| クサギ                                              
      (クマツヅラ科クサギ属:落葉小高木:樹高 〜5メートル:花期 〜9月)                                                                 
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                     | 薬効 | 
                     | 下痢 | 痔 | リューマチ | はれもの・できもの |  |  | 
                     |  |  |  |  |  |  | 
                     | 分布生育場所 | 
                     | 科名:クマツヅラ科/属名:クサギ属和名:臭木/学名:Clerodendron trichotomun
 日本全土の山地、山すそ、川端に自生する落葉性の小高木。
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                     | 見分け方・特徴      
            
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                     | クサギは、山野、山すそなどに普通に見られる落葉性の小高木です。 非常に枝分かれが多く、枝葉ともに有毛で、葉は卵形で桐の葉に似ていて長柄があって対生(たいせい)して、強い悪臭があります。
 花は、8月ころに枝端から伸びて大型の集散花序(しゅうさんかじょ)をつけます。がくは、5深裂(しんれつ)して裂片は卵形で鮮やかな紅色をしています。花冠(かかん)は、少し紅色がかった白色で、花筒から細長い5裂片で、雄しべと雌しべの花柱(かちゅう)は、長く花冠(かかん)より突き出ていて、雄しべが先に熟します。
 果実は、藍色(あいいろ)、扁円球(へんえん)で非常に美しく熟します。
 古くからクサギの、熟した果実は浅青色(はなだ色)の染色として用いられていました。
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                     | 採集と調整 | 
                     | クサギは、8〜9月ころに、葉を小枝ごと採取して、天日で乾燥します。 
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                     | 薬効・用い方 | 
                     | 有効成分:葉に殺菌作用のあるクレロデンドリンA.B、苦味質ほか 
 クサギの葉・小枝の乾燥したものは、リューマチ、高血圧、下痢に1日量10〜15グラムを水0.4リットルで煎じ、約2分の1量まで煮つめて1日3回食間に服用します。
 
 殺菌作用が非常に強く、腫れ物や痔には、10〜15グラムを煎じた液で患部を洗浄します。
 
 民間療法では、葉をちぎって酢に漬けておいて、主に足にできた、できものに塗布すると腫れがとれるとされています。
 
 また、日本の古書「物類品騭(ぶつるいひんしつ・1763)」では、クサギの根元の材の中の虫を焼いて小児に食べさせると、疳疾(かんしつ)によいとされています。
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                     | その他 | 
                     | クサギの名前の由来は、葉には、特異な臭気があるために、臭木(クサギ)という和名があります。 漢名も臭梧桐(しゅうごりゅう)といい、くさいというところからきています。
 
 このクサギの葉の悪臭は、茹でたり蒸したりすることによって無くなるので、各地方では色々な料理に利用されてきています。
 春に出る若葉を、茹でて水にさらして、アク抜きをしてから、おひたしなどの料理に使用しますが、とくに寺院などでの精進料理には良く見られます。
 
 また、古くから、茹でた若葉を、ざるに広げて、天日でよく乾燥させてから保存しておいて、必要な場合に水にもどして、汁の実などにも用いられていました。
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