当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
適応症 不整脈 心臓神経症 心臓弁膜症 低血圧 高血圧症 腎炎 ネフローゼ 貧血 甲状腺肥大 凍傷
核(じかく) 脱肛 つわり 習慣性流産 妊娠腎 陣痛微弱 過強後陣痛 産褥熱(さんじょくねつ) 月経不順 子宮後屈
子宮内膜炎 子宮発育不全 不妊症(ふにんしょう) 子宮脱 婦人血の道、更年期障害 ヒステリー にきび しみ・そばかす 水虫(みずむし) いんきん・たむし
フリクテン                       虹彩炎 涙のう炎 白内障            
目  標 貧血冷え性で、下眼瞼(がんけん)が貧血して眼の周辺に、うす黒いクマドリが出て、頭重、めまい、肩こり、動悸(どうき)などがあって、排尿回数が多く尿量減少し、喉が渇くもの。または、冷えて下腹部に圧痛を認めるか、痛みがあるもの。  
構  成 当帰(とうき):2 川弓(せんきゅう):2 芍薬(しゃくやく):3 茯苓(ぶくりょう):3 朮(じゅつ):3
沢瀉(たくしゃ):3        
備  考 本方は、虚弱な女子に使用されることが多い処方ですが、身体を温め、血行を改善して、ホルモン系や自律神経系の働きを活発にするものです。また、排尿を促して水分の代謝異常を改善する作用があると考えられます。

本方は、妊娠中の流産、妊娠腎などを予防して、お産を軽くして、産後の肥立ちをよくします。また、「ドクダミ」と併用すれば、胎毒といわれる新生児の湿疹(しっしん)を防ぐことができます。

また、本方は、しみ、にきびなど美容を目的に、よく苡仁(よくいにん)を合わせて服用します。

本方は、めまい、立ちくらみが強く尿意頻数の人には、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)とともに用います。また、冷えたり疲れたりすると、膀胱炎を引き起こす人には、本方と猪苓湯(ちょれいとう)を合わせます。

本方、適応症状であるにも係わらず、しばしば胃腸障害を起こすことがありますが、安中散(あんちゅうさん)や六君子湯(りつくんしとう)とともに用いれば、防ぐことができます。