおよび排出に関係する。膜貫通型の ABC ATPアーゼは、常に4つの機能ドメイン(2つの膜貫通ドメインと2つのABCドメイン)から構成される。これらのドメインは全てが一つの遺伝子にコードされている場合もあれば、それぞれ別々の遺伝子にコードされている場合もある。膜貫通ドメインの配列は多様であるが、ABCドメインと呼ばれるATP結合部位の配列は高度に保存されている。真核生物(主にヒト)では有害物質の排出に使用されているが、一方原核生物では糖、アミノ酸と言った物質の取り込みに用いられている。また、ヒトの中でもトランスポーター、チャネル、レセプター等、その機能は多彩である。 これら生体膜貫通型の古典的なABC ATPアーゼに加え、最近ではDNA結合型の ABC ATPアーゼが知られるようになってきている。代表的なものとして、染色体の高次構造と機能を制御するSMCタンパク質があり、これらはコンデンシンあるいはコヒーシンのコアサブユニットとして機能する。また、DNA2重鎖切断の修復に関与する Rad50 もこのカテゴリーに属する。 ABCドメインの特徴は、多くのATPアーゼが共有する Walker A と Walker B モチーフに加え、Signature モチーフ(あるいはCモチーフ)と呼ばれる配列を持つことにある。すべての ABC ATPアーゼは一対のABCドメインをもち、2つのATP分子は2つのドメインに挟まれるようにして結合する。この際、ATPは一方のドメインの Walker A と Walker B モチーフに結合し、もう一方のドメインのCモチーフと接触する。このCモチーフとの接触が、ATPの加水分解に必須である。すなわち、ATPの結合と加水分解のサイクルが2つのABCドメインの会合と解離のサイクルを制御し、さらにその構造変換が基質結合ドメイン(例えば、ABCトランスポーターの膜貫通ドメイン)に伝達されると考えられている。その作用メカニズムは、2ストロークエンジンに例えられることもある。
AAA ATPアーゼAAA とは ATPases Associated with diverse cellular Activities の略称である。タンパク質の細胞内小器官への輸送(プロテインキネシス)、膜融合、細胞内小器官の形成、DNA複製、転写調節など機能は多様だが、全てがリング状オリゴマー構造を取っている。ATPの加水分解エネルギーはタンパク質のアンフォールディング(3次構造をほどく)やタンパク質分解、オリゴマーの拡大などに使用されていると考えられている。 真核細胞のみならず、細菌(大腸菌)、古細菌からも見つかっている。 課題運動性タンパク質ATPアーゼを除く全てのタンパク質が生体膜に存在している。そのため構造が理解されていないことが多く、未開拓な酵素の一つである。また、ATPアーゼ活性そのものについてもよくわかっておらず、ATPのエネルギーを得た中間体などの解析から「エネルギーを持ったタンパク質」の状態を理解することへの研究もなされている。 最も研究が進んでいるであろうATPアーゼはミオシンおよびATP合成酵素であるが、その全てが理解されたとはいずれも考えられない状況であることは否めない。 関連項目 |
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アデノシンデアミナーゼ この記事には複数の問題があります。改善やノートページでの議論にご協力ください。 出典がまったく示されていないか不十分です。内容に関する文献や情報源が必要です。(2015年4月) 正確性に疑問が呈されています。(2015年4月) リボンモデル アデノシンデアミナーゼ(ADA:adenosine deaminase; EC 3.5.4.4)は、細胞内で核酸の代謝に関わる酵素である。これが先天的に欠損していると重篤な免疫不全の原因になる。また、結核の診断において胸水・髄液中ADA活性の上昇が特徴的として知られており、臨床的に利用されている。 働きは、核酸塩基の一種アデノシンを分解しイノシンとアンモニアを生成することである。同様にアデノシンを代謝するものとしてアデノシンキナーゼが存在するが、ADAはアデノシン濃度が高いときに特に働いている。 血液腫瘍(白血病など)、肝炎などで高値を示すほか、胸水が結核性の場合は細菌性・心原性のときに比べて胸水中ADA濃度が上昇する。髄膜炎でも同じく、結核性髄膜炎では髄液中ADA濃度が高値を示す。 ADA欠損症(重症複合免疫不全症) ADAはリンパ球増殖の際に特に需要が高く活性が上がるが、生まれつきADAを合成できない場合はリンパ球が減少するなどして免疫不全を来す。無治療の場合は多くが乳児期に死亡するという重篤な疾患である。 治療としては、ADA酵素を外部から補充する治療が一般的である。 しかしこれは、ADAを合成する遺伝子の欠損であるため究極的な治療法は遺伝子治療であり、最も早くから遺伝子治療の研究対象となってきた。 手法としてはウイルスをベクター(運び屋)として患者のリンパ球にADA合成遺伝子を組み込み、体内に戻すというものである。 出典 IUBMB entry for 3.5.4.4(英語) BRENDA references for 3.5.4.4 (英語) PubMed references for 3.5.4.4(英語) PubMed Central references for 3.5.4.4(英語) Google Scholar references for 3.5.4.4(英語) 外部リンク[編集] IUBMB entry for 3.5.4.4(英語) KEGG entry for 3.5.4.4(英語) BRENDA entry for 3.5.4.4(英語) NiceZyme view of 3.5.4.4(英語) EC2PDB: PDB structures for 3.5.4.4(英語) PRIAM entry for 3.5.4.4(英語) PUMA2 entry for 3.5.4.4(英語) IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.5.4.4(英語) MetaCyc entry for 3.5.4.4(英語) Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語) |
