生薬名

ウヤク

 

生薬英名

Lindera Root

 

生薬ラテン名

LINDERAE RADIX

 

生薬和名

烏薬

 

基原植物

Lindera strychnifolia (Siebold et Zucc.) F. Vill.(テンダイウヤク)

 

部位

 

局方収載

 

食薬区分

専ら医薬品(葉・実は非医)

 

生薬成分

精油:l-borneollinderanelindereneisolinderenelinderolchamazulenelinderazulene等.  アルカロイド:laurolitsine等.

 

成分(化合物)

 

性状

紡錘形又はところどころくびれた連珠状を呈し,長さ1015cm,径1~1.5cmである.外面は黄褐色~褐色を呈し,わずかに細根の跡がある.横断面の皮部は褐色,木部は淡黄褐色を呈し,褐色の同心性の輪及び放射状の線がある.質は緻密で堅い.樟脳様のにおいがあり,味は苦い.横切面を鏡検するとき,コルク層の一部はコルク石細胞からなり,皮部には油細胞及び繊維を認める.

 

用途

芳香性健胃,鎮痛,鎮痙,婦人の血気,小児腹中の虫下しに応用

 

調製法

周年可能であるが,春~初夏に収穫したものが良質といわれる.掘り採った根は,ひげ根を除去した後,土砂を落とすためよく水洗し,天日乾燥する.

 

エキス収率

 

文献情報

 

処方

210処方にはない. その他の処方では烏沈散,烏薬順気丸,烏苓通気湯,行気香蘇散,香烏散,四磨湯,縮泉丸,正気天香湯,治肩背拘急方,八味疝気方.

 

モデル試料  1

 

遺伝子情報  

 

日本薬局方情報

定量法

 

確認試験法

 

確認試験法(TLC)

 

乾燥減量

 

灰分

 

酸不溶性灰分

 

エキス含量

 

精油含量

 

純度試験

 

その他

 

NMR情報  

 

漢方処方情報

 

生物活性情報

 

植物名

テンダイウヤク

 

ラテン名

Lindera strychnifolia (Siebold et Zucc.) F. Vill.

 

科名

Lauraceae

 

和科名

クスノキ科

 

一般名

(テンダイ)ウヤク

 

一般英名

Combined spicebush

 

品種等

 

分類

常緑樹

 

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/WHOLE_PHOTO_DATA/WHOLE_PHOTO_FILE/thumbnail/67.jpg

 

形態的特徴

高さ数mになる,株状の雌雄異株の常緑低木.根は一部分が球状~サツマイモ状~連珠状に肥大してやや太い.萌芽期の若い茎葉は淡褐色の軟毛を密生する.葉は互生し,革質,短柄,広楕円形~円形で長さ4~8cm,幅2~4cm,基部は広い楔形または円形,尾状鋭尖頭で鈍端,全縁,3行脈が明確で,上面は深緑色で光沢を有し,下面は粉白色で主脈に毛を残す.花は淡黄色の小花で散形花序を腋生,花被片は6個,雄花には雄しべが9個,雌花は子房上位,雌しべ1個で1室.果実は楕円形の核果,長さ7~8mm,1個の種子を内蔵し,初め緑色で秋に黒熟.

 

生態的特徴

中国中南部の原産で,日本でも暖地の林内で野生化している地域がある.根には樟脳臭がある.花期は春.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

写真ライブラリー

写真ライブラリー

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

生薬名

ウヤク

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1979

筑波研究部

0107-79TS

2002

筑波研究部

0640-02TS

 

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075-01 テンダイウヤク種子02.1.18種子島.

