アカネアカネ
 

アカネ                     (アカネ科アカネ属:蔓性多年草:花期 〜10月)

薬効
鼻血(はなぢ) 吐血・喀血(かっけつ) 黄疸 神経痛(しんけいつう) リューマチ 月経不順
滋養強壮 小便不利        
分布生育場所

科名:アカネ科/属名:アカネ属
和名:茜/生薬名:茜草(せんそう)/学名:Rubia akane
日本全土の山野、路傍。

日本、朝鮮半島、中国に分布するつる性多年草

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見分け方・特徴

茎は直立することができなくて、小さい逆刺により他物にひっかけて生長していきます。
茎は四角形で、角には水分と養分の通る維管束が発達しています。
葉は心臓形から長卵形で、長柄があり、4枚ずつ節から出ているように見えますが、これは対生する2枚の葉と托葉が変化して葉身様になったものです。
茎の下部は葉が6枚で中部が4枚、最上部では2枚となっていますが、いずれも托葉の変化によるものです。
秋に枝の先や葉のわきから花序を出し、白色5弁花の小形花をつけます。
後に球状黒色のしょう果を結びます。根は太いひげ状で細長く、帯赤黄色をしています。

栽培品のセイヨウアカネは、アカネと同じように用いられます。また、日本に野生するアカネの仲間には、オオキヌタソウやアカネムグラ、クルマバアカネなどがありますが薬用にはあまり用いられていません。
採集と調整
秋、10〜11月ころに根を掘り取って、水洗いしてから天日でよく乾燥させます。根は赤黄色となります。
これが生薬の茜草(せんそう)です。
薬効・用い方
利尿、止血、通経薬として、鼻血、吐血、血尿、血便、腎臓病、黄疸、神経痛、リューマチ、月経不順に効き目があります。
1日量10〜15グラムに0.4リットルの水を加えて煎じ、約半量まで煮詰めたものを、1日3回食間に服用します。
また、消炎作用が強く、せきを止める作用もあって鎮咳去痰薬として慢性気管支炎に用いると効果があるとされています。
果実を通経剤として月経不順のときに煎じ用すると効き目があるといわれます。

アカネ酒晩秋から初夏に採取した根をそのままか、乾燥したものを原料とします。
根300グラムと砂糖100グラムにホワイトリカー1リットルを加えて漬けこみます。
熟成は1ヶ月以上かかり、美しい黄赤色の薬酒ができます。
強壮薬として飲用。赤色の色素はプルプリンです。
その他
万葉の昔、朝日の出る頃の空の印象を人々は「茜さす」と形容し多くの詩歌に詠みこんできました。

アカネの名前の由来は、アカネの根は乾燥すると赤黄色となります。
この根を煮出した汁がまだ熱いうちに前もって灰汁で処理した布を漬けます。この作業を何度も繰り返すうちに布は茜色(緋色)に染まり、根で染めるから、アカネ(茜根)になった
灰汁の濃度がうすいと黄色に、濃いと赤味が深くなります。茜染といわれています。