クリ                 (ブナ科クリ属:落葉性高木:樹高 〜20メートル:花期 〜7月)

薬効
火傷(やけど)
分布生育場所

科名:ブナ科/属名:クリ属
和名:栗/学名:Castanea crenata
日本全国の山地、丘陵に自生。また、果樹として栽培されていて多くの栽培品種がある
日本、朝鮮半島に分布、中国には別種シナグリが自生

ブナ科コナラ属ウラジロガシ(裏白樫)
ブナ科コナラ属コナラ(小楢)

見分け方・特徴

クリは、山野に普通に見られる落葉性の高木で高さ10〜20メートルくらいになります。
樹皮は淡褐色で縦に深い裂け目があって、葉は7〜15センチで2列に互生(ごせい)し、皮針形(ひしんけい)で側脈は平行に斜上して、波状の針状鋸歯(きょし)があります。
クリによく似たアベマキやクヌギでは、鋸歯(きょし)の先端まで葉緑素を含むために、鋸歯(きょし)は茶褐色になっていて、鋸歯(きょし)を見るとクリと区別ができます。また、クリは葉裏に腺点がありますが、アベマキ、クヌギには無いことでも区別ができます。
花は、6月ころに枝梢に黄白色の細長い花穂(かすい)を垂下して、開花すると特異な臭いがあります。花穂は10〜15センチで、雌雄同株、雄花は先端部にやや上向きにつき、雌花は緑色で基部近くに固まってつきます。これは、ガマやシュウカイドウなどと同様です。

花後、雌花の総苞片(そうほうへん)がしだいに生長して、果実を包んで長い刺(とげ)のある毬(イガ)・殻斗(イガ)になり、中には2〜3個の堅果(栗・くり)があり、熟して、4裂して果実を地上に落とします。
渋みのある種皮(渋皮・しぶかわ)は、胚珠(はいしゅ)の珠皮が成長したものです。


採集と調整
クリは、樹皮と毬(イガ)・殻斗(イガ)は、秋に採取して、風通しのよい場所で日干しにします。
葉は、成分の充実している真夏に採取して日干しにして乾燥させます。
また、樹皮は6〜7月ころでも採取します。


薬効・用い方
有効成分は、葉、イガ、樹皮には多量のタンニンを含む

クリは、うるしかぶれ、火傷などの皮膚疾患に、よく乾燥した葉を20〜30枚を、約0.5リットルの水で煮つめて、冷ましてから患部を洗います。

乾燥葉がない場合には、樹皮やイガでもかまいませんが、イガなら2個分くらいで樹皮ならイガの半分くらいが適量です。

また、山で漆(うるし)かぶれの場合には、生の葉をもんでその汁をつける。

浴湯料:葉、イガ、樹皮を風呂に入れて入浴。(うるしかぶれ、皮膚炎などに、この効能はタンニン性の物質によるものとされています。)

脱毛防止:クリのイガを黒焼きにして、ゴマ油で練ったものを塗布すると脱毛を防止する効果があるとされています。

地方によっては、うるしかぶれに柿の葉を同様に用いることがありますが、クリと共に葉に含まれているタンニン性の物質が、かぶれた部分の蛋白質(たんぱくしつ)に対して、収斂(しゅうれん)作用として働くことを応用したものです。


その他
名の由来は、「和名抄(わみょうしょう/932)」には、「久利」の和名に「栗子」の漢字をあてていて、「栗子」や「栗」は、中国の「甘栗」の漢名で、中国語では「リ」と発音する

クリの名前の由来は、イガの中の果実が、黒実(くろみ)ということから、転訛してクリと呼ばれるようになったとう
他に、丸い果実のことをクルミといい、クルミが略されてクリになったとか、朝鮮語のクルが転訛したという説もあります。

クリは、日本と朝鮮半島に分布して、栽培される品種は非常に多く、野生のクリや実生の栽培樹によって新品種を発見すると、それを、接木(つぎき)により増殖するという方法をとるために、各地に固有の品種が多くあります。

日本では、縄文時代の遺跡の中から多量に出土するクリは、古くから果樹としての重要な保存食品として珍重されてきた歴史があります。

一般に知られる中国の甘栗は、中国原産のシナグリという日本の栗の別種からつくられる