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アナログ耐性 アナログ耐性(アナログたいせい)とは、主に生物の変異株が持つ、フィードバック阻害を司る代謝系の最終生産物に類似の物質(アナログ)の存在下でも生存できる性質。アナログの存在下で生物を培養した場合、通常は代謝系の酵素反応の一部がアナログによってフィードバック阻害を受けるため、生存に必要な物質を生産できずに死滅してしまうが、アナログ耐性を獲得した変異株はアナログによるフィードバック阻害を受けないため生存が可能であり、さらに通常よりも多くの物質を生産できる。このようにして得られた変異株はアナログ耐性株と呼ばれ、インスリン等の薬剤の大量合成や、うまみ成分の多い稲・トウモロコシ等の作物の品種改良、アミノ酸のL-リシンを蓄積した遺伝子組換えトウモロコシ(「遺伝子組み換え作物」参照)、香気成分の多い清酒酵母の開発などに利用されている。特に成功した例としては、微生物を用いたアミノ酸発酵や核酸発酵である。 アミノ酸発酵への応用 アミノ酸のL-リシンとL-トリプトファンとL-スレオニンのアナログ耐性株によるアミノ酸発酵について解説する。 生合成されたリシンによるフィードバック阻害は、リシン生合成系の酵素群の中の鍵酵素でもあるジヒドロジピコリン酸合成酵素(dihydrodipicolinate synthase: DHDPS, EC 4.2.1.52, 反応)やアスパラギン酸リン酸化酵素(aspartate kinase, EC 2.7.2.4, 反応)の活性をリシンが阻害することに依存している。一方、リシンのアナログであるS-(2-アミノエチル)-L-システイン(CAS No: 4099-35-8)耐性株であるリシン生産菌は、リシンとスレオニンによるアスパラギン酸リン酸化酵素に対する協奏的なフィードバック阻害(リシンとスレオニンが同時に存在すると阻害されるが、各々単独に存在する場合は阻害されない)が解除されている。そのため、生合成されたリシンによってリシン生合成系が阻害されず、リシンやスレオニンが同時に高濃度で存在していてもリシン生合成が続き、大量のリシンが生合成される。DHDPSの変異によるリシンのフィードバック阻害が解除された株でも生合成されたリシンによってリシン生合成系が阻害されず、大量のリシンを培地中に放出する。 トリプトファンのアナログである5-メチルトリプトファン(CAS No: 951-55-3)や5-フルオロトリプトファン(CAS No: 16626-02-1)耐性株では、アンスラニル酸合成酵素(anthranilate synthase, EC 4.1.3.27, 反応)に対するトリプトファンによるフィードバック阻害が解除されており、トリプトファンを蓄積できる。 スレオニンのアナログである2-アミノ-3-ヒドロキシ吉草酸耐性変異株では、ホモセリン脱水素酵素(homoserine dehydrogenase, EC 1.1.1.3, 反応)に対するスレオニンによるフィードバック阻害が解除されており、スレオニンを蓄積できる。 |
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ホロ酵素(アポ酵素から転送) ホロ酵素(ホロこうそ、英: holoenzyme)とは、酵素本体となるタンパク質分子に、非タンパク質性の分子が結合して初めて酵素として機能するものを呼ぶ。この場合の非タンパク質性の分子の部分を補因子と呼ぶ。補酵素を要求する酵素はホロ酵素であり、補酵素部分が補因子となっている。 多くの場合、非タンパク質性の部分を失うと活性を失う。このタンパク質部分のみの状態のものをアポ酵素と呼ぶ。 また、複数のタンパク質分子が複合体を形成して初めて活性を示すような酵素についても、ホロ酵素と呼ぶ場合がある。この場合、一部のサブユニットを失って活性を失った状態のものがアポ酵素と呼ばれる。 |
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アポリポタンパク質 この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2014年2月) アポリポタンパク質(アポリポタンパクしつ、英語: Apolipoprotein)は、リポタンパク質と結合し、リポタンパク質の認識や脂質代謝に関与する酵素群の活性化あるいは補酵素として働く一群のタンパク質である。アポ(apo-)はギリシア語系の接頭語で「~を切り離した、~をまぬがれる」という意。またリポ(lipo-)は脂質の意。 種類 アポリポタンパク質は、構造やはたらきによりアポリポタンパク質AからEまでの5種に大別される。さらに、それらのいくつかは、アポリポプロテインA-IやC-IIのようにサブクラスに分けられる。 アポリポプロテインA-I(apo A-I) apo A-IはHDLの主要な構成成分であり、HDLの代謝に関与している。apo A-I遺伝子を欠損したマウスでは血中の高密度リポタンパク質(英語版)(HDL)濃度が著しく減少することが知られている。 アポリポプロテインA-II(apo A-II) apo A-IIはHDLの二番目に主要な構成成分であり、HDLの代謝に関与している。マウスにおける老化アミロイドーシスの原因タンパク質としてアミロイド繊維を作る。 アポリポプロテインB-48(apo B-48) 粗面小胞体で合成された後、ゴルジ体へと輸送される過程で、糖鎖が付加されて成熟する。apo B-48の名前は、apo B遺伝子でコードされるタンパク質の内、N末端側の48%で構成されていることに由来する。これは、小腸においてapo Bが合成される際、mRNAが転写後に、その核酸塩基がシトシンからウラシルへと変換され、途中に終止コドンが生成するためである。apo B-48は合成後、カイロミクロンに組み込まれて、小腸からの脂質吸収に必須な役割を果たす。 アポリポプロテインB-100(apo B-100) apo B-100はapo B遺伝子にコードされるタンパク質で、4,536アミノ酸残基よりなる非常に大きな分子である。apo B100は肝臓で合成され、超低密度リポタンパク質(英語版) (VLDL)の構成成分となる。他のアポリポタンパク質と異なり、VLDLとHDLとの間で相互に受け渡しが行われない。apo B-100はVLDLおよび低密度リポタンパク質(英語版) (LDL)に存在し、LDL受容体の主要なリガンドとして働く。 アポリポプロテインC-II(apo C-II) apo C-IIはリポタンパク質が細胞に脂質を受け渡す際に必要な酵素であるリポプロテインリパーゼを活性化するのに必要となる分子である。apo C-IIはカイロミクロン、VLDLが成熟する際に、HDLから受け渡され、それらが末梢への脂質輸送を終えたときHDLに戻される。 アポリポプロテインE(apo E) apo C-IIと同様に、カイロミクロン、VLDLおよびLDLとHDL間で受け渡しと再利用が行われるタンパク質である。