手少陽三焦経の常用穴

               関衝 (かんしょう)
穴名解釈
─湾,無名指;:衝要;薬指不能単独伸直,穴在無名(薬)指端。
取穴部位:薬指尺側爪甲根,爪甲の角を去ること0.1寸;
主治:人事不省,頭痛,めまい等;
穴意:三焦経の井穴;配人中,内関,十宣治人事不省。

 
                液門 (えきもん)
穴名解釈
─水液;:門戸;此為本経榮穴,属水,有通調水道之功。
取穴部位:環指と小指のつけ根の間に取る;
穴意:三焦経の榮穴,配合谷,大陵,後渓,間使治精神症状。

 

               中渚 (ちゅうしょ)
穴名解釈:─中間;:水中之小塊陸地;穴在五輸流注穴之間,経気如水循渚而行。
取穴部位:第45中手骨末端之間の凹陥処;
功効:開竅益聡;
主治:耳なり,吐き気,嘔吐等;
穴意:三焦経の輸穴;配耳門,聴宮,聴会,翳風治耳鳴り,配太渓治咽喉腫痛。
 

               陽池 (ようち)
穴名解釈
─陰陽の陽;:池塘;穴在腕背陥中,経気至此如水入池塘。
取穴部位手関節後面横紋のほぼ中央,総指伸筋腱小指伸筋腱の間;
功効:疎経通絡;
主治:手関節痛,慢性消化器疾患等;
穴意:三焦経の原穴;配曲池,合谷,外関治手関節痛。 

手少陽三焦経のツボ 
 

               外関 (がいかん)
穴名解釈
─外側;:関隘;穴在上腕外側要処,犹如関隘。
取穴部位:手関節後面横紋(陽池穴)の上2寸,橈骨と尺骨之間;
功効:通経活絡,疎風解表;
主治:頭痛,耳鳴り,上腕の痛み・シビレ等;
穴意:①三焦経の絡穴,別走手厥陰心包経;②八脈交会穴之一:通於陽維脈
 

               支溝 (しこう)
穴名解釈
─肢;:溝渠;穴在上腕橈骨と尺骨之間;
取穴部位:手関節後面横紋(陽池穴)の上3寸,橈骨と尺骨之間;
功効:通関開竅,活絡散瘀,調理臓腑;
主治:耳なり,肋間神経痛,便秘等;
穴意:三焦経の経穴;配陽陵泉治肋間N痛;配足三里,天枢,大横治習慣性便秘。 

                会宗(えそう)
取穴部位:手関節後面横紋(陽池穴)の上3寸,支溝穴の尺側0.5寸処。
                三陽絡(さんようらく)
取穴部位:手関節後面横紋(陽池穴)の上4寸,橈骨と尺骨之間;
主治:前臂及肘部酸痛不挙,耳卒聾,暴喑不能言,ギックリ腰など(通絡,開竅,鎮痛)。
                四瀆(しとく)
取穴部位:陽池穴と肘頭を結ぶ線で肘頭下5寸,陽池上7寸,橈骨と尺骨之間。
主治:前臂或肘関節部疼痛,耳聾,耳鳴り,頭痛など。
                天井(てんせい)
取穴部位:肘頭と肩髎穴を結ぶ線で,肘頭上1寸の凹陥処,肘関節を屈曲して取る。
主治:肘部及肩臂疼痛,寝違い,偏頭痛,耳聾,耳鳴り等。
                清冷淵(せいれいえん)
取穴部位:肘頭と肩髎穴を結ぶ線で,肘頭上2寸の凹陥処,天井穴上1寸。
主治:肘臂部及肩背部疼痛,不能屈伸,頭痛,目黄など(具有清三焦熱の作用)。
                消濼(しょうれき)
取穴部位:臑会穴と清冷淵穴を結ぶ線の中間点。
主治:臂背部腫痛,頭痛,眩暈,頸項強急腫痛など(具有通調水道の作用)。
                臑会(じゅえ)
取穴部位:肘頭と肩髎穴を結ぶ線で腋窩横紋後端の高さ,三角筋の後縁処。
主治:臂酸痛無力,臂痛不能挙,肘及前臂痛難屈伸,肩背痛等(手少陽経+陽維脈)。
 

               肩髎 (けんりょう)
穴名解釈
─肩部;:骨隙;穴在肩部骨隙中。
取穴部位:肩髃後方,上肢を外展した時,肩峰後下方凹陥処;
主治:配天宗,肩髃,曲池治五十肩。 

                髎(てんりょう)
取穴部位:肩甲骨上角処,肩井穴と曲垣穴を結ぶ線の中間点,平T1の高さ。
主治:肩背酸痛,臂肘引痛不能挙,頸項強急,缺盆中痛等。
                天牖(てんよう)
取穴部位:乳様突起の直下と下顎角向後延線の交差点;天柱前,天容後,完骨下。
主治:肩背臂部疼痛,頸項強不能回顧,目痛,目昏,耳鳴り,耳暴聾,喉痛等。
 

               翳風 (えいふう)
穴名解釈
─遮蔽;:風邪;穴当耳垂後方,為遮蔽風邪之処。
取穴部位:耳垂の後下方,乳様突起と下顎枝の間の陥凹部;
功効:疎風通絡,開竅益聡,鎮痛;
主治:耳なり,配地倉,頬車,下関,四白,迎香,合谷治顔面神経麻痺等;
穴意:手少陽三焦経足少陽胆経の交会穴;配聴宮,聴会,耳門,中渚,合谷治耳鳴り。 

                瘈脈(けいみゃく)
取穴部位:角孫穴と翳風穴の間を3等分し,中,下1/3との交差点,乳様突起の中央。
                顱息(ろそく)
取穴部位:角孫穴と翳風穴を間を3等分し,上,中1/3との交差点。
                角孫(かくそん)
取穴部位:耳尖直上髪際,耳介を前に折り,その上角に当たる処。
功効:清頭明目,疎風活絡。配風池,肝兪,膈兪治視神経炎,視網膜出血。
 

               耳門 (じもん)
穴名解釈
─耳竅;:門戸;穴在耳前,犹如耳之門戸。
取穴部位:耳珠の前上方で珠上結節の前陥凹部,下顎骨果状突起後縁,張口凹陥処;
功効:疎通経絡,開竅益聡;  主治:耳疾患,顎関節痛等; 

                耳和髎(わりょう)
取穴部位:耳前方,鬢髪後縁,平耳廓根の前方,浅側頭動脈の後縁。
 

               糸竹空(しちくくう)
穴名解釈
糸竹─細竹;空:空隙;眉毛状如細竹,穴在眉稍之陥隙処。
取穴部位:眉弓外端の陥凹処;
功効:平肝息風,明目鎮痛;
主治:眼疾患等;
穴意手少陽三焦経足少陽胆経の交会穴。
  

  手少陽三焦経   

【霊枢・卷三・経脈十】:三焦手少陽之脈,起於小指次指之端,上出両指之間,
循手表腕,出臂外両骨之間,上貫肘,循臑外上肩,而交出足少陽之後,
入缺盆,布膻中,散落心包,下膈,循属三焦。
其支者,従膻上出缺盆,上項,系耳後直上,出耳上角,以屈下頬至zhuo-1
其支者,従耳後入耳中,出走耳前,過客主人前,交頬,至目鋭眦。
zhuo-2zhuō):張景岳注:“目下称~。”