ガマズミ       (スイカズラ科ガマズミ属:落葉低木:樹高 〜3メートル:花期 〜7月)

薬効
疲労回復 利尿 薬用酒
分布生育場所

科名:スイカズラ科/属名:ガマズミ属
和名:-/別名:ヨソズメ/ヨツズミ/学名:Viburnum dilatatum
北海道(西南地域)、本州、四国、九州の山地

比較的深山の山地に自生するミヤマガマズミ
スイカズラ科ガマズミ属ムシカリ
スイカズラ科ガマズミ属ケナシヤブデマリ(毛無藪手毬)

見分け方・特徴

高さ2〜5メートル、落葉低木、樹皮は灰褐色の日本固有種、葉は、円形〜長円形長さ6〜14センチ、幅3〜13センチ、対生して若葉には毛があり、葉脈は明瞭
花は、初夏5〜6月枝頂に径5〜8ミリの白い小花を多数散房花序につけ、芳香がある
果実は核果、秋9〜11月に直径5ミリくらいの卵形の赤い実になり、熟すと鮮やかな赤から紅紫色になる
ガマズミの実は、食べると甘酸っぱい味がします。
良く似た、ミヤマガマズミとの違いは、葉の先が鈍く尖る葉が多く、葉柄に短毛が密生することで区別する
採集と調整
秋に、赤く熟した果実を採取します。
薬効・用い方
疲労回復や利尿に、薬用酒にします。

紅熟した果実を、200〜300グラム、水洗いしてよく水気を切り、ホワイトリカー1.8リットル、グラニュー糖200グラム程度で、冷暗所で2〜3ヶ月して、濾して材料を引き上げます。

滋養強壮、利尿に、夕食後杯1杯飲みます。
その他
名前の由来は、昔はガマズミの幹や枝を鍬(くわ)の柄に使っていたことから、カマがつき、赤い果実を染料の原料として使っていたことから、ゾメがつき、カマゾメが転訛(てんか)して、ガマズミになったといわれている
また、ズミは、果実に酸味があることから、酢味(すみ)から転嫁して、ガマズミの名になったという

和訓栞(わくんのしおり/年代不詳1775以前)には、古名ヘミ、ヘキミと呼び今は、ガマズミと呼ぶという記述がある
また、ガマズミの漢名莢迷(きょうめい)の音読みが「カメ」に転じ、転嫁して「ガマ」の名になり、実に酸味があることから「がまずみ」の名になったという説もある

身近な植物だけに方言も多く、ムシカリ、ズミ、ソゾミなどがあります。

枝は、非常に弾力があって折れにくく、このために、樹皮を剥いで、薪(まき)を縛って縄の代わりにしたり、ざるの縁木などにも利用しました。

ガマズミは、枝がしなやかに曲がったりして、物を束ねたりします。このことから、綯麻(ねそ)と呼ぶ地方もあります。
綯麻(ねそ)とは、フジの花の蔓(つる)のことですが、同様に枝が曲がる、マンサクやシナノキ、クロモジなどを、ネソと呼ぶ地方もあります。