アオキ                (ミズキ科アオキ属:常緑低木:樹高 〜3メートル:花期 〜6月)

薬効
火傷(やけど) はれもの・できもの ひび・あかぎれ 凍傷    
           
分布生育場所

科名:ミズキ科/属名:アオキ属
和名:青木/学名:Aucuba japonica
北海道(南部)、本州、四国、九州、沖縄の照葉樹林下などの日陰地
朝鮮半島南部に分布

本州の日本海側に自生するヒメアオキ

見分け方・特徴

アオキは、高さ2〜3メートルくらいの低木です。葉質はやや厚みがあり、大きさは、10〜15センチ、形は長楕円形をしています。
葉縁はぎざぎざの粗い鋸歯状になっています。花は雌雄別で花の花序は大型で、雌花の花序は小型です。
秋には緑色で楕円形の果実をつけ、冬にはこれが赤く熟します。枝、茎、葉のいずれも枯れたり、切り取ったりすると黒くなるという特徴があります。これはアウクビンという成分によるものです。

学名「アウクバ・ヤポニカ」といい「日本の青木葉(あおきば)」という意味で、常に葉も茎も緑色であることからつけられました。

また、押し葉にすると標本が黒くなる植物にはアオキ、コウモリカズラ、オトコヨウゾメ、ヘクソカズラ、ギンリョウソウなどがあります。

栽培は、梅雨期、今年の枝がほぼ生長し終わったころに前年枝との境目で切りとって、挿し木にすると容易に発根します。
また、3月ころ果実をとりすぐに種子を取り出して、直播(じかまき)します。5〜6月には芽が出るので翌春植え替えます。
半日陰地によく育つもので日当たりがよく乾燥するような場所は避けます。
日陰地に生育する植物は少ないので、うまくアオキを利用するのが、よい庭園の参考になります。
採集と調整
生の葉を必要な時に採取してよく水洗いします。
薬効・用い方
有効成分は、アウクビゲニンとブドウ糖の配糖体のアウクビン
アウクビンは、葉をあぶったり、乾燥すると、葉の成分のアウクビゲニンが酸化して黒変する

採取した生の葉を金網に乗せて弱火であぶると葉は柔らかくなり黒色に変化してきます。こがさないように注意し、火傷、はれもの、凍傷などの患部にはり、包帯などで軽く押さえておきます。

胃腸薬として有名な 吉野・洞川(どろがわ)の胃腸薬「陀羅尼助(だらにすけ)」や「百草(ひゃくそう)」は、黄柏(おうばく)(ミカン科のキハダの樹皮でコルク質の部分をはいだ黄色の内皮)のエキスを固めたものですが、このエキスにアオキを入れて煮詰めると真っ黒になり、しかも大変つやのあるものになります。
その他
名の由来は、葉も枝も青いことから、青木(あおき)の名になった

アオキは日本特産の植物でアオキバともいい、元禄3年(1690)に日本に来たドイツ人ケンペルがヨーロッパに初めて紹介しました。日陰でもよく育ち耐寒性が強い常緑樹ですので庭園樹として大変重宝がられました。日本でも庭園樹として普通に見られるもので、公害に強い樹種の一つです。

アオキの学名は「Aucuba/アウクバ・ヤポニカ」で、「Aucuba/アウクバ」は「日本の青木葉/アオキバ」の名に由来する
葉も茎も常に緑色であることからこの名がうまれました。
アオキの茎にはコルクを形成する組織が数年間も発達しないために、普通の樹木のような褐色の樹皮はできません。

アオキによく似ているヒメアオキは北海道、本州の日本海側の雪の多い地域に分布しています。アオキとの違いは、丈が低く、葉が小型で葉柄や葉の下面、芽、枝などに微毛が生ずるのですが、実際に区別するのは大変難しいようです。