カマツカ            (バラ科カマツカ属:落葉小高木:樹高 〜7メートル:花期 〜6月)

薬効
食用 果実酒 染材
分布生育場所

科名:バラ科/属名:カマツカ属
和名:鎌柄/別名:ウシコロシ/学名:Pourthiaea villosa var.laevis
北海道、本州、四国、九州の山地
朝鮮半島、中国中南部、台湾に分布

見分け方・特徴

バラ科カマツカ属は、アジア東部に約15種が分布
落葉低木〜高木で短枝があり、花柄や花序の軸にいぼ状の皮目がある、花は両性、花弁とがく片5個、果実は偽果でナシ状果
樹皮は暗灰色、斑紋状になる
葉は互生、短枝には輪生状につき、広倒卵形〜狭倒卵形、長さ4〜7センチ、洋紙質で葉縁には細い鋸歯がつく
花は4〜6月頃、短枝の先に複散房花序を出し直径約1センチの白色花を10〜20個つける
花弁5個、雄しべ20個、花柱3個下部が合着する
果実は楕円形、長さ約1センチ、果柄には褐色のいぼ状の皮目があり、秋には赤く熟し甘く美味しく生食できる
採集と調整
秋に赤く熟した果実を採取
樹皮、葉は染材
薬効・用い方
秋に赤く熟した果実は生食できる甘く美味しい

熟した果実は、200〜300グラム、約3倍量の35度ホワイトリカーを入れて冷暗所に3〜6ヶ月保存して果実酒にできる

樹皮、葉は染材として、茶系統の色になる
その他
名の由来は、材が強く丈夫で折れにくく、鎌の柄の部分に使ったことから鎌柄(かまつか)の名になった
また、別名のウシコロシは、この木の枝で牛の鼻輪を作ったことからついたという

「染料植物譜」には「大阪市通俗植物園の記録には此樹皮は金茶色の染料となす可く、材は鍛工、石工の器具の柄及杖、皮を去り曲げて牛の鼻木とし、又は鎌の柄を作る。
故にウシノハナギ、カマツカなどの別名あり、またナツユキなる名は花が五月頃に開き白色にして傘形をなすに依るといふ。実は十月頃成熟し食用に供すること」と記述がある

用途は、庭木、各種器具材、薪炭、シイタケの原木などに利用される