apo Eの役割は、細胞にこれらのリポタンパク質が認識されるときのマーカーとなる事である。すなわち、肝臓などにおけるLDL受容体に代表されるリポ脂質に対する受容体のリガンドとなる。 apo EにはE2、E3およびE4の3種の分子種が知られている。それぞれの相違はアミノ酸配列の112番目と158番目にあり、「正常型(野生型)」といわれるapo E3では112番目がシステイン、158番目がアルギニンとなっているが、apo E4では112番目がアルギニン、apo E2では158番目がシステインとなっている。 Apo E2は受容体との親和性が弱く、家族性III型脂質異常症の原因因子である。また、apo E4はアルツハイマー病の危険因子として知られており、現在因果関係が活発に研究されている。アメリカでの調査では、apo Eの遺伝子型ε2、ε3およびε4の出現頻度はそれぞれ8%、78%および14%である。なお、他にapo E1、E5およびE7の存在が報告されているが、出現頻度は極めてまれである。 |
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β-グルコシダーゼβ-グルコシダーゼ(β-glucosidase; EC 3.2.1.21)は糖のβ-グリコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素。β‐D‐グルコシドグルコヒドロラーゼ,アミグダーゼとも呼ばれる[1]。また、β-グリコシド結合を持つ代表的な糖であるセロビオースやゲンチオビオースから、しばしばセロビアーゼ、ゲンチオビアーゼとも呼ばれる。 微生物,高等植物,動物の肝臓・腎臓・小腸粘膜,カタツムリ消化液などに広く分布するが、基質特異性は起源によって異なる[1]。 α-グルコシダーゼ同様、動植物通じて広く存在し、異化代謝に関わっている。アグリコンと糖の結合も分解するが、アグリコンの構造によっては、基質が阻害剤となる場合もある。セルロースの分解に関連する酵素で、β-グルコシダーゼの活性が低いとセロビオースが蓄積し、セルロースの働きを阻害する場合がある。ただし、一般的にはセルラーゼの活性の方が低い。 β-グルコシダーゼの先天性欠損症はゴーシェ病を引き起こす[1]。 出典1. ^ a b c β-グルコシダーゼ、『生物学辞典』、第4版、岩波書店 · IUBMB entry for 3.2.1.21(英語) · BRENDA references for 3.2.1.21 (英語) · PubMed references for 3.2.1.21(英語) · PubMed Central references for 3.2.1.21(英語) · Google Scholar references for 3.2.1.21(英語) 外部リンク· IUBMB entry for 3.2.1.21(英語) · KEGG entry for 3.2.1.21(英語) · BRENDA entry for 3.2.1.21(英語) · NiceZyme view of 3.2.1.21(英語) · EC2PDB: PDB structures for 3.2.1.21(英語) · PRIAM entry for 3.2.1.21(英語) · PUMA2 entry for 3.2.1.21(英語) · IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.2.1.21(英語) · MetaCyc entry for 3.2.1.21(英語) · Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語) |
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アミダーゼ アミダーゼ(Amidase、EC 3.5.1.4)は、次の反応を触媒する酵素である。 モノカルボン酸アミド+H2O ⇌ {\displaystyle \rightleftharpoons } モノカルボン酸+NH3 つまり、この酵素の基質はモノカルボン酸アミドと水の2種で、生成物はモノカルボン酸とアンモニアである。 この酵素は加水分解酵素の1つで、ペプチド結合とは別の炭素-窒素結合、特に直線的なアミドに作用する。 この酵素の組織名は、アシルアミドアミドヒドロラーゼ(acylamide amidohydrolase)である。別名に、アシルアミダーゼ(Acylamidase)やアシラーゼ(Acylase)、アミドヒドロラーゼ(amidohydrolase)、デアミナーゼ(deaminase)、fatty acylamidase、そして、N-アセチルアミノヒドロラーゼ(N-acetylaminohydrolase)も使われる。この酵素は、尿素回路、フェニルアラニン代謝、トリプトファン代謝、シアノアミノ酸代謝などの代謝経路で活躍している。 3.1 遺伝子オントロジー(GO)コード 構造研究 As of late 2007, two structures have been solved for this class of enzymes, with PDB accession codes 2PLQ and 2UXY. 参考文献 IUBMB entry for 3.5.1.4(英語) BRENDA references for 3.5.1.4 (英語) PubMed references for 3.5.1.4(英語) PubMed Central references for 3.5.1.4(英語) Google Scholar references for 3.5.1.4(英語) Bray HG, James SP, Raffan IM, Ryman BE and Thorpe WV (1949). “The fate of certain organic acids and amides in the rabbit. 7. An amidase of rabbit liver”. Biochem. J. 44: 618–625. Bray HG, James SP, Thorpe WV and Wasdell MR (1950). “The fate of certain organic acids and amides in the rabbit. 11 Further observations on the hydrolysis of amides by tissue extracts”. Biochem. J. 47: 294–299. 