チャ     (ツバキ科ツバキ属:常緑低木:樹高 1〜1.5メートル:花期 9〜10月 )

薬効
下痢 かぜ 小便不利 頭痛(ずつう) 飲用  
           
分布生育場所

科名:ツバキ科/属名:ツバキ属
和名:茶の木/別名;チャノキ/学名:Camellia sinensis

チャノキ(チャ)は、低木性で葉が小型の「シネンシス」と、高木性で葉が大型の「アッサム」という二つの変種がある

栽培の起源はインド、スリランカ、中国で日本でも最も古くから栽培されています。
日本では、低木性で葉が小型の「シネンシス」が、本州関東以西の温暖で湿潤地に適していて、お茶葉として栽培される

新潟県村上のやぶきた茶。村上市は日本海側の北限の茶として知られる。
葉に斑入りのチャノキ
ツバキ科ツバキ属/日本で開発された紅茶用品種紅富貴(べにふうき)

ツバキ科/THEACEAEツバキ属/Camellia
日本には、ヤブツバキユキツバキサザンカ(日本固有種)の3種が自生する

見分け方・特徴

チャは、常緑の低木で、野生化したものは高さが7〜8メートルにも達します。
栽培しているチャの場合は、剪定(せんてい)により1メートル前後の高さにしています。
葉は広皮針形(ひしんけい)か長楕円形で先が尖り、葉縁には鋸歯(きょし)があり、葉質は厚く、表面は濃緑色で光沢があります。
花は秋から初冬にかけて、芳香のある白い花をつけます。花弁は6〜8枚で、雄ずいが多数ついています。
チャの果実は朔果(さくか)で、裂開して無胚乳(むはいにゅう)の種子を飛散します。


採集と調整
温暖で土壌は有機質で排水が良い場所が適します。種子による増殖は純系が維持できないので、枝を曲げて土をかぶせて発根させる厚条式(あつじょう)による取り木増殖が一般的です。
収穫は4年目から可能です。日本では年3回摘葉します、1番茶は4月下旬から5月上旬、2番茶は6月下旬から7月上旬、3番茶は8月中・下旬に摘み取ります。
インドなどの熱い地方では年30回の茶つみも可能になります。
摘葉は若葉が5枚ほど、伸びたときに晴天の時を選んで先の3枚を摘み取ります。良質の茶葉の場合は2枚、1枚と少なく摘み取ります。

緑茶:若葉をつみとり、短時間せいろで強く蒸します。その後さらに熱を加えながら、手でもんでよりをかけて、最後に火入れといわれる加熱をして茶にします。茶は適当に加熱してあるので酸化酵素が不活性化されて、緑色を黒変させることやビタミンCの破壊を防ぎます。
玉露は、茶つみの20日ぐらい前からよしずをかけて栽培した若葉を製茶したもので、最高級品のお茶です。また、抹茶(まっちゃ)は、よしずの下で栽培した葉を美濃紙の上で加熱して、よりをかけずに粉末にしたものです。

ウーロン茶:烏龍茶は、台湾、中国の製品で、緑茶と紅茶の中間の発酵で「半発酵茶」のことです。ビタミンCは、ほとんど含まれず、カフェイン、カテキンは緑茶とほぼ同様、茶特有のタンニンの解毒作用が発酵で弱められていて、緑茶よりも胃にはやさしい作用があります。
ウーロン茶は「1、2級茶葉」の高級品を、お薦めします。味わい深さは、スーパーや自販機のウーロン茶とは桁が違う味を楽しめます。

紅茶:煎じた汁が赤褐色になるので、紅茶といわれますが、茶葉の酵素を発酵させて作ります。発酵熱でビタミンCは消失しますが、逆に特有の芳香が出ます。紅茶にはタンニン質の多いアッサム茶が使用されます。


薬効・用い方
チャにはキサンチン類としてカフェイン(1〜5%)、テオブロミン、タンニン、フラボノイド、脂質、ビタミンCが含有されていて、含まれる、カフェインは発汗、興奮、利尿などの効果があり、チャタンニンは下痢に効き目があります。茶のうまみは、アミノ酸によるものです。
かぜ、頭痛には緑茶15グラム、陳皮(ちんぴ・みかんの皮)20グラム、山椒(さんしょう)3〜5個を水0.4リットルで2分の1量に煎じて熱いうちに服用します。
下痢には緑茶の粉末、乾燥した生姜(しょうが)の粉末を同量3〜6グラムを白湯(さゆ)で服用します。


その他
お茶の風習は古くに中国から伝わってきました。聖武天皇の時代から知られていますが、当時は薬用として、わずかに飲用されていました。
のちに、後鳥羽天皇の時代に栄西(えいさい)が宋より留学を終えて帰国するときに、製茶法と種子を持ち返りました。
お茶としての風習は、足利時代以降、僧、武士から庶民にいたるまで広まり、今の茶道を築きあげました。