ウラジロガシ         (ブナ科コナラ属:常緑性高木:樹高 〜20メートル:花期 〜5月 )

薬効
膀胱結石、尿路結石 胆石、胆のう疾患 腎石      
           
分布生育場所

科名:ブナ科属名:コナラ属
和名:裏白樫/学名:Quercus salicina
新潟県と宮城県を結ぶ線より南の地域、四国、九州の山中に自生。
日本一のウラジロガシが神奈川県城山町(2004/01/25)で発見されました

ブナ科コナラ属コナラ(小楢)
ブナ科コナラ属ミヤマナラ(深山楢)
ブナ科コナラ属アベマキ(d)
ブナ科コナラ属カシワ(槲)

見分け方・特徴

ウラジロガシは、常緑の葉の広い高木で、枝はよく分岐します。葉は互生して、薄い革質、形は披針形から狭い楕円形になっています。
先はやや長い尾状になっていて、初めは全面に淡黄褐色の軟毛が密生していますが、成葉になると上面は毛がなくなり、光沢が出てきます。
葉の裏側は粉白色でわずかに伏毛があり、側脈は10〜13対あり、主脈はへこみ、葉縁は鋸歯状になっています。
花は5月頃、新枝の基部にひも状の雄花穂を垂れ下げ、上部の葉の付け根に短い雌花穂をつけます。
果実は、10〜20ミリの長い楕円形の卵形です。

カシの仲間にはアカガシ、ツクバネガシ、イチイガシ、シラカシ、ウバメカシ、アラカシなどがあります。シラカシとウラジロガシはよく間違われますが、葉の主脈がへこみ入し、鋸歯や歯先が鋭く尖っていることで区別できます。
採集と調整
ウラジロガシは、葉や小枝をとり、刻んで天日で干して乾燥させます。常緑ですから必要時に採取することができます。
薬効・用い方
ウラジロガシは日本民間薬の代表の一つで、結石症に用いられることが実際に臨床により証明されたものです。
尿路結石をおとすには、細かく刻んだもの50〜70グラムを1日量として0.6〜1リットルの水を加えて、煎じながら約半量になるまで、煮詰めたものをこして、1日数回に分けて服用します。
腎石や胆石などには50〜60グラムに連銭草(カキドオシ)を半量加えて、約1リットルの水で煎じ、約半量まで煮詰めたものを、1日数回に分けて服用します。

裏山などに、ウラジロガシの木があれば、小枝ごと採取して陰干ししてよく乾燥させます。
紅茶風の味で、利尿にもよくレモンやハチミツをいれても良く、「石」にお悩みの方には便利な薬草です。

ウラジロガシ茶:1日量は乾燥葉を約20グラムをティーパックに入れて、水約2リットルを一度沸騰してから、10〜20分細火で煮出して、4分の3程度量で味も色も紅茶のようになります。
目安は、市販のウーロン茶程度の色・味を目安にします。お茶がわりにしても、冷やしても飲めます。レモンやハチミツを入れても美味しく飲めますので、石でお悩みの方の予防には便利なものです。
その他
四国の徳島県地方で早くから、ウラジロガシの葉や小枝が胆石、腎石、尿路結石症などの民間治療薬に用いられてきたことが1966年に学会に発表されてから著名な薬草の位置を確保したといえます。
したがって、日本固有の民間薬であり、胆石症と腎石症に用いて結石の形成の抑制および結石寫解作用があるとされています。
また、ウラジロエキスは、病院でも使用されています。

ウラジロガシは、日本で古来から「体の石を追い出す」といわれていて、胆石、腎石は一度体内にできると、ほとんどが手術をしなければ除去はできないといわれています。
その「石もち」の人達に朗報になるのが、このウラジロガシです。
名前のとうり、葉の裏が白いから「ウラジロガシ」といわれています。
ウラジロガシの葉の、成分はフラボン、タンニン性物質類、脂肪酸、トリテルペンなどが抽出確認されています。
ウラジロガシは、難波恒雄「原色和漢薬図鑑」によると「コレステロールおよびステアリン酸カルシウムからなる結石は、(ウラジロガシの)葉および小枝の10パーセント水浸エキス中に浸しておくことにより脆弱(ぜいじゃく)となる」また「ビリルビン酸カルシウムおよびステアリン酸カルシウムからなる結石は、同様の処理により50〜90パーセント溶解し、完全溶解するのもある」という記述があります。また、各種の実験でもウラジロガシ茶の成分、カテコナール・タンニンがカルシウムを、よく溶かすことが確認されています。

民間薬:民間薬とは、日本で文字の無いような古くから伝わり生活の中に溶け込み、自然と伝えられてきたもので、その用い方も、経験や体験などから言い伝えられてきました。
民間薬は、多くは単一で用いますが古くから伝わる胃腸病の妙薬として知られている「陀羅尼助(だらにすけ)」や「お百草」、「御獄(おんたけ)山の百草」のように調合して用いる場合もあります。
民間は一般的に用いるので、まず、安全で副作用が無いことが一番の条件になります。
民間薬として、センブリドクダミゲンノショウコキササゲカキドオシタラノキウラジロガシがよく知られています。