外部リンク IUBMB entry for 3.5.1.4(英語) KEGG entry for 3.5.1.4(英語) BRENDA entry for 3.5.1.4(英語) NiceZyme view of 3.5.1.4(英語) EC2PDB: PDB structures for 3.5.1.4(英語) PRIAM entry for 3.5.1.4(英語) PUMA2 entry for 3.5.1.4(英語) IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.5.1.4(英語) MetaCyc entry for 3.5.1.4(英語) Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語) 遺伝子オントロジー(GO)コード EGO entry for GO code 0004040: amidase AMIGO entry for GO code 0004040: amidase |
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アミノアシルtRNA合成酵素アミノアシルtRNA合成酵素 (aminoacyl-tRNA synthetase) とは、特定のアミノ酸 (またはその前駆体) その対応するtRNAにエステル結合させてアミノアシルtRNAを合成する酵素である。英語の略号としてaaRSやARSが用いられる。 アミノアシルtRNAは、リボソームに運ばれてtRNA部分の3塩基からなるアンチコドンが、mRNAのコーディング領域のコドンと対合し、タンパク質合成に用いられる。従って、3塩基のコドンと1アミノ酸の対応づけが行われる場はリボソームであっても、実際にコドンとアミノ酸の対応関係を示す遺伝暗号はaaRSの特異性にもとづいて規定されていることになる。 通常の生物では翻訳に使用されるアミノ酸20種類に対し、それぞれ対応するaaRSをもっている。例えば、アルギニンを認識してアルギニンtRNAにエステル結合する反応を触媒するaaRSはアルギニルtRNA合成酵素 (arginyl-tRNA synthetase) のように表記される。略号はArgRSのようにアミノ酸3文字表記+RSで表される。 起源RNAワールドにおいては、tRNA様のアダプター分子にRNA (リボザイム) がアミノ酸を結合させていたと考えられている。 現在の生物はほとんど共通する遺伝暗号を持っており、プロテインワールドの始原生物がリボザイムをタンパク質に置き換えつつ、アミノ酸とtRNAの対応関係は固定されたまま分子進化したと考えられる。そのため、aaRSは基質特異性を厳密に維持しつつも、最古のタンパク質として多様な進化を遂げている。その結果、3つの生物界 (真核生物、真正細菌、古細菌) の間で一次配列上の特徴が分かれていることが多い。 反応機構主反応aaRSは2段階の反応でATPの加水分解と共役してアミノ酸をtRNAに結合させる。 アミノ酸 + ATP → アミノアシルAMP + PPi (2) アミノアシルAMP-aaRS複合体に適切なtRNAが結合すると、アミノ酸のカルボキシ基がtRNAの3'末端のアデノシン (A76) の2'-または3'-OHとエステル結合を形成し、アデノシン一リン酸 (AMP) が遊離して反応が終結する。 アミノアシルAMP + tRNA → アミノアシルtRNA + AMP まとめると、アミノ酸 + ATP + tRNA → アミノアシルtRNA + AMP + PPi という反応式になる。 校正機構タンパク質合成に用いられるアミノ酸の中には、側鎖の大きさが似たアミノ酸が多く、単純にaaRS基質結合部位の形状を対応するアミノ酸をちょうど受け入れる形状にするだけでは十分な選択性が確保されない場合がある。この場合、本来特定のコドンに対応するアミノ酸ではないアミノ酸に翻訳されたタンパク質が一定割合で作られることになり、生物の生存に不都合である。 そこで、tRNAに本来とは異なるアミノ酸が結合 (ミスチャージ) した場合に、そのアミノアシルtRNAを加水分解する機構 (校正機構、editing) を有するaaRSが存在する。校正反応は多くの場合基質結合部位とは独立したドメイン (校正ドメイン) に加水分解に働く別の結合部位 (ミスチャージしたアミノ酸の側鎖と親和性が高い) で行われる。校正ドメインが別のポリペプチド鎖としてコードされている例も存在する。 分類aaRSは大きく2つのクラスに分けられる。それぞれのクラスはさらにIa、Ib、IcおよびIIa、IIb、IIcに分けられる。 クラスI
クラスII
アミノアシルtRNA合成酵素と遺伝暗号の拡張遺伝暗号の拡張の始まり始原生物が獲得した遺伝暗号に基づき、通常生物は20種類のアミノ酸 (標準アミノ酸) を翻訳で用いることができる。しかし、化学的に20種類以外のアミノ酸 (非天然型アミノ酸) をエステル結合したtRNAを試験管内翻訳系に加えると、リボソームは非天然型アミノ酸をタンパク質合成に使用し、tRNAのアンチコドンに対応するコドンに非天然型アミノ酸が対応付けられることが知られていた。このことから、既存のコドンに非天然型アミノ酸を対応付ける研究が行われるようになり、遺伝暗号の拡張 (Expansion of genetic code) と呼ばれるようになった。 遺伝暗号の拡張におけるaaRSの使用aaRSはアミノ酸とコドンの対応づけを行う酵素であるため、遺伝暗号の拡張のためにaaRSの基質特異性の改変を行うことが行われた。 一方、スクリプス研究所のピーター・シュルツらは2001年に同様の発想のもと、古細菌のチロシルtRNA合成酵素 (TyrRS) とアンバーサプレッサーtRNATyrを大腸菌内に導入し、大腸菌を用いた大規模スクリーニング法によって、古細菌TyrRSの基質特異性をO-メチルチロシンに高度に特異的なものにすることに成功した。これにより、その大腸菌の遺伝暗号はアンバーコドンにO-メチルチロシンが対応する遺伝暗号へと拡張したこととなる。 このスクリーニング法を用いることで、TyrRS変異体の中から種々の非天然型アミノ酸を特異的に認識するaaRSが選択され、一気にアミノ酸側から見た遺伝暗号の拡張が進んだ。 現在までの広がりさらに多くのaaRS-tRNAの組み合わせが同様の方法で遺伝暗号の拡張に用いることができることがわかっていった。特に近年では、ある古細菌で「22番目のアミノ酸」のピロリジンを認識し、アンバーコドンに対応するtRNAに結合させるピロリジルtRNA合成酵素 (PylRS) の基質認識が厳密でなく拡張容易なことを利用して、アセチルリジンやメチルリジンなど、生物の翻訳後修飾で生み出される側鎖を含む多くのアミノ酸の導入に成功している。その結果、遺伝暗号の拡張は従来の20種類のアミノ酸だけではできなかった細かなタンパク質の構造のチューニングや翻訳後修飾の遺伝子コード化など、実用性を増すこととなった。 関連項目リガーゼ
