ST31.髀関(ひかん)

取穴部位:上前腸骨棘の下方、縫工筋大腿筋膜張筋の間、陥凹部

筋肉:大腿直筋縫工筋大腿筋膜張筋

運動神経:大腿神経上殿神経

知覚神経:外側大腿皮神経

血管:外側大腿回旋動脈

ST31 髀関(ひかん)

髀関(ひかん)

場所

大腿外側で足の鼠蹊部から2寸ほど(5cmくらい)下がったところにあるツボになります。ふともものつけ根のシワのいちばん端から、手横幅3本分斜め下に下がった所にあります。大腿直筋上部の陥凹部です。

効能

胃経の重要なツボになっており、刺激することで気血の働きが高まるので、膝の外側の動脈の流れも回復し、痛みが和らぐということです。また、太ももの冷え・大腿の冷えにも効果があります。クーラー病 冷房病などの現代人の方の悩みにも効果が期待できます。暑くなる夏に、太もも・大腿・下腿などの足脚が、重い、だるいなどの症状で困ってっらっしゃる方は試してみ下さい。他にも 婦人科疾患よる冷え・痛み・こり・違和感などにも効果があります。たとえば、足(脚)が冷える、生理痛、腰痛、足(脚)の痛みなどになります。

押し方

正座、もしくは椅子に座って太ももをつかんで、親指の腹をツボに当てて2秒~3秒かけて押してゆき、3秒~5秒押した状態を保ち、2秒~3秒かけてゆっくり力をゆるめる緩圧法を用いりましょう。これを35分行ってください。

関連カテゴリー

【位置】大腿部全面、3筋(大腿直筋と縫工筋と大腿筋膜張筋)の近位部の間の陥凹部。
※股関節と膝をわずかに屈曲し、大腿をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜張筋の間の陥凹部にある。髀関(ST31)は、三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分にある。
※膝蓋骨骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線が、恥骨結合下縁の水平線と交わるところにある。

【主治】下肢の麻痺・委縮、腰痛、股関節痛、股関節の屈伸困難。

【操作】ツボを押しながら、気持ちいいと感じるまで。鍼は直刺で0.6~1寸。灸も可。




解剖学的データ

筋肉

大腿直筋

大腿四頭筋の1つで、下前腸骨棘から起こり、脛骨粗面に停止する筋肉。主に股関節を屈曲、膝関節を伸展させる働きがある

大腿筋膜張筋

上前腸骨棘から起こり、大転子の下方で脛骨外側顆に停止する筋肉。主に股関節を屈曲、膝関節を伸展させる働きがある。

縫工筋

上前腸骨棘から起こり、半腱様筋・薄筋とともに鵞足を構成して脛骨粗面内側部に停止する筋肉。主に股関節を屈曲・外転・外旋、膝関節を屈曲・内旋させる働きがある。

運動神経

大腿神経‐筋枝

腰神経叢の第1~第4腰神経から起こる神経。大腿神経は、大腿四頭筋・大腰筋・縫工筋・恥骨筋などの筋肉を支配する筋枝、大腿前面の皮膚の知覚を司る前皮枝、股関節や膝関節の知覚を司る関節枝、膝関節下部~下腿内側の知覚を司る伏在神経に分かれる。。

上殿神経

仙骨神経叢の第4・第5腰神経、第1仙骨神経から起こり、大坐骨孔から骨盤を出て臀部へ向かう神経。主に中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋を支配している。

知覚神経

外側大腿皮神経

第2、第3腰椎から出て前方へ向かい、腰の部位で急激に曲がって鼠径部の辺りから皮膚の下に出て、大腿の前面と外側の皮膚に分布する神経。

血管

外側大腿回旋動脈

外腸骨動脈から分岐した貫通動脈からすぐ分岐する動脈で、大腿骨頭や大腿上部前外側の栄養などを担っている。

主治・対象疾患

股関節痛

股関節の運動障害

大腿前面痛

大腿前面の知覚障害

大腿の運動障害

下腿の運動障害

片麻痺

膝関節前面の知覚障害

膝関節内側の知覚障害

膝関節痛

膝関節の運動障害

脳性麻痺

脚気

腰痛

脳出血

脳梗塞

ST31)髀関bi4guan1)(ひかん)

【取穴】

大腿前面、3筋(大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋)の近位部の間の陥凹部。

※股関節と膝をわずかに屈曲し、大腿をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角形の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜張筋の陥凹部にある。ST31)髀関は、三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分にある。

※膝蓋骨外側端と上前腸骨棘を結ぶ線が、恥骨結合下縁の水平線と交わるところにある。

【名の由来】

「髀=大腿骨」。本穴が股関節に位置する事から。

【交会】

・経筋:足陽明経筋の結する処(髀枢)

・経別:第三合(髀)(足陽明の入る処、足太陰の合す処)

【作用】

〔補〕強壮腰膝

〔瀉〕疏筋活絡

【弁証主治】

胃-脾病

婦人科疾患・貧血、血液疾患・胃腸虚弱、消化器症状・脈浮緩など

足陽明経(筋)病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・耳疾患・顔面神経マヒ・頬~鎖骨窩の痙攣・腹筋の緊張・疝痛、股関節の炎症・下肢痛、こわばり、マヒなど