Date:2012.10.16
生理周期の乱れ、痛み以外にも経血の異常で病気が疑われる場合があります。自分の経血状態をチェックしてみましょう。
経血量は人と比べることができないものですが、多い日でも2時間おきくらいにナプキンを変えればOKな程度が普通で、生理日数は3~7日が標準です。
経血には血液以外にも子宮内膜、分泌物、血液が固まるのを防ぐ働きのある酵素などが含まれています。
したがって、子宮内膜の増殖をおさえる作用のあるピルを服用しているとか、閉経が近づくにつれてホルモン量が低下し経血量が減るというような、病気以外の要因で経血量が変化することも考えられます。
しかし、上記のような心当たりがなく以下の症状に当てはまる場合には、一度婦人科を受診しましょう。
最近若い女性に増えている子宮内膜症。出血量の増加とひどくなる生理痛が主な症状です。放っておくと不妊の原因になりますので、一度婦人科を受診するといいでしょう。
子宮筋腫では子宮の内側にできる筋腫の場合にこの傾向が強くなります。筋腫によって子宮の表面が大きくなり、生理時にはがれ落ちる子宮内膜が多くなるため、結果的に経血量が増えてしまいます。
また、経血を排出するための子宮収縮がうまくいかないため、生理日数が長くなることもあります。
30代、40代で以前よりこういった傾向が増えたら要注意です。婦人科に相談しましょう。またこの年代の女性は年に一度、子宮がん検診を受けることをおすすめします。自分の誕生月に検査をするようにすれば忘れないですよ。
また、自分では生理だと思っていても気づかないうちに妊娠して流産してしまったという場合もあります。いつもより出血量が多くいつまでも続き、さらに強い痛みを伴う場合はきちんと受診しましょう。
子宮筋腫や子宮腺筋症の可能性があります!
通常の経血はサラサラの状態です。これは経血の中に含まれている酵素によって血液が固まるのを防いでくれるためです。ところが、あまりにも出血量が多いとこの酵素の働きが追い付かず、固まってレバー状になってしまうのです。
子宮筋腫や子宮腺筋症があると子宮自体が大きくなるため、はがれ落ちる内膜の量も多くなります。経血に血のかたまりが混じっていたら、要注意です。
無排卵月経(生理があるのに排卵がない)の可能性があります!
排卵がないと受精卵のベッドの役割を果たす子宮内膜が十分に作られないため、結果として経血量が減るということになります。しかし生理を起させるホルモンが機能しているため、少量ずつ出血だけがダラダラと続くことになるのです。
無排卵かどうかは基礎体温をつけてみるのも目安になります。毎朝ベッドから起き上がる前に体温を測ってグラフにします。正常であればグラフは排卵日を境に低温期と高温期の二層に分かれます。
排卵がなければ当然妊娠できません。将来妊娠を希望しているのであれば早めに受診しましょう。
着床出血の可能性も考えられます!
これは病気ではありませんが、妊娠した場合まれに生理予定日近辺に少量の出血を見ることがあります。
受精後、受精卵は卵管から子宮へゆっくりと進み、約12日後に子宮内膜に着床すると言われています。そのときに起こる少量の出血が着床出血と言われるものです。普段よりも少量で1~2日で終わってしまったという場合、その後の様子に注意しましょう。
排卵に伴って起きる出血には問題がない場合もありますが、ホルモンバランスの乱れやクラミジアなどの感染症で起こっている場合は注意が必要です。
感染症は子宮内膜炎などを引き起こす可能性があり不妊の原因にもなります。不正出血が何カ月も続くようなら受診しましょう。
ここ最近、子宮内膜症、無排卵月経など、不妊の原因となる病気が若い女性の間でも増えています。生理なんてわずらわしいだけと思わずに、自分の体の声に耳を傾けてみましょう。