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アミラーゼアミラーゼ (amylase)とはジ(ヂ)アスターゼとも称される、膵液や唾液に含まれる消化酵素。グリコシド結合を加水分解することでデンプン(ラテン語"amylum")中のアミロースやアミロペクチンを、単糖類であるブドウ糖や二糖類であるマルトースおよびオリゴ糖に変換する酵素群である。 概要アミラーゼは1833年、フランスの生化学者、アンセルム・ペイアン (Anselme Payen) とジャン・ペルソー (Jean F. Persoz) が大麦の芽から取り出し、「切り離す」を意味するギリシア語の “διαστασις” より「ジ(ヂ)アスターゼ」と命名された。これが酵素の初めての単離である。 アミラーゼは消化酵素であり、デンプンやグリコーゲンを分解する。体内では主に、膵臓、耳下腺(唾液腺)から分泌され、またダイコンやカブ、ヤマイモにも多く含まれている。胃腸薬、消化剤として市販もされ、胃もたれや胸焼けの治療、防止に服用されている。 日本の製薬会社三共の事実上の創業者である高峰譲吉は、麹菌からジアスターゼを抽出し、自身の名の「タカ」を冠してタカジアスターゼと命名して1894年(明治27年)に特許を申請した[1]。高峰のジアスターゼ(アミラーゼ)の抽出成功は古くから餅を食べるとき大根おろしをつけて食べると胃がもたれないと言う事が大きなヒントとなったとも伝えられる。 夏目漱石の作品『吾輩は猫である』には、佐伯矩が発見した大根ジアスターゼについてと思われる新聞記事やタカジアスターゼを常用する人物が描写されて[2]、消化を促進するという機能が広く知られ用いられた様子がわかる。[3]。 現在、正式な物質名はアミラーゼであるが、旧名であるジアスターゼも医薬品/化学薬品の『タカジアスターゼ』として使用されている。 日本では現在も第一三共の医療用医薬品として「タカヂアスターゼ末」として薬局に卸されている(主に解熱鎮痛剤や整腸剤など他の散剤と混合して使うが、処方箋医薬品ではないため零売が可能)。また、第一三共ヘルスケアから一般用医薬品(胃腸薬)の「新タカヂア錠」と「第一三共胃腸薬」シリーズにタカヂアスターゼNとして配合されている。アメリカではパーク・デイビス(現:ファイザー)から市販されていない。 異性体α-アミラーゼ[4]、β-アミラーゼ[5]、グルコアミラーゼ[6]やイソアミラーゼ[7]がある。 α-アミラーゼ
α-アミラーゼは別名を1,4-α-D-グルカングルカノヒドロラーゼ、グリコゲナーゼといい、デンプンやグリコーゲンのα-1,4-結合を不規則に切断し、多糖ないしマルトース、オリゴ糖を生み出す酵素である。 β-アミラーゼ
β-アミラーゼは別名を1,4-α-D-グルカングルカノマルトヒドロラーゼ、グリコゲナーゼあるいはサッカロゲンアミラーゼといい、デンプンやグリコーゲンをマルトース(麦芽糖)に分解する。植物や微生物ではよく見られるが、動物からは見つかっていない。糖鎖の非還元末端から二つ目のα-1,4-グリコシド結合をエキソ型で逐次分解してマルトースを産生する。直鎖型のアミロースに対する分解効率は高い。一方、アミロペクチンに対してはα-1,6-グリコシド結合をしている分枝部で反応が停止し、マルトースとともにβリミットデキストリンが生成される。 グルコアミラーゼ
グルコアミラーゼは正式名称がグルカン1,4-α-グルコシダーゼといい、1,4-α-D-グルカングルコヒドロラーゼ、エキソ1,4-α-グルコシダーゼ、γ-アミラーゼ、リソソーマルα-グルコシダーゼあるいはアミログルコシダーゼを別名とする。糖鎖の非還元末端のα-1,4-結合をエキソ型に加水分解してブドウ糖1分子を産生する。α-1,6-結合も切断するものも知られている。 イソアミラーゼ詳細は「イソアミラーゼ」を参照 イソアミラーゼはアミロペクチンやグリコーゲン中のα-1,6-グリコシド結合を切断して直鎖のデキストリンやアミロースを生産する。ただし、プルランを分解できない。分枝部を切断するため、枝切り酵素や脱分枝酵素とも呼ばれる。 利用アミラーゼは、植物では果実の成熟や穀物の発芽の間に合成される。穀物酒や酢、水あめなどの伝統的な製法ではデンプンの糖化に麦芽に含まれるアミラーゼが用いられる。 微生物の分泌するアミラーゼは工業的に大量に生産され、製糖、食品加工、胃腸薬、衣料製造、洗剤等に利用されている。工業的にアミラーゼを生産する微生物としてはアスペルギルス・オリゼーや枯草菌が知られている。 尿中や血中のアミラーゼは、膵臓疾患や唾液腺疾患の診断に使われる。 ヒトアミラーゼヒトのアミラーゼには以下のものがある。
マクロアミラーゼ血症医療においてアミラーゼ高値を呈していることは、必ずしも膵疾患(特に急性・慢性膵炎)、唾液腺疾患を意味しない。疾患を合併しない代表的なものとしてマクロアミラーゼ血症がある。これはアミラーゼと免疫グロブリンが複合体を形成し、血清アミラーゼを測定すると高値を呈するもので、臓器障害を意味しない。 脚注
関連項目 |
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DNAグリコシラーゼウラシルDNAグリコシラーゼの構造。 DNAグリコシラーゼ(DNA glycosylase、EC 3.2.2.3)は、DNAのN-グリコシド結合を加水分解する酵素の総称で、塩基除去修復において傷害のある塩基をDNAから取り除く役割を担う。チミンDNAグルコシラーゼ英語版、ウラシルDNAグルコシラーゼ英語版、オキソグアニングルコシラーゼ英語版など、傷害塩基の種類によってさまざまなものが存在する。反応の結果生じた塩基の無い部位(AP site)は、APエンドヌクレアーゼ、DNAリガーゼ等の塩基除去修復経路の下流の酵素によって処理される。 ウラシルDNAグルコシラーゼは、PCR産物間のコンタミネーションの防止のためにも使われている[1]。この他、ヒトの解糖系での反応を触媒する酵素の1つで、4量体で活性を示すグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼの単量体が、ヒトのウラシルDNAグルコシラーゼと同じ物であることが判明した[2]。 