生薬詳細

生薬名

ジュウヤク

生薬英名

Houttuynia Herb

生薬ラテン名

HOUTTUYNIAE HERBA

生薬和名

十薬(重薬)

基原植物

Houttuynia cordata Thunb.(ドクダミ) 植物詳細

植物名

ドクダミ

ラテン名

Houttuynia cordata Thunb.

科名

Saururaceae

和科名

ドクダミ科

一般名

ジュウヤク

一般英名

Chinese lizard tail, Fish mint

品種等

分類

夏緑性多年性草本

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/WHOLE_PHOTO_DATA/WHOLE_PHOTO_FILE/thumbnail/74.jpg

形態的特徴

高さ2080cm.地下茎(根茎)は白色の円柱形で横に這い,節部から細根を出す.葉は長柄を有し,葉身は広卵状心臓形,基部は心形,鋭先頭,長さ3~8cm,全縁,上面は青味を帯びた暗緑色,下面は白緑色,互生,茎とともにしばしば紅紫色を帯びる.托葉は鈍頭,葉柄下部に合着.花は穂状花序で頂生または腋生,花序は長さ1~3cm,無花被の多数の小花で形成,下部に花弁状の長さ約2cmの白色の総苞片を通常4枚つける.果実は蒴果でやや球形.

生態的特徴

東アジアを中心にヒマラヤ,東南アジアまで分布.日本では東北~九州,沖縄の低地のやや湿った場所に普通に見られる多年草.株全体に特有のにおいを有す.花期は晩春~初夏.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-021.gif

寒さの区分

Ⅱ~Ⅵ

日照条件

Ⅱ~Ⅴ

暖かさの区分

65以上

土壌分類

Ⅰ~Ⅳ

土壌適正

湿潤な場所に適するが,停滞水は好ましくない.砂壌土~埴壌土に適する.肥沃地に適する.

遮光

40%程度の遮光が適する.

画像

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写真ライブラリー

写真ライブラリー写真ライブラリー(Houttuynia cordata Thunb.(ドクダミ))

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全体

筑波研究部

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全体

筑波研究部

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筑波研究部

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種根茎

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出芽

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収穫物

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生薬

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-021.gif


Kawamura, T. et al., Pharmacognostical studies of Houttuyniae Herba. (1). Flavonoid glycosides contents of Houttuynia cordata Thunb. Natural Medicines (1994), 48(3), 208-12.
Jong, T. et al., Constituents of Houttuyniae cordata and the crystal structure of vomifoliol. Journal of the Chinese Chemical Society (1993), 40(4), 399-402.
Jong, T. et al., Alkaloids from Houttuyniae cordata. Journal of the Chinese Chemical Society (1993), 40(3), 301-3.
Liu, Y.-L. et al., Study on the chemical constituents of the essential oil from Houttuynia cordata Thunb. Zhiwu Xuebao (1979), 21(3), 244-9.
Takagi, S. et al., On the constituents of the terrestrial part of Houttuynia cordata Thunb. Shoyakugaku Zasshi (1978), 32(2), 123-5.
Kameoka, H. et al., Constituents of the essential oil from Houttuynia cordata. Nippon Kagaku Kaishi (1972), (6), 1157-60.
Nakamura, H. et al., The constituents of diuretic drugs. II. The flavonol glucoside of Houttuynia cordata Thunb. Yakugaku Zasshi (1936), 56, 68.

生薬名

ジュウヤク

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

栽培情報 植物体栽培及び植物の効率的生産法

植物名

ドクダミ

ラテン名

Houttuynia cordata Thunb.

種苗および品種

栽培品種・系統はなく、野生種が栽培されている。

繁殖

根茎による栄養繁殖を行う。

栽培適性

アジア南東部にも自生があり、また欧米では園芸植物としての栽培がみられるように広い地域での栽培が可能であるが、生育期間の長い温暖な地域での栽培が有利である。

播種,定植および育苗

根茎を用いる。約5 cmの長さで23節以上であれば良いが、活着率を考えると節数が多く、太いものが好ましい。  植え付けは、年間を通じて可能であるが、秋または早春に行う。畝幅約120 cm に、23条で株間3040 cmの千鳥植えとし、1箇所に23本の根茎を植え付け、35 cm覆土した後、鎮圧する。植え付け後、土壌の乾燥や雑草防除のため、堆厩肥や藁などを散布すると良い。乾燥気味の場合は灌水する。2年目以降は毎年収穫が可能であるが、45年目には過繁茂状態となり、生育不良となるため、適宜間引いて栽植密度を調節する。

