キツネノカミソリ     (ヒガンバナ科ヒガンバナ属:多年草:草丈 〜50センチ:花期 〜9月)

薬効
有毒
分布生育場所

科名:ヒガンバナ科/属名:ヒガンバナ属
和名:狐の剃刀/学名:Lycoris sanguinea
本州、四国、九州の林の中、林縁

ヒガンバナ科ヒガンバナ属ヒガンバナ(彼岸花)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属ナツズイセン(夏水仙)

見分け方・特徴

日本全土の山林の中や林縁に自生する多年草
春に地下の黒褐色の鱗茎からスイセンに似た葉を数枚出す
葉は柔らかく白緑色で高さ20〜30センチ
花は8〜9月に赤褐色を帯びた花茎を伸ばして茎頂に黄紅色の花を3〜5個つける
果実はさく果、楕円形の黒い種子がある
採集と調整
有毒部位:全草、特に鱗茎
有毒成分:アルカロイドのリコリン、ガランタミンほか
中毒症状:睡眠作用、痙攣、吐き気、下痢

類似植物には、スイセン、ナツズイセン、ヒガンバナなどがある
薬効・用い方
乳房の腫れに、キツネノカミソリの鱗茎をすり潰して塗布するというが外用にも用いない

また、有毒成分のガランタミンは、ヒガンバナラッパスイセンナツズイセン、ショウキズイセンなどの鱗茎に含まれていて、小児麻痺の後遺症治療に用いられる
その他
名の由来は、春に出る葉を、カミソリの葉に見立てて、林の中に突然咲く紅花を、狐火にたとえて、キツネノカミソリの名になったという

方言には、キツネノタイマツ、キツネユリ、キツネバナがあり、薄暗い林の中に咲く紅色の花を、キツネの変幻(へんげん)の妙に見立てたと思う

また、毒草から、毒花(どくばな)、地獄花(じごくばな)などの名もあるという