出典2. ^ 『A human nuclear uracil DNA glycosylase is the 37-kDa subunit of glyceroaldehyde-3-phospholate dehydrogenase.』 参考文献· IUBMB entry for 3.2.2.3(英語) · BRENDA references for 3.2.2.3 (英語) · PubMed references for 3.2.2.3(英語) · PubMed Central references for 3.2.2.3(英語) · Google Scholar references for 3.2.2.3(英語) 関連項目· 加水分解酵素 外部リンク]· IUBMB entry for 3.2.2.3(英語) · KEGG entry for 3.2.2.3(英語) · BRENDA entry for 3.2.2.3(英語) · NiceZyme view of 3.2.2.3(英語) · EC2PDB: PDB structures for 3.2.2.3(英語) · PRIAM entry for 3.2.2.3(英語) · PUMA2 entry for 3.2.2.3(英語) · IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.2.2.3(英語) · MetaCyc entry for 3.2.2.3(英語) · Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語) |
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アロステリック効果アロステリック効果(アロステリックこうか)とは、タンパク質の機能が他の化合物(制御物質、エフェクター)によって調節されることを言う。主に酵素反応に関して用いられる用語であるが、近年、Gタンパク質共役受容体 (GPCR) を中心とする受容体タンパク質の活性化制御において、アロステリック効果を示す化学物質 (アロステリックモジュレーター) の存在が知られるようになってきた。 アロステリー(allostery、その形容詞がアロステリックallosteric)という言葉は、ギリシア語で「別の」を意味するallosと「形」を意味するstereosから来ている。これは、一般にアロステリックタンパク質のエフェクターが基質と大きく異なる構造をしていることによる。このことから、制御中心が活性中心から離れた場所にあると考えられたのである。 しかし下記のヘモグロビンにおける酸素分子のように、同じ分子がエフェクターかつ基質となる例もあり、アロステリック効果は一般にヘモグロビンのようなオリゴマー構造でモデル化することができる(「アロステリック制御のモデル」の項参照)。 このため、アロステリック効果は タンパク質と化合物が一対多の複合体を形成する際に、前の段階の複合体形成によって次以降の複合体形成反応が促進・抑制されること、あるいはその複合体による反応が加速・減速されること。 と拡張定義されることも多い。 アロステリック制御アロステリック効果により主に酵素や受容体などのタンパク質の機能が制御される現象をアロステリック制御と呼ぶ。 酵素の場合、酵素の活性中心以外の部分(アロステリック部位)に対してエフェクター分子(反応に関係する物質でもそうでなくてもよい。)が会合して酵素のコンフォメーションが変化し、酵素の触媒活性や複合体形成反応の平衡定数が増減することを表す。 酵素の活性を促進するエフェクターはアロステリック・アクティベーターと呼ばれ、逆にタンパク質の活性を抑制するエフェクターはアロステリック・インヒビターと呼ばれる。アロステリック制御はフィードバック調節の一つの例である。 受容体の場合、内因性アゴニストのアゴニスト活性を促進するアロステリック部位に結合するリガンドはポジティブアロステリックモジュレーター (Positive Allosteric Modulator, PAM) と呼ばれ、逆にアゴニスト活性を抑制するアロステリックリガンドはネガティブアロステリックモジュレーター (Negative Allosteric Modulator, NAM) と呼ばれる。アロステリック部位に結合するだけで内因性アゴニストの活性に影響を与えないリガンドはサイレントアロステリックモジュレーター (Silent Allosteric Modulator, SAM) 、もしくはニュートラルアロステリックリガンド (Neutral Allosteric Ligand, NAL) と呼ばれる。 例血液中のヘモグロビンは酸素と結合する鉄中心を持つヘムを四つ持ち、各々の酸素との結合には一定の平衡定数が存在する。しかし、ヘモグロビン中の一つのヘムが酸素と結合を作るとヘモグロビン全体の構造が変化し、他のヘムと酸素との結合が促進される。すなわち、酸素濃度の高い所では単独のヘムよりも効率的に酸素を取り入れることができる。一方で、細胞中のミオグロビンのそれぞれのヘムにはヘモグロビンのような協同効果は無いので、酸素との結合生成反応は酸素濃度に一次で比例するだけである。この結果、ヘモグロビンは酸素の多い肺では酸素を吸収し、酸素の少ない各細胞では酸素を放出することができるのである。 アロステリック制御のモデル多くのアロステリック効果はジャック・モノー、ワイマン、ジャン・ピエール・シャンジューの唱える協奏モデルと、モノー・ワイマン・シャンジューモデルとダニエル・コシュランド、ネメシー、フィルマーの提唱する逐次モデルの両方で説明できる。どちらの説でも酵素サブユニットは緊張(T状態)か弛緩(R状態)のどちらかの状態にあると仮定し、弛緩状態のサブユニットは緊張状態のサブユニットよりも基質に結合しやすいとしている。二つのモデルは、サブユニット同士の関係と、両方の状態に至る前の状態に関する仮定の面で異なっている。 協奏モデルアロステリックに関する協奏モデルは対称モデルともモノー・ワイマン・シャンジュー (MWC) モデルとも呼ばれるが、一つのサブユニットの構造変化が他のサブユニットに影響を与えると仮定している。つまり、全てのサブユニットが同じコンフォメーションを取る。このモデルはリガンドがなくても成り立ち、T状態とR状態のコンフォメーションが均衡を保っている。一個のリガンド(もしくはアロステリックエフェクター)がアロステリック部位に結合すると、均衡はR状態もしくはT状態に移行する。 逐次モデルアロステリック制御の逐次モデルでは、一つのサブユニットのコンフォメーション変化が他のサブユニットに同様の変化を引き起こすとは考えない。つまり全てのサブユニットが同じコンフォメーションをとっている必要はない。さらに逐次モデルでは、基質分子が誘導適合モデルによって結合するとしている。一般的には、サブユニットがランダムに基質分子と衝突した時、活性中心が基質を包み込まなければならない。この誘導適合はサブユニットをT状態からR状態に移行させるが、近接サブユニットの構造を変化させることはない。その代わり、一つのサブユニットに基質が結合すると他のサブユニットの結合部位も基質に結合しやすいように徐々に構造を変えていく。要約すると、
