十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
適応症 せつ・癰(よう) リンパ腺炎 肛囲膿瘍(のうよう) 皮膚炎 湿疹(くさ) じんましん とびひ いんきん・たむし
水虫(みずむし) 面疔(めんちょう) 乳房炎 麦粒腫(ばくりゅうしゅ) 眼瞼(がんけん)炎 外耳炎 中耳炎(ちゅうじえん) 鼻炎(びえん)
               
目標 分泌物があまり多くなく、慢性に経過するもの。

 

構成 柴胡(さいこ):2 桜皮(おうひ):2 桔梗(ききょう):2 生姜(しょうきょう):2 川弓(せんきゅう):2
茯苓(ぶくりょう):2 独活(どくかつ):1.5 防風(ぼうふう):1.5 甘草(かんぞう):1 荊芥(けいがい):1
         
備考 本方は、湿疹、じんましんなどの皮膚疾患一般に用います。乾燥性で滲(しん)出血は乏しいが、発赤は比較的顕著で、化膿性のものあるいは化膿を繰り返すものによく反応します。

慢性化した皮膚疾患で、患部が汚い、静脈系の、うっ血症状が見られるなど、漢方でいう「おけつ」症状を呈する場合には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や桃核承気湯(とうがくじょうきとう)などの、処方と合わせます。また、化膿性の強いものには桔梗石膏(ききょうせっこう)を加味して用います。

患部の発赤、掻痒(そうよう)、熱感が強く、夏季に悪化し、痂皮(かひ)を形成して分泌物を多く認められるものには、消風散(しょうふうさん)が適します。