イヌホオズキ                  (ナス科ナス属:1年草:草丈 〜60センチ:花期 〜10月)

薬効
腫れ物 解熱・利尿 疲労回復薬用酒 果実は有毒

科名:ナス科/属名:ナス属
和名:犬酸漿/生薬名:竜葵(りゅうき)/学名:Solanum nigrum
北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布の畑、荒地、海岸などに自生

見分け方・特徴

茎は高さ30〜60センチ、枝分かれが多い1年草、古い時代に渡来したとされる
葉は、長さ6〜10センチの卵形、質は少し厚く、葉縁は全縁か波形の鋸歯がある
花は、8〜10月、葉脈から花柄を伸ばして、ナス状の花を3〜10個つける
花は、白色で花冠は5〜7ミリで5裂して平らに開く
花後、柄は下垂して黒い球形の果実が熟し、甘い味がするという
採集と調整
生の果実、開花期の根を含んだ全草を天日で乾燥したものを、生薬名で竜葵(りゅうき)と呼ぶ
薬効・用い方
薬効成分:果実にアルカロイドのゾラニン、ゾラマジン、全草にサポニンを含有

果実は一般的には有毒で吐寫、下痢をおこす


腫れ物には、生の果実を塩を加えて、揉み潰して患部に塗布する
解熱や利尿には、開花期の全草を天日で乾燥してから、1日量1.5〜3グラム、水0.2リットルを半量まで煎じて服用

疲労回復の竜葵(りゅうき)酒として、乾燥した全草100グラム、砂糖150グラム、ホワイトリカー35度1.8リットル、約3ヶ月漬け込み、布で濾して、就寝前に1回20〜40CCを飲用

東南アジア、アフリカなどでは、野菜として、茎や葉を煮て食べる
その他
名の由来は、否(いな)ホオズキで、ホオズキに似ているがホオズキでは無いという意味から転嫁(てんか)して、イヌホオズキの名になった

大和本草(やまとほんぞう・1708)には、「コナスビ一名イヌホオズキ、葉は茄(なす)に似て子は小にしてまるし。熟すれば黒し。其実を汗疹(あせも)に付すれば癒(なおる)る。本草に此能(こうのう)ある事載せず」という記述がある