アロステリック促進酸素分子がヘモグロビンに結合する時のように、アロステリック促進はリガンドの結合が基質分子と他の結合サイトの反応性を高める現象である。ヘモグロビンの例では、酸素は基質であると同時にエフェクターとして、効率的に働いている。アロステリックサイトは、隣のサブユニットの結合部位である。一つのサブユニットに酸素が結合すると、構造が変化し、残りの結合部位の酸素親和性を高める。 アロステリック抑制アロステリック抑制は、リガンドの結合によって結合部位の基質親和性が低下する現象である。例としては、2,3-ビスホスホグリセリン酸がヘモグロビンのアロステリック部位に結合すると、他の全てのサブユニットの酸素への親和性が低下する。 代謝系の生産物が、その系の中間反応を触媒する酵素の活性を抑制する場合、負のフィードバック制御の生体内における例であるとみなせるため、フィードバック阻害と呼ばれる。 エフェクターのタイプ多くのアロステリックタンパク質は自身の基質によって調節される。これらはホモトロピックアロステリック分子と呼ばれ、多くはアロステリック促進を示す。非基質の制御分子はヘテロトロピックアロステリック分子と呼ばれ、促進作用を示すものも抑制作用を示すものもある。自身の基質と非基質分子の両方で調節されるアロステリックタンパク質もある。このようなタンパク質はホモトロピック作用もヘテロトロピック作用も受ける。 関連項目
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い イーディー=ホフステー図=ホフステー図(イーディー=ホフステーず、英: Eadie–Hofstee diagram)は、反応速度を反応速度と基質濃度の比の関数としてプロットする酵素反応速度論のグラフ表現である。ウルフ=イーディー=アウグスティンソン=ホフステープロット(Woolf–Eadie–Augustinsson–Hofstee plot)あるいはイーディー=アウグスティンソンプロットとも呼ばれる。
上式において、 これはミカエリス・メンテン式から以下のように導くことができる。 逆数を取り、 変形すると、
vをv/[S] に対してプロットすると、y切片としてVmax、x切片としてVmax/Km、負の傾きとしてKmが得られる。 ミカエリス・メンテン式を線型化するその他の手法と同様に、ヘインズ=ウルフプロットはKmやVmaxのような重要な反応速度論的パラメータを迅速に決定するために歴史的に使用されていたが、はるかに正確である非線型回帰手法に取って代わられている。ヘインズ=ウルフプロットはラインウィーバー=バークプロットよりも間違いが発生しやすいデータに対してより頑健である。これは、ヘインズ=ウルフプロットではいかなる範囲の基質濃度あるいは反応速度におけるデータ点も同等に重視するためである(ラインウィーバー=バークプロットはこのような点に対して不均等に重み付けをする)。どちらのプロットもデータをグラフを使って示す方法としては引き続き有用である。 ヘインズ=ウルフプロットの1つの欠点は、縦座標と横座標のどちらも独立変数を表わさない点である(どちらも反応速度に依存している)。そのため、全ての実験誤差がどちらの軸にも表われる。また、実験誤差あるいは不確かさが不均等に伝播し横座標の至るところでより大きくなり、それによってより小さなv/[S] の値により重視することになる。ゆえに、線型回帰の適合度の典型的な指標である相関係数Rを適用できない。 参考文献
関連項目 |
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EC番号EC番号(酵素番号、Enzyme Commission numbers)は酵素を整理すべく反応形式に従ってECに続く4組の数字で表したもの。 国際生化学連合(現在の国際生化学分子生物学連合)の酵素委員会によって1961年に作られた。 分類と命名法EC番号は酵素の系統的分類と関係が深い。また分類基準に共通項が存在するため、系統的命名法とEC番号とは少なからず対応関係を見出すことができる。 EC番号の分類基準は酵素の特性である反応特異性と基質特異性の違いにより区分されている。言い換えると、酵素反応の種類(反応特異性の違いを意味する)と基質の種類(基質特異性の違いを意味する)とで分類した番号である。 最初の数字が1であれば酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ)で、2であれば転移酵素(トランスフェラーゼ)、3であれば、加水分解酵素(ヒドロラーゼ)、4であれば除去付加酵素(リアーゼ)、5であれば異性化酵素(イソメラーゼ)、6であれば合成酵素(リガーゼ、エピメラーゼ、ムターゼ、ラセマーゼ)となる。 さらに細かい反応特異性の違いや基質の違いにより番号が割り振られてゆく。分類は階層的でありECの接頭辞にピリオドで区切った続けた4個の番号 "EC X.X.X.X"(Xは数字)による表記がなされる。反応物質が二つ以上あるときはコロンで結ぶ場合もある。
全ての酵素についてこの番号が割り振られており、現在約 3,000 種類ほどの反応が見つかっている。またある活性を担う酵素が他の活性を有することも多く、ATPアーゼなどはATP加水分解反応のほかにタンパク質の加水分解反応への活性も持っている。 またEC番号は酵素を特定するのではなく、同じ基質に同じ反応で作用する酵素グループに対してEC番号が割り当てられることになる。つまりアイソザイムは同じEC番号を持つ。 命名法酵素の名前は国際生化学連合の酵素委員会によって命名される際に、同時にEC番号が与えられる。酵素の名称には「常用名」と「系統名」が付される。常用名と系統名の違いについて例をあげながら説明する: (例)次の酵素は全く同じ酵素(EC番号=EC 1.1.1.1)