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075-02 テンダイウヤク1年生苗02.1.13種子島

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075-03 テンダイウヤク葉05.11.23種子島

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075-04 テンダイウヤク生育初期01.5.20種子島

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075-05 テンダイウヤク雌花00.4.8種子島

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075-05 テンダイウヤク雄花00.4.8種子島

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075-06 テンダイウヤク実02.1.18種子島

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075-07 テンダイウヤク収穫物00.11.8種子島

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075-09 テンダイウヤク乾燥中の肥大根00.11.11種子島

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075-05 テンダイウヤク生薬01.5.24種子島

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テンダイウヤク生育盛期

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テンダイウヤク果実

 

 

 

 

生薬名

ウヤク

試験名称

確認試験法(TLC)

分析条件

本品の粉末3gにヘキサン40mLを加え,還流冷却器を付け,水浴上で30分間加温する.冷後,ろ過し,残留物にアンモニア試液10mL及び酢酸エチル/ジエチルエーテル混液(11)30mLを加え,20分間激しく振り混ぜた後,遠心分離する.上澄液を分取し,無水硫酸ナトリウム10gを加えて振り混ぜた後,ろ過する.ろ液を留去し,残留物をエタノール(99.5)0.5mLに溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液20μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/アンモニア水(28)混液(1021)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,Rf0.4付近に黄褐色のスポットを認める.

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較

画像データ

生薬名

ウヤク

試験名称

確認試験法(TLC)

分析条件

本品の粉末3gにヘキサン40mLを加え,還流冷却器を付け,水浴上で30分間加温する.冷後,ろ過し,残留物にアンモニア試液10mL及び酢酸エチル/ジエチルエーテル混液(11)30mLを加え,20分間激しく振り混ぜた後,遠心分離する.上澄液を分取し,無水硫酸ナトリウム10gを加えて振り混ぜた後,ろ過する.ろ液を留去し,残留物をエタノール(99.5)0.5mLに溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液20μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次に酢酸エチル/メタノール/アンモニア水(28)混液(1021)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これにドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧するとき,Rf0.4付近に黄褐色のスポットを認める.

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較


画像データ

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/71.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Merck 社製 TLC plate7cm展開) Rf値 0.51(黄褐色) 展開時間 13 中国(2008年4月入手) 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/72.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Merck 社製 TLC plate10cm展開) Rf値 0.51(黄褐色) 展開時間 28 中国(2008年4月入手) 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/73.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Wko 社製 TLC plate7cm展開) Rf値 0.51(黄褐色) 展開時間 8 中国(2008年4月入手) 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/74.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Wako 社製 TLC plate10cm展開) Rf値 0.51(黄褐色) 展開時間 14 中国(2008年4月入手) 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/75.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

追試 Merck 社製 TLC plate7cm展開) Rf値 0.38(黄褐色) 展開時間 13 標準 ラウロリトシン(Laurolitsine 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/76.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

追試 Merck 社製 TLC plate10cm展開) Rf値 0.37(黄褐色) 展開時間 26 標準 ラウロリトシン(Laurolitsine 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



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http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/77.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

追試 Wako 社製 TLC plate7cm展開) Rf値 0.40(黄褐色) 展開時間 10 標準 ラウロリトシン(Laurolitsine 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/78.JPGモデル試料のTLC画像と比較する

備考

追試 Wako 社製 TLC plate10cm展開) Rf値 0.39(黄褐色) 展開時間 13 標準 ラウロリトシン(Laurolitsine 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)

 

 

備考

追試 Wako 社製 TLC plate10cm展開) Rf値 0.39(黄褐色) 展開時間 13 標準 ラウロリトシン(Laurolitsine 中国(2006年4月入手) 中国(2006年3月入手)

 

生薬名

ウヤク

 

試験名称

灰分

分析条件

灰分〈5.01〉 2.5%以下.

備考

生薬名

ウヤク

試験名称

エキス含量

分析条件

エキス含量〈5.01〉 希エタノールエキス 6.0%以上.

備考

生薬名

ウヤク

試験名称

純度試験

分析条件

() 重金属〈1.07〉 本品の粉末3.0gをとり,第3法により操作し,試験を行う.比較液には鉛標準液3.0mLを加える(10ppm以下)
(
) ヒ素〈1.11〉 本品の粉末0.40gをとり,第4法により検液を調製し,試験を行う(5ppm以下)

備考