ホップ               (アサ科カラハナソウ属:つる性多年草:草丈 〜 センチ:花期 〜7月)

薬効
健胃 鎮静 利尿
分布生育場所

科名:アサ科(クワ科)/属名:カラハナソウ属
和名:セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)/学名:Humulus lupulus L.(Hop)

ヨーロッパ南部〜西アジア原産
山形、岩手、長野、山梨地方での栽培が多い
北海道、本州中部以北の山地や林縁に自生するカラハナソウ

ホップの花ホップの実

見分け方・特徴

雌雄異株の多年生のつる性で、茎の生長は早く、葉柄には短いかぎ状の毛がある
雄花は、7月ころに枝先に密生して、まり状になり、雌花は、苞の間からブラシ状の柱頭を出してから、苞が重なりマツカサ状毬花(きゅうか)になる
果実は、松毬(まつかさ)状に下がり、薄い膜質の苞(ほう/葉の変形したもの)が重なり合っている。
1枚の苞の裏側には、丸い形の痩果(そうか)が2個あり、花粉のような黄色粒状の顆粒をホップ腺と呼ぶ
日本全土に自生するカラハナソウに似る
採集と調整
8〜9月に、松毬(まつかさ)状のホップ果穂を摘み取り、陰干しして乾燥したものを、布袋に入れて振り、黄色のホップ腺を集める
薬効・用い方
有効成分:ホップ腺には、フムロン、ルプロンの結晶性苦味配糖体(健胃作用)、フムロンは芳香、鎮静作用、ケルシトリン(利尿作用)、ブドウ糖、コリンなど

ビール原料に、ホップ腺は、ほろ苦さや芳香、腐敗を防ぎ、にごりを抑えて、泡立ちをよくするという

健胃、鎮静、利尿には、ホップ腺を1回に0.5〜1.5グラムをそのまま水かお湯で飲む
また、健胃、鎮静には、ホップ果穂1回2〜5グラムに熱湯をそそぎ数分してから飲む
その他
明治4年(1871)に開拓史仮学校(現在の北海道大学)の教頭の、アメリカ人のトーマス・アンチセルが、北海道岩内付近で、ビールの原料のホップの野生を見つけて、これを原料に、ビールを作ったが、苦味が出ないまずいビールになってしまったという。このホップと間違えた雑草は、日本全土に野生する、カラハナソウであった。
その後、明治9年(1876)、ホップの苗を輸入して、北海道で本格的なビール醸造が始まった。

名の由来は、Humulus lupulus L. フルムスは、ホップのラテン語、また、ルブススは、狼の縮小形