ササユリ                   (ユリ科ユリ属:多年草:草丈 〜100センチ:花期 〜8月)

薬効
滋養強壮 気管支炎(気管支カタル) せき・たん 小便不利 鼻血(はなぢ) 口内炎
           
分布生育場所

科名:ユリ科/属名:ユリ属
和名:笹百合/学名:Lilium japonicum
静岡県、新潟県南部以西の山地に自生
オニユリヤマユリ、新潟県下田村のヒメサユリ、新潟県角田山のスカシユリ、新潟県奥只見のコオニユリ、新潟県柏崎市のタカサゴユリ、粟ケ岳のヒメサユリ、美しい海岸で知られる瀬波海岸のイワユリ、妙高市のササユリ、佐渡の海岸岩場のイワユリ、種子島などに岩場、崖に自生するテッポウユリ


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見分け方・特徴

茎は、直立して高さ50〜100センチ、葉は、互生して笹の葉に似る
花の色は白〜淡桃色、初夏〜夏に、ロウト形の花を1〜3個茎頂につける

注意:ササユリは、希少植物のひとつです。自生地から採取して移植しても栽培ができません。
絶対に採取してはいけません。


 
採集と調整
ササユリの鱗茎(りんけい)を掘り取り、水洗いして熱湯をかけてから天日で乾燥させます。
これを生薬で百合(ひゃくごう)といいます。
ササユリと同様にオニユリ、ヤマユリ、テッポウユリなども用いられる



 
薬効・用い方
乾咳や慢性の咳嗽(がいそう)に用い、気管支炎や肺炎などの回復期に少し炎症が残っていて咳がでるような場合など
日射病、熱射病などによる尿の濃縮、顔面の紅潮、口渇(こうかつ)、口内炎や鼻出血の症状にも効果を示し、精神の安定をはかるためにも用いる
発熱性疾患の回復期に動悸(どうき)、煩躁(はんそう)、尿の濃縮などの症状がある場合には、百合(ひゃくごう)の解熱、鎮静、利尿作用を利用して知母(ちも)、生地黄(しょうじおう)、滑石(かっせき)、淡竹葉(たんちくよう)などを配合して用いる
単味で用いるには、1回に5〜10グラムを水0.3リットルを加えて煎じて、約半量に煮つめたものを服用
または、1日量を10〜30グラムまでとして煮たりして食用にする



その他
名前の由来は、本草和名(ほんぞうわみょう・918)には、漢名には百合(ひゃくごう)、和名には由利(ゆり)という記述がある。
また、日本釈名(にほんしゃくみょう・1700)には、名前の由来を「茎細く花が大きく、風にゆり動くので、ユリと呼ぶ」という記述がある。
葉が笹の葉に似ることから、ササユリの名になった。

「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」は、古くから美人のたとえとしてよく知られています。これらの植物は全て婦人病の薬草です。
シャクヤクは、冷え性、月経不順、産後の疲労回復。ボタンは月経困難、便秘。ユリは乳腺炎やできものの薬草です。シャクヤク、ボタン、ユリを薬草として用いると美人になるという昔の言葉には奥深い味があります。