生薬詳細

生薬名

トコン

生薬英名

Ipecacuanha

生薬ラテン名

IPECACUANHAE RADIX

生薬和名

吐根

基原植物

Cephaelis ipecacuanha (Brot.) A. Rich.(トコン) 植物詳細

植物名

トコン

ラテン名

Cephaelis ipecacuanha (Brot.) A. Rich.

科名

Rubiaceae

和科名

アカネ科

一般名

トコン

一般英名

Ipecac

品種等

分類

草本性の小低木

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/WHOLE_PHOTO_DATA/WHOLE_PHOTO_FILE/thumbnail/72.jpg

形態的特徴

草本性の小低木で横走する茎に輪節状の貯蔵根を付ける.直立茎は3060cm,葉は対生し,倒卵状楕円形,長さ59cm,短柄,先端が細裂した小さい托葉を一対伴う.茎頂部の葉腋から花柄をだし,頭状に1012個の白色合弁花を付ける.

生態的特徴

ブラジル原産,高温多湿の密林中に自生する草本性の小低木.高温多湿保てば栽培は容易で,繁殖は挿し木による.産地はブラジル,ベネズエラ,エルサルバドル.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

寒さの区分

VI

日照条件

I

暖かさの区分

170以上

土壌分類

IV

土壌適正

腐植質に富み排水良好で肥沃な土壌の陰地に適する.

遮光

必要

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/saibai_kubun.jpg

写真ライブラリー

写真ライブラリー

写真ライブラリー(Cephaelis ipecacuanha (Brot.) A. Rich.(トコン))

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トコン葉(筑波)06.1.30

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098-05 トコン花05.9.20種子島

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萌芽期

筑波研究部温室

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生育期

筑波研究部温室

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筑波研究部温室

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筑波研究部温室

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生薬

吐根(コスタリカ Lot. No. 90-18122000年)

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif


Itoh, A. et al., Six tetrahydroisoquinoline-monoterpene glucosides from Cephaelis ipecacuanha. Phytochemistry (1991), 30(9), 3117-23.
Itoh, A. et al., Neoipecoside and 7-methylneoipecoside, new unusually-cyclized tetrahydroisoquinoline-monoterpene glucosides from Cephaelis ipecacuanha. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1989), 37(4), 1137-9.
Berrens, L. et al., Identification of the allergen in ipecacuanha. Biochimica et Biophysica Acta (1962), 63, 559-61.

生薬名

トコン

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1979

種子島研究部

0513-79TN (IZ)

1982

筑波研究部

0949-82TS

1987

種子島研究部

0020-87TN

1993

北海道研究部

13564-93HK

1994

種子島研究部

0064-94TN

部位

根および根茎

局方収載

食薬区分

専ら医薬品

生薬成分

総アルカロイド(エメチンおよびセファエリン)2.0%以上を含む:emetine70%),cephaelinepsychotrine0-methylpsychotrineipecosideprotemetineemetamine など

成分(化合物)

性状

円柱状で,多くはねじれて屈折しときには分枝する.長さ315cm,径約5mm.外面は暗灰褐色で,皮部は環状または半環状に肥厚し,輪節状となり,部分的にやや平滑である.折ると皮部は灰褐色,木部は淡褐色,皮部の厚さは肥厚部では直径の約2/3に達し,平滑部では薄い.わずかににおいがあり,その粉末は鼻粘膜を刺激し,味はわずかに苦い.

用途

去痰,催吐,アメーバー赤痢治療

調製法

3年生以上の株の根を掘り上げ,水洗後陽乾.密閉した容器に入れ乾燥した場所に保管する.

エキス収率

文献情報

処方

トコン末,トコンシロップ       エチメン(抗原虫薬)製造原料

モデル試料  

遺伝子情報  

日本薬局方情報

定量法 定量法詳細

生薬名

トコン

試験名称

定量法

分析条件

本品の粉末約0.5gを精密に量り,共栓遠心沈殿管に入れ,0.01mol/L塩酸試液30mLを加え,15分間振り混ぜ,遠心分離し,上澄液を分取する.残留物は0.01mol/L塩酸試液30mLずつを用いて,更にこの操作を2回行う.全抽出液を合わせ,0.01mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとし,試料溶液とする.別に定量用エメチン塩酸塩をデシケーター(減圧・0.67kPa以下,酸化リン()50)5時間乾燥し,その約10mgを精密に量り,0.01mol/L塩酸試液に溶かして正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行う.試料溶液のエメチン及びセファエリンのピーク面積ATE及びATC並びに標準溶液のエメチンのピーク面積ASEを測定する.
総アルカロイド(エメチン及びセファエリン)の量(mg)
MS × {ATE(ATC×0.971)}ASE × 0.868
MS
:定量用エメチン塩酸塩の秤取量(mg)
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:283nm)
カラム:内径46mm,長さ1025cmのステンレス管に510μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:50℃付近の一定温度
移動相:1-ヘプタンスルホン酸ナトリウム2.0gを水500mLに溶かし,酢酸(100)を加えてpH4.0に調整した後,メタノール500mLを加える.
流量:エメチンの保持時間が約14分になるように調整する.
カラムの選定:定量用エメチン塩酸塩及びセファエリン臭化水素酸塩1mgずつを0.01mol/L塩酸試液に溶かして10mLとする.この液につき,上記の条件で操作するとき,セファエリン,エメチンの順に溶出し,それぞれのピークが完全に分離するものを用いる.
試験の再現性:上記の条件で標準溶液につき,試験を6回繰り返すとき,エメチンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.

備考

確認試験法 各種試験法詳細

生薬名

トコン

試験名称

確認試験法

分析条件

本品の粉末0.5gに塩酸2.5mLを加え,時々振り混ぜ1時間放置した後,ろ過する.ろ液を蒸発皿にとり,サラシ粉の小粒を加えるとき,その周辺は赤色を呈する.

備考

確認試験法(TLC)

乾燥減量 各種試験法詳細

生薬名

トコン

試験名称

乾燥減量

分析条件

乾燥減量〈5.01〉 12.0%以下(6時間)

備考

灰分 各種試験法詳細

生薬名

トコン

試験名称

灰分

分析条件

灰分〈5.01〉 5.0%以下.

備考

酸不溶性灰分 各種試験法詳細

生薬名

トコン

試験名称

酸不溶性灰分

分析条件

酸不溶性灰分〈5.01〉 2.0%以下.

備考

エキス含量

精油含量

純度試験 各種試験法詳細

生薬名

トコン

試験名称

純度試験

分析条件

ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5ppm以下)

備考

その他

NMR情報  

漢方処方情報

生物活性情報