系統名は、基質分子の名称(複数の場合は併記)と反応の名称を連結して命名される。系統名における反応の名称には規制があり、原則とし下記のいずれかが使用される: 常用名も、基本的には系統名と同じ規則で命名されるが、基質の一部を省略して短縮されたりしている。また、命名規則に従わない酵素も多く、DNAポリメラーゼなどはそのひとつである。 古くに発見され命名された酵素については、上述の規則ではなく当時の名称がそのまま使用されている。 などがこれにあたる。 以下に、EC番号と区分の対応を示す。 EC 1.-(酸化還元酵素)記事酸化還元酵素に詳しい
外部リンク
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EC5050%効果濃度 (EC50)または半数効果濃度とは、薬物や抗体などが最低値からの最大反応の50%を示す濃度のことを指す[1]。 EC50は元来英語の"half maximal (50%) effective concentration"の略語であるが、現在ではEC50の表記の方が一般的である。 EC50は特に血中における50%効果濃度を指すこともある。この場合、投与量としてはED50(50%効果用量、半数効果用量)を用いる。 EC50は一般に医薬品の有効度を示すために用いられる。 効果の程度が連続的に計測できるような(例えば、心拍数に影響を及ぼすような)薬剤の用量反応曲線のEC50は、最大反応の50%の反応強度を示す化合物の濃度を表している [2]。 一方、効果が現れるか現れないかでのみ評価できる薬剤(例えば抗てんかん薬)の用量反応曲線のEC50は、試験された母集団のうち50%の個体が反応を示す化合物の濃度を表している [3]。 EC50は薬物の阻害能の尺度であるIC50とも関連している。競合結合評価と機能的アンタゴニスト評価のためにはIC50が用量反応曲線の最も一般的な集約尺度であり、アゴニスト/促進剤評価にはEC50が最も一般的である [4]。 用量反応曲線は通常、少しの濃度の変化に対して効果が急に立ち上がりやがて効果の増加が遅くなってゆく、いわゆるシグモイド曲線の形状を成す。濃度の増加に対して効果の増加が遅くなる点(変曲点)がIC50である。測定値に対して最適な近似曲線を数学的に導くことでIC50が求められる。 曲線回帰EC50を求めるための回帰曲線は薬剤の濃度(X)と効果の度合い(Y)の関数として以下のように表される。 Y = A + B − A 1 + ( X E C 50 ) C {\displaystyle Y=A+{\frac {B-A}{1+({\frac {X}{EC_{50}}})^{C}}}}
ここでAは測定値の最小値、Bは測定値の最大値、ヒル係数Cは勾配の最大値の絶対値を表す。 関連項目· 用量反応関係 · IC50 · 治療指数 脚注1. ^ Introducing doseresponse curves, Graphpad Software 2. ^ EC50 definition 3. ^ definition of EC50 for quantal dose response curve 4. ^ Assay Operations for SAR SupportNIH Chemical Genomics Center 外部リンク |
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イソプレン合成酵素
酵素の基質はジメチルアリル二リン酸であり、2つの生成物はイソプレンおよび二リン酸である。 この酵素はリアーゼファミリー、具体的にはリン酸エステルに作用する炭素-酸素リアーゼに属する。本酵素群の系統名はdimethylallyl-diphosphate diphosphate-lyase (isoprene-forming)である。一般的にはISPC、ISPSの略称が使われる。 推薦文献 Silver GM, Fall R (1991). “Enzymatic Synthesis of Isoprene from Dimethylallyl Diphosphate in Aspen Leaf Extracts”. Plant. Physiol. 97 (4): 1588–1591. doi:10.1104/pp.97.4.1588. PMC 1081206. PMID 16668590. Silver GM, Fall R (1995). “Characterization of aspen isoprene synthase, an enzyme responsible for leaf isoprene emission to the atmosphere”. J. Biol. Chem. 270 (22): 13010–6. doi:10.1074/jbc.270.22.13010. PMID 7768893. Wildermuth MC, Fall R (1996). “Light-Dependent Isoprene Emission (Characterization of a Thylakoid-Bound Isoprene Synthase in Salix discolor Chloroplasts)”. Plant. Physiol. 112 (1): 171–182. PMC 157936. PMID 12226383. Schnitzler JP, Arenz R, Steinbrecher R and Lehming A (1996). “Characterization of an isoprene synthase from leaves of Quercus petraea”. Bot. Acta 109: 216–221. Miller B, Oschinski C, Zimmer W (2001). “First isolation of an isoprene synthase gene from poplar and successful expression of the gene in Escherichia coli”. Planta. 213 (3): 483–7. doi:10.1007/s004250100557. PMID 11506373. Sivy TL, Shirk MC, Fall R (2002). “Isoprene synthase activity parallels fluctuations of isoprene release during growth of Bacillus subtilis”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 294 (1): 71–5. doi:10.1016/S0006-291X(02)00435-7. PMID 12054742. |