ST40.豊隆(ほうりゅう)

取穴部位:外果の上8寸、条口穴の外方に一筋へだてた陥凹部

要穴:絡穴

筋肉:前脛骨筋長趾伸筋

運動神経:深腓骨神経

知覚神経:外側腓腹皮神経

血管:前脛骨動脈

T40.豊隆(ほうりゅう)

外果の上8寸、条口穴の外方に一筋へだてた陥凹部に取る。

 

解剖学的データ

筋肉

前脛骨筋

脛骨外側面、骨間膜および下腿筋膜から起こり、内側楔状骨と第1中足骨の足底面で停止する筋肉。主に足関節の背屈や内反、足底の内側アーチを維持する働きがある。

長趾伸筋

腓骨内側面・脛骨外側顆・下腿骨間膜から起こり、第2~5趾の指背腱膜に移行して中節骨・末節骨に呈してる筋肉。主に第2~5趾を伸展させ、足を背屈・外反させる作用がある。

運動神経

深腓骨神経‐筋枝

総腓骨神経から起こり、前脛骨動脈と伴行しながら下腿の前面を下行する神経。深腓骨神経からは、前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・第三腓腹筋を支配する筋枝、短趾伸筋・短母趾伸筋を支配する外側踵骨枝、母趾と第2趾の間の知覚を司る内側枝(足背趾神経)が分岐する。

知覚神経

外側腓腹皮神経

膝窩で総腓骨神経から分岐して下に走り、下腿に至ってから前・後の2つに分岐する神経。 前枝は下腿外側面の皮下を下に走り、 後枝は下腿中央の高さで皮下に出て付近の皮膚に分布する。

血管

前脛骨動脈

膝窩動脈から起こり、下腿前面で前脛骨筋の深部を下行する動脈。主に膝や下腿前面、足関節を栄養する。

主治・対象疾患

下腿外側痛

下腿外側の知覚障害

下腿の運動障害

片麻痺

腹部の脹り

腹痛

腹鳴

下痢

便秘

頭痛

高血圧

脚気

認知症

不妊症

食欲不振

てんかん

自律神経失調症

ヒステリー

アレルギー

 

 

 

ST40)豊隆(feng1long2)(ほうりゅう)

【取穴】

下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上八寸。

※ST38)条口の外方1横指(中指)にある。

・筋肉:前脛骨筋・長趾伸筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経の枝)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

「豊隆=豊富・盛ん」。本穴部位が筋肉豊かで盛り上がっている事から。(「豊隆=雷神」を指すことも)

【要穴】

『足陽明絡穴/踝から八寸、別れて太陰経に行き、その別枝は脛外側を循り上りて頭項を絡して諸経之気を合し、下りて咽喉を絡す』

『根結:足陽明之入』

※「別れて太陽へ走る」とも。

【作用】

〔瀉〕去痰平喘・去痰降逆・疏経活絡

【絡脈主治:脛街/血海の病】表裏(足太陰経)にまたがる症状・足陽明絡脈の瘀血痰飲証

〔補〕下肢の筋力低下・足腰の冷え、むくみなど

〔瀉〕注意欠陥多動性障害、統合失調症・てんかん、小児マヒ〔繆刺法…反対側を瀉血〕・喉痛・めまい・後頭部痛・どもり・喘息〔3分深刺〕・梅核気・甲状腺腫・胸苦しさ・動悸・胸腹部の鋭い痛みなど

【弁証主治】

◆足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばりなど

【弁証配穴】

『原絡配穴(脾⇒胃):太白+豊隆』…脾所生病

【主症配穴】

+強間…頭痛・めまい

+尺澤…喀痰〔瀉法〕

+中脘…蕁麻疹〔瀉法〕