ケイガイ                 (シソ科イヌハッカ属:1年草:草丈 60〜100センチ:花期 〜6月)

薬効
かぜ はれもの・できもの
分布生育場所

科名:シソ科/属名:イヌハッカ属
和名:荊芥(けいがい)/学名:Schizonepeta tenuifolia
中国、朝鮮半島に分布する1年草
日本では、特定の農家で生薬荊芥(けいがい)として栽培

見分け方・特徴

ケイガイは、草丈60〜80センチくらいで、茎は方形で直立して、全草に柔毛があり、強い香気があります。
枝は上部で分かれ、葉は対生(たいせい)し、無柄で羽状(うじょう)に深裂(しんれつ)し、3〜6個の小裂片です。
花は、初夏に開花して、淡紫から淡紫紅色の小花が輪状に密生して、数段の塊になって穂状(すいじょう)になります。


採集と調整
ケイガイは、8月ころの開花期に全草を採取して乾燥します。
これを生薬(しょうやく)で、荊芥(けいがい)といいます。
一般には、荊芥(けいがい)は、古い方が良いとされていますが、保存により有効成分の揮発分が失われたり、虫がついたりする場合がありますので注意が必要です。

荊芥(けいがい)を、黒く炒(い)ったものを、黒荊芥(くろけいがい)または、荊芥炭(けいがいたん)といって、血液の出血時間や凝血時間を短縮させる効果があるとされています。

また、花穂(かすい)だけを採取して乾燥したものを荊芥穂(けいがいすい)といいます。これは、ケイガイの全草と薬効は同様ですが、さらに発汗作用が強いとされています。

薬効・用い方
荊芥(けいがい)は、発汗作用があるとされていますが、同じ目的で用いられる、麻黄(まおう)や桂枝(けいし)より発汗作用は弱いようです。
荊芥(けいがい)だけを、単用することはほとんどありませんが、できものには、防風(ぼうふう)と配合して用います。また、できものには、桔梗(ききょう)と甘草(かんぞう)を配合して用います。

荊芥(けいがい)の成分は、メントンを主成分とした精油(せいゆ)を含みます。
この精油の辛くて苦い成分は、内臓をよく刺激して胃腸などの機能を亢進(こうしん)させます。
また、この精油の芳香(ほうこう)は、体内の毒素を発汗により、汗として体外に排出する作用があるとされていて、血行をよくして発汗を促すために、体質の弱い人や弱っている人の場合には、用いるべきではありません。
一般的には、精油を含むものの場合には、多量に用いると嘔吐(おうと)を催す作用があり、少量ならば食欲を促進して、気分を爽快にしますので、血行が悪く気分がすぐれない場合などに用いますが用量には注意をする必要があります。

精油類を成分にする薬草を煎じる場合には、長く煎じると発散して効果が減少するので、強火で10分間位煎じて温かいうちに服用すると効果的に用いることができます。

かぜをひいて高熱があり、寒気がして、汗が少なく、身体がだるいような場合には、荊芥(けいがい)、薄荷(はっか)、連翹(れんぎょう)、桑葉(そうよう)を配合したものを、煎じて服用します。
また、麻疹(ましん)の発疹を誘発する作用やじんましんの治療などにも効果があるために用いられます。

荊芥(けいがい)を単用する場合は、刻んだものを1日量5〜10グラムを煎じて服用。
はれもの、できものの外用として用いる場合には、適量を煎じて患部を洗います。

その他
ケイガイは、中国の江蘇(こうそ)、浙江、江西、河北、湖北、湖南などの地域に分布して、山地の日陰や溝の縁などに自生する1年草。

中国の古書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」の中品として、麻黄(まおう)、黄芩(おうごん)、淫羊藿(いんようかく)、芍薬(しゃくやく)、牡丹(ぼたん)などとともに収載されています。
また、仮蘇(かそ)という植物の別名であるともいわれていますが、正確なものではなく別のもののようです。
これは、草木図にも「経史證類大観本草(けいししょうるいたいかんほんぞう)」、「本草綱目(ほんぞうこうもく)」、「本草図説」、「本草図考」、「山東中薬」では、ケイガイと仮蘇(かそ)は、それぞれ異なっています。

現在は、ケイガイの原植物は、シゾネペタ、テヌイホリアとなっています。別名を、ケイガイアリタソウともいいます。