トウガラシ       (ナス科トウガラシ属:1年草:草丈 〜60センチ:花期 〜 月)

薬効
滋養強壮 食欲不振 消化不良 神経痛(しんけいつう) リューマチ 関節炎
腰痛
分布生育場所

科名:ナス科/属名:トウガラシ属
和名:唐辛子/生薬名:蕃椒(ばんしょう)/学名:Capsicum annuum
熱帯では多年草、温帯では1年草で、25度前後の南地で栽培。
トウガラシの辛味のない改良品種ピーマン

見分け方・特徴

トウガラシは、辛味型や甘味型および、中間型などの多くの品種があります。
栽培品種の辛味型には、鷹の爪(タカノツメ)、八つ房(ヤツブサ)、虎の尾(トラノオ)、伏見(ふしみ)、ナガミトウガラシがあり、辛味成分はカプサイシンを多く含有しています。
甘味型には、ピーマンといわれる品種で、このピーマンも大果種と中果種があり、辛味が少なく、少し甘味がある品種はシシトウガラシになります。
採集と調整
トウガラシは、比較的高温を好む植物です。25度前後の気温が最適です。
日当たりが良く、排水の良い場所で水が十分補給する場所が最適です。
タカノツメやヤツブサは、開花して40〜45日で赤く色づき始めます。約60日目に収穫します。
シシトウガラシは、開花後10〜15日で、ピーマンは、15〜25日で収穫します。
収穫時期が遅れると、果肉が硬くなり品質が悪くなります。収穫後に風通しのよい場所で十分乾燥して、果実を取り去り、さらによく乾燥したものが生薬の蕃椒(ばんしょう)です。
蕃椒(ばんしょう)は、水分、湿気で極端に品質が落ちます。
薬効・用い方
有効成分:辛味成分のカプサイシン、果皮色素のカロチノイド・カプサイシン他

辛味性健胃薬として食欲増進、消化促進、唾液(だえき)分泌促進、強壮などの効き目があります。
また、体を温める作用もあり、蕃椒(ばんしょう)を内服するには、粉末にして0.2〜0.5グラムを、1日3回に分けて服用します。
蕃椒(ばんしょう)は、大量服用すると、逆に胃腸障害、肝臓障害を起こすので注意する必要があります。また、胃潰瘍(いかいよう)の症状がある場合には服用はやめる必要があります。

蕃椒(ばんしょう)には、粘膜や皮膚に対して強い刺激作用があり、皮膚刺激薬として、腰痛、肩こり、筋肉痛、リューマチ、関節炎、神経痛などにトウガラシチンキを用います。トウガラシチンキは、トウガラシを細かく刻み、その全量の約4倍のホワイトリカーを加えて、20〜30日程度冷暗所においてから、布でこして作ります。それを、痛む部分に塗布します。
また、このトウガラシチンキをコップ1杯の水に数滴注いで、食前に服用すると健胃効果があるとされています。
各種の痛みやしもやけに、明礬(みょうばん)と酢を加えて塗布します。

保温:トウガラシの果実をそのまま靴下や足袋の中に入れて保温やしもやけの予防に。

むくみには、薬味トウガラシ粉を用い、漬物にも利用されていて健康維持には貢献しています。

七味唐辛子
七味唐辛子は、トウガラシ山椒(サンショウ)胡麻(ごま)、 麻子仁(ましにん/麻の実)、陳皮(チンピ)、罌粟子(オウゾクシ/ケシの実)、紫蘇子(シソシ)の7種類から成る薬味
その他
トウガラシの原産地は、ブラジルのアマゾン河流域といわれています。
熱帯から温帯地域にかけて、果実を野菜として、薬味、香辛料として栽培されています。

トウガラシは、コロンブスがアメリカ大陸を発見したとき、タバコと同様にスペインに持ち帰ったのがヨーロッパに広まった最初とされています。

日本には、ポルトガルからインドへ中国を経て1592年の豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に種子が入って来ました。        

名前の由来は、唐辛子(とうがらし)と書くことから、唐は「外国」を意味し、辛は「味が辛い」を意味し、子は「果実や種子」を意味します。
トウガラシのことを、唐辛子(とうがらし)、蕃椒(ばんしょう)、高麗胡椒(こうらいこしょう)、南蛮胡椒(なんばんこしょう)ともいいますが、どれも海外から渡来したという意味をもっています。

また、アメリカには、トウガラシ属には35種類もあるといわれています。

栽培は、3〜4月に播種(はしゅ)して、5月中旬に定植。6〜7月には高さ70〜80センチに生長して、葉腋に白花をつけ果実を青〜赤色に熟す。
栽培ポイントは、梅雨明けからの十分な冠水が必要