アキカラマツ   (キンポウゲ科カラマツソウ属:多年草:草丈 〜150センチ:花期 〜10月))
下痢健胃
          
科名:キンポウゲ科/属名:カラマツソウ属
和名:秋唐松/学名:Thalictrum mimus var.hypoleucum
北海道、本州、四国、九州の全国に普通にみられる多年草。


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見分け方・特徴
草丈は1〜1.5メートルになり、葉は2回羽状複葉で、小葉はやや丸みがあり、3裂して少し粉白色をおびた緑色です。茎頂に円錐花序をつけ多数の淡黄色の花をつけます。花弁はなく、がくが3〜4個あり、おしべは多数で、雌しべは数個です。茎葉ともに苦味があり、根は黄色で強い苦味があります。
カラマツソウとよく似ていますが、アキカラマツは果実の柄が垂柄なのに対してカラマツソウは長く、5ミリに伸長します。また、花序、花糸、がく片の色、葉がアキカラマツはそれぞれ、円錐花序、糸状、黄色、黄白色で2〜4個の3出複葉であるのに対して、カラマツソウはそれぞれ、複合の散房花序、扁平、白色、類白色で3〜4回の3出複葉となっています。
採集と調整
夏から秋に開花中の全草を採取します。天日でよく乾燥させて刻んで用います。
薬効・用い方
長野県高遠町では、古くから高遠草(たかとうそう)という名前で健胃薬として腹痛、下痢、食べ過ぎなどに用いられていました。
腹痛、胃カタル、下痢止めに効き目があります。
粉末にして1回0.5グラムを毎食後に服用するか、1日量5〜10グラムに水0.4リットルを加えて煎じて、約半量に煮詰めたものを1日3回毎食後に服用します。苦味が強いので粉末にしたほうが飲みやすいでしょう。
中国では、煙鍋草(えんかそう)といい、歯痛、皮膚炎、湿疹に外用します。
その他
長野県の著名な民間薬で、高遠(たかとう)の城下町では全草を乾燥させたものが、高遠草(たかとうそう)と呼んで腹が痛い時の薬として使われていました。

よく似たものにはカラマツソウがあります。飯沼慾斎(いいぬまよくさい・1783〜1865)があらわした「草木図説(そうもくずせつ)」には、伊吹山や能郷白山に自生するとあります。
根茎と根が大黄(だいおう)のように黄色であったことからファルセ・ラバルブル(偽大黄)といわれます。
大黄もカラマツソウも健胃の目的で使用したと考えられますが、大黄はアントラキン類の黄色ですが、カラマツソウはベルベリンなどアルカロイドの黄色であることがわかっています。