オオハンゲ            (サトイモ科ハンゲ属:多年草:草丈 〜50センチ:花期 〜8月)

薬効
つわり/漢方処方 小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)
 
分布生育場所

科名:サトイモ科/属名:ハンゲ属
和名:半夏/生薬名:半夏(はんげ)/学名:Pinellia tripartita
本州美濃以西、四国、九州、沖縄の山地の常緑樹林内や林下などの陰湿地に自生

見分け方・特徴

地下には径約3センチの球形の根茎があり褐色の繊維に包まれ上方に、ひげ根を輪生する
葉は根茎から20〜30センチの柄を1〜2本出して上部に大型の葉を1枚つける
葉は緑色で10〜20センチ、掌状に3深裂して葉片は広卵形、先端は尖り、水平に開き葉縁は波うつ
花は、5〜7月に葉茎を1本高さ20〜50センチに出してカラスビシャクに似た肉穂状花序の仏炎包をつける
緑色の仏炎包の中の下部には雌花、中部から出る中軸の基部には雄花を多数つけ、10〜25センチ長く伸びてむちのように立つ

サトイモ科ハンゲ属のオオハンゲとカラスビシャクとの違いは、オオハンゲは大型で、葉柄にムカゴが出来ない。葉が1枚の葉が3深裂する。
カラスビシャクは小型、葉柄にムカゴができる。葉が3枚の小葉になっている。
採集と調整
夏頃の花のある時期に根茎を掘り取り、ひげ根を取り除き外皮をむき、日干しにして乾燥したものを、生薬名で半夏(はんげ)と呼ぶ
薬効・用い方
有効成分は、フェノール類のホモゲンチジン酸、ホモゲンチジン酸配糖体、アルカロイドのエフェドリン、アミノ酸のアルギニン、グルタミン酸、セリン、グルシン、オルニチンなどの他、糖類のブドウ糖、グルコニン酸など

つわりには、漢方処方として小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)に用いる。
半夏(はんげ)9.0グラム、茯苓(ぶくりょう)、生姜(しょうきょう)を各3.0グラム、水0.2リットルで半量に煎じて1日3回に分けて服用する。

中国では、類縁植物の、Pinellia N.E. Brown(中国)心葉半夏の球茎を滴水珠(てきすいじゅ)または水半夏(すいはんげ)と呼び鎮痛薬として用いる。
その他
名の由来は、漢名の半夏(はんげ)/カラスビシャクより大型の半夏(はんげ)のことから、オオハンゲの名になったという