アケビ              (アケビ科アケビ属:落葉蔓性低木:花期 4〜5月)

薬効
肝炎       尿道炎 膀胱炎によるむくみ(浮腫・水腫)(利尿) できものの洗浄
分布生育場所

科名:アケビ科/属名:アケビ属
和名:木通/生薬名:木通(もくつう)/木通子(もくつうし)/学名:Akebia quinata
本州、四国、九州の日当たりのよい山野に普通にみられる。

ミツバアケビの花と幼果

見分け方・特徴

他の植物に左巻きに巻き付いて成長していきます。葉は楕円形の小葉5枚が掌状についた複葉です。
小葉の形は細長い長楕円形をしています。日本にはほかにミツバアケビとゴヨウアケビがあり、ミツバアケビは、3出複葉で3小葉の葉縁がやや波型になっています。 ゴヨウアケビは5枚の小葉からなる掌状複葉で、小葉はミツバアケビのようにふちが波型になっています。
いずれも薬用としての効き目に変わりはありません。
葉に新葉とともに短枝上に暗紫色の花を房状につけています。
花のがくは3片からなっていて、花弁はありません。
秋には5センチから6センチの楕円形の果実をつけ、成熟すると縦裂して半透明の果実と黒い小粒の種子が現れます。(アケビの果実)

採集と調整
アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの肥って木質化したつる性の茎を晩秋に採取し、10センチ程度の長さに切り天日に干して乾燥し、うすく輪切りにします。
これを生薬名で木通(もくつう)といいます。
また、実を乾燥したものを木通子(もくつうし)といいます。
薬効・用い方
木通子(もくつうし)は、腎臓炎、尿道炎、膀胱炎などのむくみに利尿剤としての効き目があります。
1日量木通(もくつう)3〜6グラムに、水0.5リットルを加えて、弱火で煎じながら約半量まで煮詰めて布でこしたものを、3回に分けて食前か食間に服用します。
この煎汁はできものの洗浄に外用薬として利用することもできます。
その他
柔らかいつる先と若い葉を、熱湯でゆでてあくを抜き十分水気をとり、すりごま、醤油、みりん、ハチミツを加えて和えます。マヨネーズ和えにしても、おいしく食べることができます。

果実皮の油味噌いため:果実皮を熱湯で、ゆでて一晩水にさらし、細かく切って油でいため、味噌とみりんで味付けをします。

アケビ細工:アケビのつるは強靭なので、皮をはいで、いすやバスケットなどを作る材料に使われています。アケビ細工はミツバアケビが適しています。

アケビの果実は秋になると、つるに小さいバナナの形をして2〜3個づつ垂れ下がります。成熟すると割れて半透明のゼリー状の果実が表れます。
甘い味がして、中に混入する黒い種子には、反対に強い苦味があります。

名前の由来は、果実が熟すと実がさけるので、「開け実(アケミ)」から転訛(てんか)して、アケビの名になったという説や、古くに、朝廷に献上したという果実が割れない「むべ」という、アケビに似た果実と比較して、「あけむべ」から転訛(てんか)して、アケビの名になったという説があります。
また、漢名の「木通(もくつう)」とは、つるを切って吹いたり吸ったりすると、空気が通るからついた名だという。