肥料

管理

乾燥及び直射光による葉やけを防ぐため、5月下旬から9月中旬まで遮光率40%程度の遮光を行う。12年目は除草に努め、特に多年生の雑草には注意する。

病害虫駆除

夏期に立枯れの発生をみることがある。生育期間中の水不足は、生育障害の原因になり、減収や品質の低下を招く。

収穫・調製

収穫の適期は開花期であるが、開花の後期では下葉の枯れ上がりなどにより、減収や品質の低下を招くため、早い時期に収穫するのが望ましい。地上部を収穫した後、うすく広げて陽乾する。茎葉が重なっていると蒸れやカビのため変質するので注意する。

収量

乾燥品の収量は、23年目で10 a当たり450500 kg である。

参考情報(生物活性)

参考情報(生物活性)ファイル

特性分類表 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-021.gif

栽培暦 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-021.gif

栽培方法関連データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培方法関連写真データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

種子発芽情報データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

備考

備考ファイル

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1964

北海道研究部

1390-64HK

1979

筑波研究部

0453-79TS

1992

種子島研究部

0073-92TN

2005

北海道研究部

15184-05HK

場内自生種

種子島研究部

0000-NGTN

部位

花期の地上部

局方収載

食薬区分

非医

生薬成分

フラボノイド:quercitrinisoquercitrinafzeri.   芳香族アルデヒド:decanoylacetaldehydelaurilaldehyde. カリウム塩.

成分(化合物)

性状

茎に互生した葉及び花穂からなり,茎は淡褐色を呈し,縦みぞと隆起する節がある.水に浸してしわをのばすと,葉は広卵状心臓形で,長さ3~8cm,幅3~6cm ,淡緑褐色を呈し,全縁で,先端は鋭くとがる.葉柄は長く,基部に膜質のたく葉が付いている.花穂は1~3cm ,淡黄褐色で無花被の多数の小形の花を付け,その基部に長卵円形の淡黄色~淡黄褐色の総苞4枚がある.わずかににおいがあり,味はない.

用途

ほとんど民間的に使用される.乾燥物は緩下剤,利尿剤として煎用され,生植物またはあぶったものは,膿瘍,創傷などに用いる.

調製法

開花期に収穫するが,減収・品質低下を避けるため,開花初期に収穫するのが望ましい.地上部を収穫し,蒸れないように広げて乾燥する.

エキス収率

文献情報

処方

五物解毒散

モデル試料  

遺伝子情報  

日本薬局方情報

定量法

確認試験法 各種試験法詳細

生薬名

ジュウヤク

試験名称

確認試験法

分析条件

本品の粉末2gに酢酸エチル20mLを加え,還流冷却器を付け,水浴上で15分間煮沸した後,ろ過する.ろ液を蒸発乾固し,残留物に水10mLを加え,水浴上で2分間加熱し,冷後,ろ過する.ろ液を分液漏斗にとり,酢酸エチル20mLを加え,よく振り混ぜた後,酢酸エチル液15mLを分取し,水浴上で蒸発乾固する.残留物をメタノール5mLに溶かし,リボン状のマグネシウム0.1g及び塩酸1mLを加えて放置するとき,液は淡赤色~赤色を呈する.

備考

確認試験法(TLC)

乾燥減量

灰分 各種試験法詳細

生薬名

ジュウヤク

試験名称

灰分

分析条件

灰分〈5.01〉 14.0%以下.

備考

酸不溶性灰分 各種試験法詳細

生薬名

ジュウヤク

試験名称

酸不溶性灰分

分析条件

酸不溶性灰分〈5.01〉 3.0%以下.

備考

エキス含量 各種試験法詳細

生薬名

ジュウヤク

試験名称

エキス含量

分析条件

エキス含量〈5.01〉 希エタノールエキス 10.0%以上.

備考

精油含量

純度試験 各種試験法詳細

生薬名

ジュウヤク

試験名称

純度試験

分析条件

異物〈5.01〉 本品は根茎,根及びその他の異物2.0%以上を含まない.

備考

その他

NMR情報  

漢方処方情報

生物活性情報