シラン           (ラン科シラン属:多年草:草丈 〜50センチ:花期 〜6月)

薬効
鼻血(はなぢ) 火傷(やけど) ひび・あかぎれ      
           
分布生育場所

科名:ラン科/属名:シラン属
和名:紫蘭/生薬名:白芨(びゅくきゅう)/学名:Bletilla striata
本州の中部以西、四国、九州の日の当たる草地、湿原、崖などに自生。また、栽培もされます

新潟駅南口のシラン、の近道です

見分け方・特徴

シランは、地下には少し偏平な形をした仮鱗茎があって、1年ごとに1球づつ増えていきます。
球の茎は2〜4センチで、その球から根が出ています。茎は真っ直ぐのびています。
葉は4〜5枚が根生しています。葉の形は広披針形で先は尖り、基部は鞘状で茎を抱き込んでいます。長さ20〜30センチ、巾3〜5センチ程で縦に平行脈が何本もあり、葉縁は全縁です。
花は茎頂に6〜7個紫色の総状花序をつくります。花の径は約3センチ、花被片5は半開していて、形は狭楕円形で長さ2.5〜3センチ、巾6〜8ミリで先は尖っています。唇弁はやや色が淡く、3浅裂して、ふちは内側にまがり込んで、ずい柱(ラン科植物で花柱に相当する器官)を抱え込んでいます。
採集と調整
シランの、鱗茎(りんけい・白きゅう)を8〜11月頃に掘り採り、茎、ひげ根を除き、水洗いした後、蒸してから外皮をはいで、天日で乾燥させます。
これを生薬(しょうやく)で、白芨(びゅくきゅう)と呼びます。かむとやや苦い味がします。
薬効・用い方
白岌(びゅくきゅう)には、粘液質が多く皮膚や粘膜を保護する作用があり、保護により痛みを止めたり、はれを治すことになります。また、内外出血にも止血作用があり、喀血、止血、鼻血、胃、腸の穿孔にも用いらています。
出血には1日量3〜10グラムを、水0.4リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めてこしたもの、又は粉末を1日3回食間に服用します。
外用には、火傷には粉末を油、あかぎれには水で練って塗ります、肌に使用する場合にはパッチテストを必ずしてください

胃潰瘍による出血には、白きゅう(びゅくきゅう)を配合した潰瘍出血湯を用います。白きゅう12グラム、白芍(びゃくやく)9グラム、陣棕炭(じんそうたん)9グラム、当帰炭(とうきたん)9グラム、阿膠9グラム、党参(とうじん)9グラム、黄耆(おうぎ)12グラムとなって
習慣上、白岌(びゅくきゅう)には鳥頭(うづ)や附子(ぶし)とは配合しません。

中国では、気管支拡張症で咳嗽(がいそう)や血痰を伴う場合には、粉末を1日3回3グラムまでを服用します。
その他
中部以西の湿原、崖などに自生する地上性蘭の一種で地下には仮鱗形(かりんけい)があり、1年ごとに1球ずつ増えます。

シランの名前の由来は、花の色から、紫色の蘭(らん)ということから、紫蘭(しらん)と呼ばれています。

庭園には観賞のために植栽されます。日本には古くから栽培されていて、シロバナシラン、フィリシランがあります。