ベンケイソウ  (ベンケイソウ科ベンケイソウ属:多年草:草丈 〜80センチ:花期 〜10月)

薬効
解熱・解毒 膿傷などの外用
分布生育場所

科名:ベンケイソウ科/属名:ベンケイソウ属
和名:弁慶草/学名:Hylotelephium erythrostictum
薬草として各地で栽培
北海道、本州中部以北の亜高山、高山地域の岩場、砂礫地に自生するイワベンケイ

ベンケイソウ科キリンソウ属キリンソウ(麒麟草)

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見分け方・特徴

茎は直立して、30〜80センチ。
葉は、楕円形、茎の下部につくものは葉柄(ようへい)があり、多肉質の緑白色、葉縁には鈍鋸歯があります。
花は、7〜10月ころに、淡紅紫色の房状集散花序が群がってつきます。
採集と調整
花の咲いている時期に、全草を採取して日干しにして乾燥させます。

夏から秋に、新鮮な葉を採取して、水洗いして、水分をふき取り生のまま用います。
薬効・用い方
有効成分は、糖質・セドヘプツローズで傷面を被覆する作用がある

全草の乾燥したものは、解熱・解毒などに、適量を水で半量まで煎じて服用します。

新鮮な葉は、火であぶり、表皮を剥いで、膿傷などの外用に患部に塗布します。
その他
名前の由来は、茎葉(けいよう)が多肉質で、切って捨てても枯れないという意味から、古くは、伊岐久佐(いきくさ)と呼ばれました。
その後に、武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)のように、枯れない強い草という意味から、弁慶の名が頭について、ベンケイソウという名になったという由来があります。

また、物類称呼(ぶつるいしょうこ・1775)では、ベンケイソウの漢名、景天(けいてん)を、京では、ベンケイソウ、江戸では、イチヤクソウと呼ぶという記述があります。
ベンケイソウの花の咲いた茎を糸でつるしておくと、乾燥したあとでも、雷鳴があると必ず色が増すので、強い草という意味から、弁慶草と名がついたという記述もあります。

中国原産といわれ、日本には古くに渡来したことがわかります。
薬草として栽培していたものが野生化したといわれています。