小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
適応症 気管支炎(気管支カタル) 鼻炎(びえん) ぜんそく(気管支ぜんそく) 百日ぜき 気管支拡張症 肋膜(ろくまく)炎 腎炎 ネフローゼ 関節炎 眼一般結膜炎
フリクテン            角膜炎 涙のう炎
目標 急性発熱症状後尿量が減少して、胸内苦悶、胃部に水分停滞感があり、喘鳴(ぜんめい)を伴う泡のような稀薄な喀痰(かくたん)の多い咳嗽(がいそう)があるもの。あるいは、鼻汁の多い鼻炎や流涙の多い眼病のように、分泌液過多のもの。慢性期には、熱の有無に関係なく応用できます。
構成 麻黄(まおう):2 芍薬(しゃくやく):2 乾姜(かんきょう):2 甘草(かんぞう):2 桂枝(けいし):2
細辛(さいしん):2             五味子(ごみし):2 半夏(はんげ):4    
備考 本方は、まず気管支炎や気管支ぜんそくの、咳に用いられますが、本方の適応するのは、湿性の咳嗽(がいそう)でゼイゼイ、ゴホゴホといった喘鳴(ぜんめい)を伴うことが多く、からぜきや乾性の咳嗽あるいは粘液性、膿性の喀痰(かくたん)を伴う咳嗽には適応しません。この場合には前者には、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を、後者には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)柴陥湯(さいかんとう)を考えます。

本方は、またアレルギー性鼻炎によく用いられます。くしゃみ、鼻水などの、分泌液の多いものを目標にします。本方の適用する症状があるにも係わらず、充分に効果の出ない、アレルギー性鼻炎には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を用います。

本方を、自然発汗・盗汗(ねあせ)のある虚弱体質者に用いると過度に発汗して、体力を消耗させることがあります。この場合には、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)を考えます。