イケマ             (ガガイモ科カモメヅル属:蔓性多年草:草丈 〜 センチ:花期 〜 月)

薬効
根茎有毒
分布生育場所

科名:ガガイモ科/属名:カモメヅル属(旧イケマ属)
和名:牛皮消/学名:Cynanchum caudatum
沖縄を除く日本全土の山地、山すそ

見分け方・特徴

ガガイモ科、カモメヅル属のつる性多年草。
根は太く大きく、浅く枝分かれして肥大、茎は数本束生して、他の植物などにからみついて生長する。
葉は、長さ5〜15センチ、幅4〜10センチで対生、心臓形で先端は尖り、無縁。
花は、7〜8月に葉の脇から柄を出して、白い小花を十数個球形につき、花冠は深く5裂する。
果実は、細長い袋果で、長さ8〜10センチ、幅1センチくらいで、種子はガガイモのように絹糸状になり風で飛ぶ。
採集と調整
若芽は、食用になるという。
アイヌの人達は、イケマの根を煮て食べるが、生煮の場合には中毒を起こして、酩酊状態になり皮膚知覚が麻痺する
薬効・用い方
有毒部分:根

中毒症状:吐き気、痙攣(けいれん)


根は、乾燥して保存しておき、腹痛には水に浸して服用したり、食中毒には解毒に用い、風邪には風邪薬として服用し、根の煎液は切傷にすり込んで効果があるという

イケマ(牛皮消)は、エゾの霊草として古くは、アイヌ民族の重要な薬草のひとつとして、利尿、強精、強心薬として用いられていた
その他
名前の由来は、アイヌ語で「巨大な根」、「神の足」という意味だという。

学名Cynanchumとは、「犬を殺すもの」という意味で、イケマの根の毒成分により犬を殺すことができることから名がついたものだという。

イケマ(牛皮消)は、アイヌでは汎用されていた薬草であり、イケマの基源植物を最初に推定したのは、平賀源内があげられ「物類品騭(1763)」に、イケマ(牛皮消)か「本草綱目」の、白兎藿の類であろうと記載した
その後、小野蘭山が、イケマ(牛皮消)と断定した