補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
適応症 虚弱体質 脱肛 低血圧 胃腸虚弱 夏やせ 結核性疾患および病後の体力増強 感冒  
                 
                 
目  標 胃腸機能減退し、疲労倦怠感、食欲不振が著しいもの。頭痛、悪寒(おかん)、盗汗(ねあせ)、弛緩性出血などを伴うこともある。 
構  成 黄耆(おうぎ):4 人参(にんじん):4 朮(じゅつ):4 当帰(とうき):3 陳皮(ちんぴ):2
大棗(たいそう):2 甘草(かんぞう):1.5 柴胡(さいこ):1 乾姜(かんきょう):0.5 升麻(しょうま):0.5
         
         
備  考 本方の名前は「中(消化器)を補い、気(元気)を益す」という意味で補剤の王の意で医王湯(いおうとう)という名前もあります。

本方の使用目標を津田玄仙は「方與げい」という書物の中で、次の8つにわたって述べています。

1.手足の倦怠感、脱力感。2.話す言葉が軽微で力がない。3.眼勢に力がない。4.口に白沫がたまる。5.食物の味がない。6.熱い物を好む。7.臍の周囲に動悸を自覚する。8.脈が散大で力がない。

本方は、虚弱体質の人に用いますが、平素丈夫な人でも、一時的に疲労が重なった場合には使用できます。

本方は、慢性化痔疾で脱肛を起こしている場合に外用薬の紫雲膏(しうんこう)と併用すると大変効果があります。