生薬名

ウイキョウ

 

生薬英名

Fennel

 

生薬ラテン名

FOENICULI FRUCTUS

 

生薬和名

茴香

 

基原植物

Foeniculum vulgar Miller(ウイキョウ)

 

部位

果実(分果)

 

局方収載

 

食薬区分

非医

 

生薬成分

精油成分phenylpropanoidとして anethole, estragole monoterpeneとしてfenchone, limonene, pinene

 

成分(化合物)

 

性状

 長さ3.58 mm,幅12.5 mmで,外面は灰黄緑色〜灰黄色で,互いに密接する2個の分果の各々に5本の隆起線がある.双懸果はしばしば210 mmの果柄を付ける.  横断面を実体顕微鏡で観察するとき,横断面全体で6個,接合面に2個の油管が認められる.

 

用途

芳香性健胃,駆風,去痰,利尿薬.  香味料. 漢方では理気、止痛薬として配合

 

調製法

1年目では10月中旬〜下旬,2年目以降は8月下旬〜9月中旬から,緑色の果実が成熟し,黄緑色に変わり始めた頃に順次採取する.採取した果実は天日乾燥するか風通しの良い日陰で速やかに乾燥する.

 

エキス収率

 

文献情報

 

処方

安中散,丁香柿蒂湯,神効湯

 

モデル試料  1

 

遺伝子情報  

 

日本薬局方情報

定量法

 

確認試験法

 

確認試験法(TLC)

 

乾燥減量

 

灰分

 

酸不溶性灰分

 

エキス含量

 

精油含量

 

純度試験

 

その他

 

NMR情報  

 

漢方処方情報

 

生物活性情報

 

植物名

ウイキョウ

 

ラテン名

Foeniculum vulgar Miller

 

科名

Umbelliferae

 

和科名

セリ科

 

一般名

ウイキョウ

 

一般英名

Fennel

 

品種等

 

分類

多年生草本

 

画像

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形態的特徴

茎は直立し上部で分枝する.全草黄緑色,独特な香りがある.葉は互生.2回羽状複葉で裂片が深裂するため,葉身は糸状,葉柄は根生葉では長く,茎生葉では上部のものほど短くなり,基部はいずれも茎を抱込み,さや状となる.複散形花序を枝端に付け,多数の黄色の小花を開く.果実は卵状だ円形の双懸果で,香りが強い.草丈は1年目で1.21.8m,2年目では2m以上となる.生育の進行に伴って主茎の各節から分枝を伸ばし,下位節から伸びた分枝は茎となり,各分枝にはさらに2次分枝が発達する.北海道名寄市の事例では,1年生で36本,2年生以降では1520本,多い株では30本以上の茎数となる.

 

生態的特徴

ヨーロッパ原産の多年生草本で,日本各地で広く栽培可能であるが,収量からみて暖地が適している.暖地では実生繁殖1年目で結実し収穫が可能であるが,寒冷地では結実しないか結実してもわずかであり,本格的な収穫は2年目以降となる.冬期に土壌が凍結する地域では株が枯死するため栽培は不可能である.

生育特性 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

写真ライブラリー

写真ライブラリー

文献情報 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

生薬名

ウイキョウ

組織培養物及び効率的増殖法

植物体栽培及び植物の効率的生産法

栽培情報

さく葉標本情報

トランスクリプトーム・ゲノミクス情報

稀少植物情報

保有資源情報

導入年

保有研究部

導入番号

1979

筑波研究部

0430-79TS

1999

北海道研究部

14111-99HK

 

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種子

完熟

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発芽期

1年生,圃場定植時

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発芽期

2年生,5月,萌芽期

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生育期

2年生,7月上旬

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生育期

2年生,8月上旬,開花中

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2年生,7月下旬

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植物名

ウイキョウ

ラテン名

Foeniculum vulgar Miller

種苗および品種

在来種が用いられる.

繁殖

種子(植物学上は分果)を用いる.

栽培適性

生育適応土壌は広い.排水良好で耕土の深い地に適する.春に圃場に播種して間引きを行って栽培する直播法と,ポットなどへ播種して苗を育て初夏に圃場へ定植する移植栽培法がある.

