生薬詳細

生薬名

ニガキ

生薬英名

Picrasma Wood

生薬ラテン名

PICRASMAE LIGNUM

生薬和名

苦木

基原植物

Picrasma quassioides (D. Don) Benn.(ニガキ) 植物詳細

植物名

ニガキ

ラテン名

Picrasma quassioides (D. Don) Benn.

科名

Simaroubaceae

和科名

ニガキ科

一般名

ニガキ

一般英名

Quassia wood

品種等

分類

落葉樹

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/WHOLE_PHOTO_DATA/WHOLE_PHOTO_FILE/thumbnail/76.jpg

形態的特徴

雌雄異株の落葉生の高さ10mに達する小高木.樹皮は平滑で暗褐色~紫黒色,幼枝は赤褐色で細点状の皮目がある.冬芽は裸芽で,紅褐色の細毛が密生.葉は奇数羽状複葉で互生し,小葉は9~13枚あり,長さ4~10cm,卵状披針形~広卵形で鋭尖頭,基部は左右不等の広い楔形で鈍鋸歯縁.晩春~初夏,葉脇から集散花序に黄緑色の小花をつける.雄花は,雄しべが4~5本で花盤の基部についている.雌花は雄花より小さく,4~5裂した子房と4~5本の不完全な雄しべがあり,中央に先が4~5裂した1本の花柱がある.果実は核果で,広楕円形の2~5個の分果からなり,長さ約7mm,晩夏~初秋,緑黒色に熟す.

生態的特徴

北海道~九州,朝鮮半島・中国~ヒマラヤの山野に広くに分布.全体に苦味を有す.晩春~初夏,黄緑色の小花をつける.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

寒さの区分

Ⅰ以上

日照条件

Ⅱ以上

暖かさの区分

45以上

土壌分類

Ⅰ~Ⅳ

土壌適正

排水が良い適湿地が好ましい.砂壌土~埴壌土に適する.肥沃地に適する.

遮光

不要

画像

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写真ライブラリー

写真ライブラリー写真ライブラリー(Picrasma quassioides (D. Don) Benn.(ニガキ))

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099-08 ニガキ生薬(00.8採取)06.1.27種子島

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ニガキ種子

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ニガキ葉

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ニガキ雌花

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ニガキ雄花

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ニガキ果実

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif


Liu, J. et al., Isolation of 4-hydroxy-5-methoxycanthin-6-one from Picrasma quassioides and revision of a previously reported structure. Liebigs Annalen der Chemie (1992), (9), 987-8.
Ohmoto, T. et al., Studies on the constituents of Picrasma quassioides Bennet. III. The alkaloidal constituents. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1984), 32(9), 3579-83.
Ohmoto, T. et al., Studies on the constituents of Picrasma quassioides Bennet. II. On the alkaloidal constituents. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1983), 31(9), 3198-204.
Ohmoto, T. et al., Studies on the constituents of Picrasma quassioides Bennet. I. On the alkaloidal constituents. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1982), 30(4), 1204-9.
Hikino, H. et al., Stereostructure of picrasin C, simaroubolide of Picrasma quassioides. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (1971), 19(10), 2211-12.

生薬名

ニガキ

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1979

筑波研究部

0054-79TS

1992

北海道研究部

13256-92HK

部位

樹皮を除いた木部

局方収載

食薬区分

専ら医薬品

生薬成分

苦味質:quassinnigakiractone類,nigakihemiacetal類等.    アルカロイド:nigakinonemethylnigakinone等.

成分(化合物)

性状

淡黄色の切片,削片または短い木片で,横切面には明らかな年輪及び放射状の細かい線がある.質は密である.においがなく,味は極めて苦く,残留性である.切片を鏡検するとき,放射組織は横切面では幅1~5細胞列,縦断面では高さ5~50細胞層からなる.道管は春材では径約150μmに達するが,秋材ではその1/5に過ぎない.いずれも単独又は数個連接して木部柔組織中に存在する.木部柔組織は著しく厚化している.放射組織及び木部柔細胞にはシュウ酸カルシウムの集晶又はでんぷん粒を含む.道管にはしばしば鮮黄色又は赤褐色の樹脂状物質を含む.

用途

苦味健胃

調製法

6~8月に採取し,樹皮を除去し,適当な大きさに切り,輪切りまたは縦割りにし,陽乾する.

エキス収率

文献情報

処方

漢方処方にはない.苦味チンキや家庭薬の原料とする.

モデル試料  

遺伝子情報  

日本薬局方情報

定量法

確認試験法

確認試験法(TLC)

乾燥減量

灰分 各種試験法詳細

生薬名

ニガキ

試験名称

灰分

分析条件

灰分〈5.01〉 4.0%以下.

備考

酸不溶性灰分

エキス含量

精油含量

純度試験 各種試験法詳細

生薬名

ニガキ

試験名称

純度試験

分析条件

純度試験 異物〈5.01〉 本品は異物1.0%以上を含まない.

備考

 

その他

NMR情報  

漢方処方情報

生物活性情報