サワフタギ       (ハイノキ科ハイノキ属:落葉小高木:樹高 〜4メートル:花期 〜6月)

薬効
染材
分布生育場所

科名:ハイノキ科/属名:ハイノキ属
和名:沢蓋木/別名:ルリミノウシコロシ/学名:Sympiocos chinensis
北海道、本州、四国、九州の落葉樹林内
朝鮮半島、中国東北地方に分布

サワフタギの花/サワフタギの果実

見分け方・特徴

高さ2〜4メートルになる落葉低木〜小高木
樹皮は灰褐色、縦に細かく裂け、良く枝別れする
葉は互生、倒卵形〜楕円形、長さ4〜8センチ、幅2〜5センチ、葉縁には細鋸歯があり、両面に毛がありさわるとざらつく
花は、5〜6月頃側枝の先端の円錐花序に径約0.7センチの白色の小花を密につける、がくは緑色5裂、雌しべ1、雄しべ多数
果実は、核果約0.7センチで少しゆがんだ球形、9月頃〜に藍色に熟す

採集と調整
小枝、葉を随時採集して媒染剤として使用
薬効・用い方
古くから、葉や小枝には、アルミ成分を含み、紫草染め、茜草染めなどの染色に用いられていた

紫染めの灰汁には、枝葉を水で沸騰して20分煎じて煎液を取り、同様に3回煎液を取ったもので染色する。灰汁か銅媒染で黄茶色、鉄媒染で利休鼠色、鉄と灰汁の併用で媒竹色を染める

 
その他
名の由来は、樹形が良く枝別れして横に広がり、沢をふさぐように生えるということから、転嫁(てんか)して沢蓋木(さわふたぎ)の名になったという

別名の、ルリミノウシコロシ(瑠璃実牛殺)は、赤い実に対して藍色の実から、ニシゴリ(錦織木)は木灰を紫根染めの媒染剤としたことから
また、ウシノハナギ(牛鼻木)などの別名があり、この枝を牛の鼻木に用いたと思う