播種,定植および育苗

種子の発芽適温は1525℃である.直播栽培においては,暖地では3月下旬~4月上旬,寒冷地では5月上旬~下旬に行う.整地が終わった圃場に,条間80100cm,株間75100cmに点潘し(10a当たり1,2501,333),薄く覆土する.10日~2週間で発芽が始まる. 寒冷地では,4月上旬にポットなどへ播種して加温ハウスで苗を育成し,5月中旬~6月上旬に圃場に定植すれば1年目秋に収穫が可能になる.

肥料

管理

直播栽培においては,1年目の発芽後,密生した所を適宜間引きし,6月下旬~7月上旬までに所定の株間にする.適宜,除草中耕を行う.

病害虫駆除

生育期間を通じ,キアゲハの幼虫による葉の食害があるが,著しい被害とはならない.結実期にアカスジカメムシによる果実の吸汁害がみられる.病害については,特に重篤な病気は認められない.

収穫・調製

寒冷地においては1年目では10月中旬~下旬,2年目以降は8月下旬~9月中旬から,緑色の果実が成熟し,黄緑色に変わり始めた頃に順次採取する.東京都小平市での事例では,1年目では9月下旬~11月上旬,2年目以降は7月中旬~9月中旬に順次採取する.採取した果実は天日乾燥するか風通しの良い日陰で速やかに乾燥する. 北海道名寄市の事例では,果実は登熟日数の経過とともに順次緑色から黄緑色,黄褐色に変わり,開花後5155日目では約50%の果実(分果)が黄褐色となり,60日目以降ほぼ完全に褐色となる.これに伴い,精油含量も緩やかに低下する傾向があり,したがって,開花後50日目程度が好ましい. 生薬としては,緑色を帯び香りが強く,やや甘味のあるものが良品とされる.

収量

北海道名寄市の事例では,乾燥果実の10a当たりの収量は1年生1025kg23年生80100kg程度であるが,札幌市の事例では,1年生29.9kg2年生285.7kg,東京都小平市での事例では,1年生61kg2年生320kg,三重県の事例では2年生で423kgという報告もある. 種子の精油及びアネトール含量は,暖地ほど高くなる傾向が認められている. 株が古くなると収量が低下するので,6年目を目安に株の更新を行う.

参考情報(生物活性)

参考情報(生物活性)ファイル

特性分類表 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培暦 http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培方法関連データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

栽培方法関連写真データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

種子発芽情報データ http://mpdb.nibiohn.go.jp/mpdb/img/plusminus01-001.gif

備考

備考ファイル

 

薬名

ウイキョウ

試験名称

確認試験法(TLC)

分析条件

本品の粉末0.5gにヘキサン10mLを加え,時々振り混ぜながら5分間放置した後,ろ過し,ろ液を試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液5μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする.次にヘキサン/酢酸エチル混液(201)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する.これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,Rf0.4付近に暗紫色のスポットを認める.

備考


画像データ

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/1314.jpgモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較 Merck社製 TLC plate7cm展開) Rf値:0.43 展開時間:8  中国・甘粛 (1)  中国・甘粛 (2)  中国・甘粛 (3)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/1315.jpgモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較 Merck社製 TLC plate10cm展開) Rf値:0.42 展開時間:13  中国・甘粛 (1)  中国・甘粛 (2)  中国・甘粛 (3)



画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/1316.jpgモデル試料のTLC画像と比較する

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較 Wako社製 TLC plate7cm展開) Rf値:0.46 展開時間:6  中国・甘粛 (1)  中国・甘粛 (2)  中国・甘粛 (3)



 

画像

http://mpdb.nibiohn.go.jp/CONTENTS_ROOT/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_DATA/JP_IDENTIFICATION_PHOTO_FILE/thumbnail/1317.jpgモデル試料のTLC画像と比較する

 

備考

Merck社製とWako社製TLC plateの比較および、7cm10cm展開の比較 Wako社製 TLC plate10cm展開) Rf値:0.38 展開時間:10  中国・甘粛 (1)  中国・甘粛 (2)  中国・甘粛 (3)

生薬名

ウイキョウ

試験名称

精油含量

分析条件

精油含量〈5.01〉 本品の粉末50.0gをとり,試験を行うとき,その量は0.7mL以上である.

備考

生薬名

ウイキョウ

試験名称

純度試験

分析条件

() 果柄 本品は,異物〈5.01〉に従い試験を行うとき,果柄3.0%以上を含まない.
(
) 異物〈5.01〉 本品は果柄以外の異物1.0%以上を含まない.

備考