ケキブシ         ( キブシ科キブシ属:落葉低木:樹高 〜5メートル:花期 〜4月 )

薬効
利尿 むくみ
分布生育場所

科名:キブシ科/属名:キブシ属
和名:毛木五倍子/別名:マメブシ/学名:Stachyurus praecox var.leucotrichus Hayashi
主に本州の日本海側、東北〜北陸の山地に自生、北海道(渡島半島)〜本州、四国、九州の山地に自生するキブシの変種のひとつ

見分け方・特徴

キブシは、北海道南部〜九州まで、日本全土の山地に普通に自生する、雌雄異株の落葉低木で高さ3〜5メートル、ケキブシは、本州の日本海側の山地に多く自生するキブシの変種のひとつ
樹皮は褐色、枝は赤褐色〜暗褐色で少し光沢がある
葉は、互生、楕円状卵形〜長楕円形、葉縁には鋸歯があり、先端は尖る、葉の裏面の葉脈に細かい毛がある
花は、春3〜4月、他の樹木の花が少ない時期に淡黄色の小花を数十個下げる
果実は、広楕円形、緑色から黄色く熟す



採集と調整
夏〜秋に、葉、小枝を採取して刻んで日干しにして乾燥したものを、生薬名で通条樹(つうじょうじゅ)という




薬効・用い方
有効成分は、アントシアン系のシアニジンを含有

むくみや腎臓不調などの利尿に、通条樹(つうじょうじゅ)1日量4〜8グラム、水0.4リットルを3分の1量まで煎じて、食間に3回に分けて服用


江戸時代のお歯黒
江戸時代には、結婚した女性は、歯を黒く染める、「お歯黒」という風習があった
ヌルデの種子「五倍子(ごばいし)」の代用として、五倍子(ごばいし)より入手しやすい、キブシの実を粉末にして用いた
お歯黒は、釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて、歯につけると黒く染まる


その他
名の由来は、昔は「お歯黒」に用いる、五倍子(ごばいし)を「フシ」と呼んだことから、木のフシから、キブシの名になった

別名では、果実が豆に似ることから、マメブシやマメンブシの別名がある

花は花材に使う、民間薬の薬効から、ムクミという別名のあるという